【2025】韓国業界関係者が選んだワーストドラマTOP10!
2025年も、韓ドラ界はいろんな意味で豊作でしたよね。
いい意味でも、悪い意味でも。
業界関係者が選ぶ「ワーストドラマTOP10」は、毎年ちょっとドキドキしながら見てしまいます。
褒められているときよりも、こういう失敗作からこそ見えてくるトレンドや課題は、正直かなりおもしろいですよね。
ここでは、韓国メディア「ジョイニュース24」が業界関係者110人にアンケートして選んだ2025年のワーストドラマをベースに、作品の内容やキャスト、どこが残念だったのか、そしてそれでもどこか愛おしいポイントまで、ドラマ好き目線でたっぷり語っていきます。
2025年ワーストドラマTOP10の全体像
まずはさくっと、ランキングの全体像から。
- 1位:TWELVE トゥエルブ(Disney+/全8話)
- 2位:星がウワサするから(tvN/Netflix配信/全16話)
- 3位:イカゲーム3(Netflix/全13話)
- 4位:北極星(Disney+/全9話)
- 5位:バニーとお兄さんたち(U-NEXT配信/全12話)
- 6位:キキキキ(クスクス)(Rakuten Viki/全12話)
- 7位:京城クリーチャーS2(Netflix/全7話)
- 8位:コンフィデンスマンKR(Amazon Prime/全12話)
- 9位:優しい男の物語(地上波ドラマ)
- 10位:私たちの映画(ケーブルドラマ)
票数としては、
1位「TWELVE」は28票
2位「星がウワサするから」は15票
3位「イカゲーム3」10票
4位「北極星」は7票
5位「バニーとお兄さんたち」は6票
6位「キキキキ(クスクス)」5票
7位「京城クリーチャー2」4票
8位「コンフィデンスマンKR」は3票
9位「優しい男の物語」
10位「私たちの映画」
「え、この作品がワースト入りなの?」と感じるタイトルもありますよね。
ここからは1本ずつ、もう少し深掘りしていきます。
第1位 TWELVE トゥエルブ :マドンソクの拳が不発に終わった衝撃

1位は堂々(?)の「TWELVE トゥエルブ」。
マ・ドンソク、パク・ヒョンシク、ソ・イングクら豪華キャストに加え、制作費は約200億ウォン超えと言われる大作でした。
物語は、東洋の十二支神話と西洋のスーパーヒーローものをミックスしたファンタジーアクション。
人間を守るために存在する十二支の守護神と現代人が絡み合う、いかにも「韓国らしい派手さと情」のある設定です。
ところが、現場からの評価はかなり厳しめ。
- プロットが「ありきたりで弱い」
- キャラクターの掘り下げが足りず、魅力が出きれていない
- 高額予算のわりにCGのクオリティが低い
こうした指摘が、韓国メディアや業界関係者のコメントで繰り返し上がりました。
視聴率も初回8%台から、最終回は2%台まで急落したと報じられていて、「今年の中で最高の失敗作」というかなりきつい言葉も見られます。
個人的には、「マドンソクのドラマ復帰+ヒーローもの」というだけで期待値が爆上がりしてしまったからかな?とも思います。
アクションシーン一つとっても、映画で見てきたあの迫力がドラマでは十分に生かされていないように感じる声が多かった印象です。
第2位 星がウワサするから : ロマンス×宇宙×ハエの交配で大炎上

2位はコン・ヒョジン、イ・ミンホ主演の「星がウワサするから」。
韓国初の宇宙ステーションを本格的に描くロマンスドラマとして、制作期間5年、制作費約600億ウォンという超大型プロジェクトでした。
完璧主義の宇宙飛行士(コン・ヒョジン)と、極秘任務のために宇宙へやってきた医師(イ・ミンホ)が、無重力空間で織りなすラブストーリー。
ここまでは「壮大でロマンチックなSFラブかも?」と期待した視聴者が多かったはずです。
ところが、ふたを開けてみると、視聴者と業界からかなり困惑混じりの批判が殺到しました。
- 突然挟まれるハエの交配シーン
- 財閥一族が“宇宙で人工授精”という奇抜すぎる設定
- せっかくの巨額予算に見合わない不自然なCG
これらが「何の話なのか理解不能」「制作費600億ウォンをかけた宇宙シットコム」と言われるほどのカオス状態になってしまったんですね。
最終的に視聴率は2.6%で終了し、「期待して見始めたけど、途中から置いて行かれた」という視聴者の声も多かったです。
個人的には、コン・ヒョジンの仕事モードの女性とイ・ミンホのちょっと影のある男の組み合わせって、本来ならもっと胸キュンを生みそうなのに、
ストーリーそのものが二人のケミを支えきれなかった印象があります。
設定の奇抜さが、人物の感情の積み上げより前に出てしまった感じですね。
第3位 イカゲーム3 : 世界的ヒット作の終わらせ方の難しさ

3位は、世界中を席巻した「イカゲーム」シリーズの最終章「イカゲーム3」。
Netflixがシーズン2、3合わせて約1000億ウォンを投じたと伝えられていて、韓国ドラマ史上でもトップクラスのビッグプロジェクトになりました。
ただ、業界関係者の評価は手厳しく、ワースト上位に入ってしまいます。主な指摘は次のようなものです。
- シーズン制の影響なのか、プロットが間延びしている
- 主要キャラクターの行動や変化に説得力が欠ける
- 結末が賛否両論どころか「肩透かし」と感じる視聴者が多かった
世界的ヒット作品のラストをどうまとめるかは、制作側にとっても相当なプレッシャーだったはずです。
それでも、ファンの間から「シーズン1で終わっていたら伝説だったかもしれない」という声が出てしまうのは、少し切ないですよね。
個人的にも、韓国ドラマのシーズン制の難しさを象徴する例のひとつだと感じます。
シーズンを重ねることで世界観は広がる一方、最初にあった緊張感やテーマ性が薄れてしまうリスクもある。
そのバランス調整に苦戦したのではないでしょうか。
第4位 北極星 : ビジュアルは完璧でも心が追いつかない

4位に入ったのが、チョン・ジヒョン&カン・ドンウォン共演で話題になった「北極星」。Disney+配信、全9話。
制作費は約700億ウォンとも報じられ、これまた超・大型の期待作でした。
韓国のみならず中国からも注目されたドラマでしたが、その中国側からも「ドラマの本質をとらえていないプロット」「不穏で分かりづらい演出」など、批判的な声が多く出てしまいます。
- 物語の軸がどこにあるのか分かりづらい
- キャラクターの感情の動きが十分に伝わってこない
正直なところ、チョン・ジヒョンというだけで画面に吸い込まれるような魅力がありますし、カン・ドンウォンとの組み合わせも「これをドラマでやってくれるのか」とワクワクしましたよね。
それだけに、「ビジュアルは完璧なのに、心が追いついてこない」という感想にはかなり共感してしまいました。
第5位 バニーとお兄さんたち : 癖強イケメンドラマの難しさ

5位「バニーとお兄さんたち」は、ノ・ジョンウィ、イ・チェミン、チョ・ジュニョンら若手キャストが集結したU-NEXT配信の12話ドラマ。
トップ3の重さに比べると、こちらは「ワーストといってもそこまでひどくはない」「むしろ癒やされた」という視聴者の声も多く見られました。
実際、メンズ陣が揃うだけで画面が華やかで、「とりあえずイケメンを眺めたい」という日にはちょうどいい作品だった、という感想もあがっています。
ただ、業界目線では、
- キャラクターは魅力的なのに、ストーリーラインが平板
- コメディとロマンスのバランスが中途半端
といった点がマイナスに働いたようです。
個人的にも、「癖強イケメンを並べただけで終わらせてほしくなかったな」と感じる部分がありました。
キャラの設定自体は面白いので、もう一歩踏み込んだ心情描写やドラマ性があれば、評価はかなり違っていたかもしれません。
第6位 キキキキ(クスクス): トップ俳優×YouTube時代のシットコム

6位は2025年2月5日からKBS 2TVで放送された『キキキキ(クスクス)』
。チ・ジニ、イ・ギュヒョンが主演し、制作会社を立ち上げた二人がYouTube登録者数300万人を目指して奮闘する、
チ・ジニといえば、「宮廷女官チャングムの誓い」や「ミストレス~愛に惑う女たち~」などで知られる実力派俳優ですし、イ・ギュヒョンも「刑務所のルールブック」「悪霊狩猟団:カウンターズ」シリーズなどで安定した演技が高く評価されています。
そんな二人が“ユーチューバーを目指す制作会社の社長とPDという設定は面白いのですが、
- シットコムとしての笑いがやや古く感じられる
- YouTube文化や配信業界の描き方がリアルさに欠ける
といった声から、業界内での評価は今ひとつ伸びませんでした。
ドラマよりも現実のYouTube界のほうがスピードも熱量も上回ってしまっていて、フィクションが現実の熱気に追いつけなかった印象があります。
第7位 京城クリーチャーS2 : 2年連続ワースト入りの苦い結果

7位には「京城クリーチャーS2」。
パク・ソジュンとハン・ソヒ主演のモンスタースリラーで、もともとシーズン1から話題性は抜群でした。
ただ、前作の成功にもかかわらず、シーズン2の評価はかなり厳しめ。
- S2のストーリー展開が、S1の感動や恐怖を“上書き”できていない
- 結末の処理によって、「S2って必要だった?」と感じる視聴者が多かった
「ヤバイクリーチャー」とパク・ソジュンのキスシーンがやたら記憶に残ってしまう、という感想も見かけましたが、これはある意味で作品のバランスの問題とも言えますよね。
クリーチャーものの恐怖と、ロマンスのときめき。この両立は本当に難しいです。
第8位 コンフィデンスマンKR : 日本版の“空気感”をどう再現するか

8位はパク・ミニョン主演の「コンフィデンスマンKR」。日本の人気ドラマ「コンフィデンスマンJP」のリメイク版として制作され、Amazon Primeで配信されました。
オリジナル版「コンフィデンスマンJP」は、長澤まさみ・東出昌大・小日向文世のトリオが見せる軽妙な会話劇、ポップなトーン、そして嘘が嘘を呼ぶ予測不能な脚本が魅力でしたよね。
韓国版でもそのエッセンスを再現しようとしたものの、
- 日本版の独特のテンポやユーモアが十分に生かされていない
- パク・ミニョンの魅力はあるが、役柄との相性に違和感を感じる視聴者もいた
とはいえ、「本家が強すぎるだけで、そこまで酷評するほどではない」「普通に楽しめた」という声も一定数あります。
個人的にも、完璧なリメイクを求めすぎてしまうと、どの国のバージョンもつらくなってしまうので、別物としてゆるく楽しむのもアリかなと感じました。
第9位 優しい男の物語

第9位の「優しい男の物語」は、タイトルから期待されるヒューマンドラマ性に対して、脚本や演出が追いついていないと指摘されました。
キャスティングは悪くないものの、ドラマ全体として印象が薄く、「時間を割いて見るほどではなかった」という業界の冷静な評価を受けた作品です。
大きな炎上こそないものの、「時間を割いて見るほどではなかった」という業界の冷静な評価がにじんでいます。
第10位 私たちの映画

「私たちの映画」は、韓国ドラマのワースト第10位にランクインしています。
このドラマは、スランプに陥った映画監督と、余命宣告を受けた女優の物語を描いており、深いスランプに陥り、重圧に苦しむ若手映画監督イ・ジェハ(ナムグン・ミン)と余命宣告を受けた女優の卵イ・ダウム(チョン・ヨビン)による、切なく温かい恋の物語です。
9位、10位に共通して指摘されているのは、
- タイトルから期待される“ヒューマンドラマ性”に対して、脚本や演出が追いついていない
- キャスティングは悪くないのに、ドラマ全体として印象が薄い
「惜しい」タイプのワースト入りです。
ワーストから見える2025年韓ドラの課題
こうして見ていくと、2025年のワーストドラマには、いくつか共通するポイントが見えてきます。
- 超高額予算×大物キャストの作品ほど、「期待値とのギャップ」で酷評されやすい
- シーズン制(イカゲーム3、京城クリーチャーS2)の続編の難しさ
- 奇抜な設定(宇宙ステーション、クリーチャー、超能力ヒーローなど)が、人物の感情描写を食ってしまうリスク
どの作品も、やろうとしていることだけを見るとすごく野心的で、チャレンジ精神にあふれています。
だからこそ、失敗したときの落差も大きくなりますし、ワーストランキングに入ってしまう。
それでも、この挑戦があるからこそ、韓ドラは毎年新しい景色を見せてくれるのだと思います。
「TWELVE」や「星がウワサするから」も、好きな人にとってはツッコミながら楽しめる作品だったりしますよね。
完璧じゃないからこそ、語りたくなるドラマ。
ワーストランキングは、その楽しみ方を教えてくれるリストでもあるのかもしれません。
まとめ
2025年のワーストドラマTOP10をあらためて振り返ってみると、「TWELVE トゥエルブ」や「星がウワサするから」のように、莫大な制作費と豪華キャストをそろえながらも、脚本や演出がその期待に追いつけなかった作品が目立ちました。
奇抜な設定や壮大な世界観に挑戦する一方で、キャラクターの感情描写や物語の説得力が弱いと、視聴者の心は離れてしまうという、韓ドラ界の今の課題もくっきり見えてきます。
それでも、こうした失敗作があるからこそ、次の作品はもっと良くなるはずだと感じますし、ドラマファンとしては「どこが惜しかったのか」を語り合う楽しみも生まれますよね。
ワーストランキングは単なる「ダメ出しリスト」ではなく、韓国ドラマがどこまでリスクを取って挑戦しているのか、その熱量を教えてくれる鏡のような存在なのでしょうね。
