ドラマ『哲仁王后~俺がクイーン!?』、あのタイムスリップ設定にドハマりした方も多いのではないでしょうか?
現代のシェフが突然朝鮮王朝時代の王妃になってしまうなんて、想像しただけでドキドキしますよね。
でもね、実はこのドラマ、登場人物の多くが実在の人物で、その史実を下敷きにして作られているんです。
ただし、それはあくまで土台のひとつ。
フィクションがふんだんに混ざっていて、「本当はどうだったの?」と気になった方も多いはず。
今回はそんなドラマの核心に迫って、実像と創作の境目を詳しくご紹介します。
ネタバレを含む最終回のシーンも振り返りながら、歴史とドラマの面白さを一緒に味わってみましょう。
ドラマ登場人物と実在モデルの深掘り
哲仁王后とはどんな人?

ドラマの主人公キム・ソヨン(演:シン・ヘソンさん)が演じる哲仁王后は、本名をキム氏といい、1837年に安東金氏の有力一族の娘として生まれました。
安東金氏は当時の朝廷を支配するほどの権力者一族で、政略結婚の主役となる彼女の立場はとても重かったんです。
驚くべきことに、彼女はわずか14歳で第25代王・哲宗と結婚。
若くして王妃となり、権力の渦巻く宮廷に足を踏み入れます。
史実では物静かで政治には直接関わらなかったとされていますが、ドラマでは魂が男に入れ替わるコミカルな設定が話題ですよね。
史料によれば、哲仁王后は安東金氏の強力な後ろ盾があり、政治の実権を持っていた一族の意向が強く反映された王妃だったようです。
だから、彼女の存在が当時の宮廷政治に一定の影響力を及ぼしていたことは間違いなさそうです。
王・哲宗の実態とは?
演じるのはキム・ジョンヒョンさん。
1827年に生まれた哲宗(本名:李昪)は、王室では傍系にあたり、即位前は長らく漁村で庶民の生活を送っていました。
これは意外ですよね?庶民出身が王になるなんて、それ自体がまさにドラマチック。
憲宗が男子の後継者を残さず死去したため、遠縁である哲宗が王座に就きましたが、実態は政治的に無力で、権力は安東金氏に完全に握られていたのです。
ドラマで描かれるような強い反抗や計略は史実ではほとんどなく、彼は一族の傀儡でしかありませんでした。
安東金氏の権勢と大王大妃こと純元王后
大王大妃は純元王后(ドラマでは大王大妃と表現)であり、哲宗の祖母に当たる人物。
彼女を中心とする安東金氏一族は、朝廷を強力に支配していました。
弟の金左根(ドラマ名:キム・ジャグン)がその権力の中核であり、王位の後ろ盾として活躍した影響力者です。
ドラマではこの派閥争いを、安東金氏を「安松キム氏」、豊壌趙氏を「豊安チョー族」に分けて描かれていて、派閥の権力闘争がストーリーの大きな緊張感を生んでいます。
フィクションが濃いキャラクターと設定の裏側
キム・ビョンインのモデルは?

ドラマで哲仁王后の従兄でありキム・ジャグンの養子として登場するキム・ビョンイン(演:ナ・イヌ)。
歴史には金左根の養子・金炳冀(キム・ビョンハク)がおり、ドラマのキャラはこれをベースに作られていますが、彼の恋愛描写などは創作です。
歴史資料に彼の恋愛や王妃との関係については記録がありません。
側室や宮廷生活の創作部分
ドラマでは王妃ソヨンと対立する側室・宜嬪(ファビン)や3人の淑儀など多数の側室が登場します。
調べると、哲宗には公式に認められた側室はいなく、王妃だけだったことが驚きです。
側室パートは史実を脚色したものでした。
政治的な理由で安東金氏が家系の強い王妃一人に絞った可能性と、哲宗の健康面の問題で子供を残せなかったことが関係しています。
ただ哲仁王后は1858年に王子を出産しているので、健康面では問題なかったとの意見もあるようです。
この王子は残念ながら早世しています。
ドラマのタイムスリップシーンの魅力
ドラマの最大のヒット要因とも言える現代のシェフチャン・ボンファン(演:チェ・ジニョク)が王妃の体に意識が入り込む設定。
朝鮮王朝の荘厳な宮廷生活と現代の自由な感性が交錯し、笑いと驚きが連発します。

この大胆な設定が、ドラマのヘビーな歴史的背景を軽やかにし、視聴者層をグッと広げました。
王妃になるとは程遠い男のドタバタが視聴者の心を鷲掴みにして、単なる歴史ドラマとは一線を画しています。
ネタバレ最終回の深読み
最終話でボンファンの魂は現代に戻り、王妃・哲仁王后としての人生は史実に沿って静かに続きます。
史実では哲宗は37歳の若さで病死。
嫡男はなく、後の高宗が新たな王となり、安東金氏の勢道政治は興宣大院君らによる粛清で終焉を迎えます。
ドラマでは権力闘争が激しかったものの最後は一時の和解と平穏が訪れ、視聴者にほっとした余韻を残しましたね。
よくある質問(本文未掲載)
Q1:哲仁王后はどのようにして王妃になったの?
A:権力を握る安東金氏一族の策略による政略結婚が背景です。
若くして政治の駒となりました。
Q2:哲宗はどんな人物だった?
A:政治にはほぼ無力で、安東金氏の傀儡として存在していました。
身体も弱く短命でした。
Q3:ドラマに描かれた対立や暗殺は本当にあったの?
A:ドラマオリジナルの創作が多く、実際には権力争いはありましたが劇的な暗殺劇は史実にはありません。
Q4:なぜ哲宗に側室がいなかったの?
A:健康状態の悪さと、政治的に王妃一人を押し通す安東金氏の方針によるものと考えられています。
まとめ
ドラマ『哲仁王后~俺がクイーン!?』は時代劇の枠にとどまらず、歴史のリアルとファンタジーが同居する魅力的な作品です。
哲仁王后や哲宗など主要人物は実在し、その時代の政治構造や派閥の権力闘争も史実通り。
でもそこに現代人のタイムスリップやコミカル要素が加わり、史実が身近に感じられ、楽しく学べる工夫が満載なのが嬉しいですね。
王宮の裏側や権力争いのリアルを知ることで、ドラマの描写の意味や背景がグッと深まりました。
次に見返すときには、また違った感動が味わえそうです。
韓国時代劇の奥深い魅力に触れるならこの作品は外せませんよ。
あなたもタイムスリップ体験、一緒に楽しんでみませんか?