韓国ドラマ「キングダム」を観て、チャン世子(チュ・ジフン)の行動に心を掴まれていた人、多いのではないでしょうか?
ただのゾンビ時代劇ではなく、彼の人間としての選択こそが物語を動かしていました。
王座を継ぐ運命にありながら、権力よりも命の真実を追い続けた世子。
今回は、そんなチャン世子の行動を時系列で整理しながら、彼がどんな思いで戦ったのかを振り返っていきます。
宮廷の冷たい空気が伝わってくるような緊迫の連続の世子の行動について深掘りしていきましょう。
王の異変に気づいた世子の最初の違和感

父王に会えない不自然さ
宮廷の王の間。王が病に伏したとされてから十日が経っていました。
表向きの病名は天然痘。
しかしチャン世子の胸中にはずっと違和感がありました。
なぜなら、どれほど願っても父王との面会が許されなかったからです。
王妃(キム・ヘジュン)とその父ハクチュ(リュ・スンニョン)だけが陛下の部屋に入ることを許されていた。
この時点で権力のバランスは明らかに崩れていました。
薬房日誌の空白
疑念を抱いたチャン世子は側近のムヨンに命じ、王の薬房から日誌を盗み見ます。
すると10日前の記録に「悪寒・発熱・頭痛」と記載。世子は即座に異変を感じました。
「天然痘は発熱を伴わないはずだ」
さらに翌日以降の記録は白紙。
薬の処方も一切なし。
王がただの病人ではないことを、この瞬間に確信したのです。
この冷静さと直感力こそ、のちのチャン世子の行動すべての原点でした。
医師捜索から始まる真実の旅
宮殿を離れる世子

王の病を診た医師イ・スンヒの行方を追うため、チャン世子はムヨンとともに宮廷を離れます。
ここで彼は初めて民の暮らしを目の当たりにします。
飢える子ども、病人を抱える村…。
王都から離れた世界の貧しさが、彼に治める者としての責任を突き付けたように見えました。
東菜(トンネ)の地で出会った女医ソビ
東菜の診療所では、女医ソビ(ペ・ドゥナ)が必死に病人を治療していました。
責任者のイ・スンヒ医師も帰還しますが、その荷台には遺体。
冒頭で王に食われた見習いダニの死体が。
食料の尽きた診療所で、ヨンシンが「死者を煮て食べた」ことから患者が次々ゾンビ化するという悪夢の連鎖が始まります。
この混乱を目撃したソビは、生死草という謎の薬草の存在を追う決意を固めました。
チャン世子、ゾンビの真相に迫る
東菜での48の死体
チャン世子がたどり着いた東菜の診療所には、床下に無数の死体が眠っていました。
彼はその異様な光景を前に、国家を揺るがす病の原因がここにあると感じます。
そして、イ・スンヒ医師の行方を追う過程で初めてゾンビの存在を知るのです。
夜になると動く死者
夜が訪れるや否や、東菜の役所に運ばれた死体たちが突如動き出す。
民を守るため、チャン世子は剣を抜き「首をはねよ!遺体は燃やせ!」と叫びます。
その姿は、王族としての威厳というより、もはや戦士のようです。
夜が明けると、彼は冷静に町の隔離と民の避難を指示。
リーダーとしての資質が輝く瞬間でした。
権力争いの渦中で――王妃とハクチュの計略
偽りの懐妊
宮廷では、王妃が産月を迎えたと噂されていました。
しかしその腹は詰め物で膨らませただけ。
彼女は身寄りのない妊婦を集める施設から男児を奪い、自分の子として王に仕立てるつもりだったのです。
父ハクチュの策略により、チャン世子は完全に宮廷から追い詰められます。
この辺りの展開、まるで政治スリラーのような張り詰めた空気でした。
「反逆者」としての世子
ハクチュは世子を“謀反人”として指名。
討伐が命じられます。
生まれながらに正統性の薄い庶子であることが、彼をより孤立させました。
「私は本当に反逆を考えた。生きるためにな」
彼がムヨンにそう呟く場面は、王族である以前に、一人の人間の弱さと覚悟を映していました。
苦悩と友情、そして師との再会
ゾンビとの戦い
世子が逃げた先、尚州の町ではすでにゾンビが溢れ、民を襲っていました。
地下に埋められたはずの死体が、日没とともに地中から這い上がり、地獄絵図のような光景が広がります。
そこに現れたのは、彼の師・アンヒョン大監(ホ・ジュノ)。
炎と剣を使い分けて戦う姿は圧巻です。
しかし同時に世子は気づきます。
アンヒョンがゾンビの扱いに慣れていることに。
彼もまた、この秘密に関わっていたのではないかと。
生死草の真実とソビの気づき!
ゾンビの弱点は太陽ではなかった
ソビと役人ボムパルが向かった氷の谷には、生死草が群生していました。
けれど、その地では昼間にもゾンビが活動していたのです。
「ゾンビが動かない理由は、太陽ではなく気温だったのね」
この発見が、のちのゾンビ対策の鍵となります。
つまり、寒冷な環境下ではゾンビがより活性化するということ。
この設定の緻密さには、思わず唸らされました。
よくある質問
生死草とは?
生死草は、死者を生き返らせる禁断の薬草。寄生虫の卵が体内で孵化し、脳を操ることでゾンビ化が起こります。
チャン世子はなぜ宮廷を離れた?
王の病と国家の混乱の真実を突き止めるためです。のちに彼は、自らの立場を超えて民を救う行動をとります。
ゾンビの発生源は?
東菜の診療所が発端。食料不足で人肉を口にした患者たちが感染し、凶暴化しました。
アンヒョン大監は敵?味方?
表向きは世子の味方ですが、かつてイ・スンヒ医師の日誌を保有しており、ゾンビ研究に関与していた可能性が高いと見られています。
まとめ
このページではチャン世子の行動を時系列で追ってきました。
最初は父の病を気にするだけだった青年が、民を守り、己の罪と向き合うリーダーへと変わっていく。
宮廷の陰謀もゾンビの恐怖も、結局は人間の欲と恐れの裏返し。
やがてチャン世子はゾンビから「民を救う」決意をします。
冷たい戦場で光る人間味。
それこそが『キングダム』が単なるゾンビドラマにとどまらない理由です。
次に観るときは、チャン世子の眼差しの奥にある優しさと葛藤を感じてみたいなと思っています。
