韓国ドラマファンの間で定番になっている「クズ夫」ものが最近ほんとうに増えましたよね。
この記事では、その中でも特にクズ中のクズとして話題になった作品を紹介します。
クズ夫の最上級である「キング オブ クズ」夫をご覧ください。
なぜ私たちはあえて徹底的なクズ夫を求めてしまうのか?についても掘り下げていきますね。
クズ夫の最上級「キング オブ クズ」は誰?
あくまでも個人の感想ですが「キング オブ クズ」」は『私の夫と結婚して』のミンファンと『夫婦の世界』のイ・テオがツートップだと考えられます。
ひとりずつ見てみましょう。
①『私の夫と結婚して』

・配信:Amazon Prime Video独占配信
・ヒロイン:ジウォン(パク・ミニョン)
・クズ夫:ミンファン(イ・イギョン)
末期がんと不倫の末に殺されたヒロインが、10年前に戻ってクズ夫と親友に復讐するリベンジ・ラブロマンス『私の夫と結婚して』。
クズ夫ミンファンは、結婚と同時に家事の丸投げ、モラハラ、浮気に加え、ヒモ気質までフル装備。
また、ひどいマザコンで母親の言いなり。
この母親は嫁よりも息子が大事で嫁いびりが強烈なのですが、クズ夫ミンファンは嫁がいじめられていても見て見ぬふりを決め込んでいます。
ミンファンは最終的にジウォンを殺してしまうため冷徹な気質も持っているようです。
「ヒモ×暴力×浮気×マザコン×冷徹な気質のクズ夫」として、そのクズっぷりはある意味芸術の域に達していると言っても過言ではないでしょう。
②『夫婦の世界』

・配信:Netflix
・ヒロイン:チ・ソヌ(キム・ヒエ)
・クズ夫:イ・テオ(パク・ヘジュン)
『私の夫と結婚して』のミンファンと同じくらいのクズっぷりを披露しているのが『夫婦の世界』のイ・テオです。
『夫婦の世界』のイ・テオは不倫がバレた後、開き直って逆ギレするという憎たらしさ。
韓国では「国民的クズ夫」と評されています。
③その他の不倫・修羅場系作品
国内の韓国ドラマランキングサイトや不倫テーマの特集では、『結婚作詞・離婚作曲』『医師チャ・ジョンスク』『浮気したら死ぬ』や『二番目の夫』など、多数のタイトルが挙がっています。
どの作品にも、形は違えど記憶に残るクズ夫が登場し、物語をかき回してくれます。
個人的には、こういう作品を立て続けに見ると、日常でちょっと優しい男性を見るだけで「この人、めちゃくちゃ良い人じゃん…」と感動してしまう副作用があります。
韓ドラのクズ夫、恐るべしです。
韓国ドラマファンがクズ夫はクズ中のクズであってほしいと願う理由3選!
理由1:復讐が気持ちよく決まるから
まず一つめは、とにかく復讐をスカッと決めるためです。
中途半端にダメな夫だと、ヒロインが反撃してもどこかモヤッとしませんか?
徹底したクズ夫だからこそ、制裁シーンで視聴者の感情が一気に爆発します。
末期がんの末に夫とその不倫相手に殺されたヒロインが、10年前に戻って復讐を仕掛ける物語『私の夫と結婚して』では。

ヒロインのジウォン(パク・ミニョン)は、あえてクズ夫ミンファン(イ・イギョン)と親友スミンを結婚させることで、二人を地獄に落とそうとします。
イ・イギョンさん演じるミンファンは、結婚した途端に態度が豹変し、家事は全部妻任せ、仕事の責任も押しつけ、浮気、モラハラ、金銭問題と、クズ行動フルコンボ。
「ヒモ×暴力×浮気のクズ男があまりにもハマり役」と評されていて、視聴者から最低のクズ夫とまで言われています。
ここまで徹底してくれると、ジウォンの復讐計画が一つ成功するたびに、「もっとやれ!」と応援したくなりますよね。
「悪役たちが徹底的に悪いやつなので、彼らに一泡吹かせていく展開は本当にスカっとした」とレビューされています。
この徹底的な悪があるからこそ、復讐劇の快感が最大限に膨らむわけです。
正直、視聴中の私は毎回「こんな夫リアルにいたら全力で逃げよう。でもドラマとしては最高に面白い」と複雑な気持ちになりました。
そこがまた、クズ夫ドラマの中毒ポイントだと思います。
理由2:ヒロインの「再生物語」がよりドラマチックになるから
二つめの理由は、ヒロインの再生と成長がよりドラマチックに見えるからです。
クズ夫のダメさが深ければ深いほど、そこから抜け出して自分の人生を取り戻すヒロインの姿がまぶしく見えてくるんですよね。
愛憎劇として有名な『夫婦の世界』では、夫の不倫と裏切りから、妻ジス(キム・ヒエさん)が壮絶なカウンターを仕掛けていきます。

不倫がバレた途端に逆ギレし、開き直り、被害者ぶる夫の姿は、日本の記事でも「開き直って逆ギレするクズ夫」とバッサリ表現されています。
酷い仕打ちを受けてきたからこそ、ヒロインが精神的に成長し、経済的にも自立していく姿が強烈に心に残ります。
視聴者側も、ただの不倫ドラマとして消費するというより、「ここまで追い詰められても、人は立ち上がれるんだ」という希望を感じる人も多いようです。
実際、夫婦の修羅場ものを特集した記事でも、『夫婦の世界』は「究極の愛憎劇」として紹介されています。
個人的に感じるのは、クズ夫がそこそこダメな夫レベルだと、ヒロインの決断が軽く見えてしまうことです。
「それなら別れちゃえば?」で終わってしまう。
でも、韓ドラのクズ夫は、人生を根こそぎ壊すレベルでやらかしてくれます。
だからこそ、ヒロインの勇気ある決断が物語としてずしんと響くのでしょうね。
理由3:視聴者の「あるある」と社会批判が両立するから
三つめは、視聴者のあるある感と、社会批判・風刺が同時に味わえるからです。
韓国ドラマのクズ夫は、ただの悪役ではなく、現代社会の歪みを象徴する存在として描かれることが多いんですよね。
不倫やモラハラ夫を扱った作品を集めた特集でも、「不倫と夫婦の修羅場」をテーマにしたドラマが数多く挙げられていて、その中でクズ夫たちは、家父長的な価値観や男尊女卑、経済格差などの問題を体現するキャラクターとして語られています。
視聴者は「こんな夫、ドラマだけにしてほしい」と思いつつも、「リアルにこういう人いるよね…」と妙に納得してしまうところがありますよね。
2020年代以降の作品では、ヒロインが泣き寝入りせず、法的手段や社会制度を利用して反撃する姿もよく描かれます。
『私の夫と結婚して』のジウォンも、単なる感情的な復讐ではなく、証拠を集め、周囲の協力を得ながら、計画的にクズ夫の人生を崩していきます。
そこには、「もう我慢しない」「女も自分の人生を選ぶ」というメッセージがしっかり込められているように感じます。
笑えるところもあるし、スカッともするけれど、どこか胸がチクッとする現実が混ざっている。
そのバランスが、クズ夫ドラマが愛され続ける大きな理由の一つだと思います。
よくある質問(ファンがつい気になるところ)
Q1. 「クズ夫」って、どこからがクズ判定になるの?
韓国ドラマの記事やレビューでは、浮気や不倫に加えて、モラハラ(精神的な支配)、経済的DV、家事育児の放棄などが重なるとクズ夫と呼ばれやすいです。
特に『私の夫と結婚して』のミンファンのように、ヒモ気質+暴力+浮気が揃うと、「キング・オブ・クズ」「クズ・オブ・クズ」とまで書かれることもあります。
専門用語としてよく出てくるモラハラは、日本の厚生労働省などの資料でも「言葉や態度などによる精神的な嫌がらせ」と説明されています(例:厚生労働省「職場のハラスメント対策」)。
家庭内でも同様に、相手を言葉で追い詰めたり、自尊心を削る行為がモラハラにあたるとされています。
Q2. なぜこんなにクズ夫ドラマが人気なの? 重くない?
確かにテーマだけ聞くとかなり重いのですが、オリコンの韓ドラ特集では、『私の夫と結婚して』のような復讐劇について「裏切った夫や親友に次々とスピーディーに仕返ししていく展開がスカッと痛快」と紹介されています。
つまり、視聴者はただ暗い気持ちになりたいわけではなく、「理不尽な目にあった主人公が、最後には自分の人生を取り戻す物語」に惹かれているんですよね。
そのためには、相手役のクズ度合いがある程度高くないと、物語として成り立たないところもあります。
Q3. クズ夫役の俳優さんって、その後イメージ大丈夫?
これはけっこうファンが心配するポイントですよね。
イ・イギョンさんのように、『私の夫と結婚して』で強烈なクズ夫を演じた一方で、『ウラチャチャ』シリーズやバラエティ、ファンミーティングではコミカルで優しく笑顔がすてきな俳優さんです。
「クズ夫役もコミカルな役もお手の物」として、シリアスからコメディまで幅広い出演作が紹介されています。
つまり、俳優としては「演技力の幅を証明するチャンス」でもあるわけです。
実際、イ・イギョンさんはクズ夫役一つでイメージが固定されているわけではありません。
むしろ「演技がうますぎて本当にムカついた!」と褒め言葉として受け取られているパターンも多いです。
まとめ
韓国ドラマファンが「クズ夫は中途半端じゃ困る、どうせならクズ中のクズで」と願ってしまうのは、
という三つの理由が大きいと感じます。
私自身、画面のこちら側で何度も「最低なやつ!…でも次の話も気になる…」と葛藤しながら見続けてきました。
だからこそ言いたいのは、現実では絶対に出会いたくない相手だけれど、フィクションの中では最高のスパイスになってくれる存在だということです。
次に韓国ドラマを選ぶとき、「今日はちょっと刺激強めでも大丈夫そうだな」と思ったら、クズ夫が話題になっている作品を一本入れてみてください。
怒って、笑って、最後にはちょっとだけ前向きになれる。
そんな不思議な体験が待っているはずです。




