もしあなたが医療ドラマ好きなら、『浪漫ドクター キム・サブ1』は間違いなく外せません。
舞台は小さな地方病院「トルダム病院」。
そこに現れるのは、かつて神の手と呼ばれた伝説的外科医キム・サブさん。
本名はプ・ヨンジュさんです。
大病院で権力争いに巻き込まれる人生を嫌い、静かに、しかし情熱を秘めて新しい名で生きる彼。
なぜ名前を変えたのか?その裏には医師としての信念と、過去の因縁が隠されています。
そして彼のもとで成長する若手医師たちの過去と変化もまた、胸を熱くさせますよ。
キム・サブの本名ではない理由
キム・サブの本名ではない理由の真実
実は「キム・サブ」という名前は彼の本名ではありません。
本名はプ・ヨンジュ(Boo Yong-joo)。
かつて韓国医療界では知らぬ者がいないほどの神の手として名を馳せ、コサン大学病院で外科、胸部外科、神経外科の3分野を極めた天才医師でした。
その技術は圧倒的で、ひとたび彼がメスを握れば、誰もが安心すると言われるほど。
医師たちの間では伝説のように語られていました。
しかし、彼の人生は華やかさとは裏腹に、医療界の権力争いや不正、経営側の利権に巻き込まれたことがきっかけで一変します。
自身の信念である「医師は権力のためでなく、患者のために存在する」という理想が踏みにじられる状況に、プ・ヨンジュは心から失望しました。
そうして彼は表舞台から姿を消し、名前を変えて地方の小さな病院「トルダム病院」で再出発することを選びます。
ここでキム・サブとして生きるようになったのです。
「サブ」という名に込められた意味

サブ(쌤/ saem)とは韓国語で先生を意味する親しみのある呼称。
「キム・サブ」という名には、権力や学歴といった肩書きから離れ、本当に人の命と向き合う一介の医師として生きたいという彼の決意が込められています。
表向きは田舎の変わり者医師。
しかし彼が手術台に立てば、若手医師たちも息をのむほどの精密なオペが繰り広げられます。
その姿は権力に背を向けた浪漫主義者でありながら、医療の真髄を見失わないプロフェッショナルそのもの。
だからこそ人々は彼を浪漫ドクターと呼ぶようになったのです。
カン・ドンジュとユン・ソジョンの過去

カン・ドンジュ(ユ・ヨンソク)
カン・ドンジュの医師人生は、最初から純粋な患者のためではありませんでした。
幼い頃、父を病院の都合で失った彼は、深い悲しみと憤りを抱えます。
「権力を手に入れれば、同じ悲劇を繰り返さないはずだ」その思いが、医学部をトップで卒業し、コサン大学病院のエリートコースに進む原動力となりました。
しかし、成功街道を走っていた彼は一つの重大な失敗を経験します。
その結果、左遷される形で田舎のトルダム病院へ。
そこで出会ったのが、かつて惹かれながらも姿を消したユン・ソジョンでした。
キム・サブの指導を受ける中で、ドンジュは初めて「医者として本当に守るべきもの」を考え始めます。
権力や肩書ではなく、目の前の命、それが彼を変えていくきっかけでした。
ユン・ソジョン(ソ・ヒョンジン)
ユン・ソジョンは、優秀な外科医としての腕を持ちながらも、感情が先走ってしまうことの多い人物です。
婚約者を事故で亡くして以来、手術中のパニックや精神的な不安定さに悩まされていました。
そのため一時医療の現場から姿を消し、心の整理に時間を費やすことになります。
再び医療の世界に戻るきっかけとなったのが、トルダム病院でのキム・サブとの再会です。
冷静で的確な指導を受けるうちに、自分が失っていた自信と情熱を取り戻し始めます。
さらにカン・ドンジュと再び同じ現場に立つことで、互いの過去や葛藤を少しずつ理解し合い、信頼と絆を深めていきました。
キム・サブ、ドンジュ、ソジョンの成長を象徴する名場面ベスト3
第1位:命の優先順位は平等だ(キム・サブ)
トルダム病院に、政治家の重度患者が運ばれてきたシーン。
周囲の医療スタッフや上層部はVIP患者を最優先にしようとする中、キム・サブはきっぱりと「命の優先順位は平等だ」と言い放ちます。
この瞬間、彼がどんな地位にも屈せず、医師という職業を信念で貫く人間であることを誰もが理解しました。
この場面こそ、彼がプ・ヨンジュという過去を捨て、浪漫ドクター・キム・サブとして生まれ変わった理由を象徴しています。
力よりも人を選び、人よりも命を選ぶ、この言葉が、後輩医師たちの生き方にも決定的な影響を与えました。
第2位:「覚悟があるなら執刀しろ」(カン・ドンジュ)
カン・ドンジュが初めて一人で大手術を任される場面。
プレッシャーに押しつぶされそうになったドンジュに、キム・サブがかけたのは「覚悟があるなら執刀しろ」という言葉でした。
成功も失敗もすべて受け入れる覚悟を持つ。
その一言が、ドンジュの医師としての心を目覚めさせるきっかけになります。
このシーンの後、彼はかつての復讐の医者ではなく、命を守る医師へと明確に変わっていくのです。
震える手でメスを握る姿に、多くの視聴者が涙しました。
第3位:再びメスを握る勇気(ユン・ソジョン)
ユン・ソジョンにとって最大の壁は、恐怖と罪悪感でした。
婚約者の死を引きずり、手術から退いていた彼女。
そんな彼女が、患者の命のために再び手術室に入り、震える手でメスを握るシーンあの瞬間、彼女は過去と決別し、真の医師へと生まれ変わります。
キム・サブの静かな視線、カン・ドンジュの支え、そして何より患者の命に向き合う自分の覚悟。
そのすべてが一つになって、彼女の再起を導きました。
この場面は、ドラマ全体の中でももっとも人間的で、心に残る再生の瞬間です。
これら3つの名場面は、それぞれが登場人物の転機を刻んだ瞬間です。
キム・サブは信念を貫き、ドンジュは使命を見出し、ソジョンは恐怖を乗り越えて歩き出す。
医療という舞台の中で、3人がどう“生き方”を学んでいくかを象徴する見逃せない名場面です。
よくある質問
Q. なぜシーズンごとにキャストが部分的に変わるの?
制作側は、視聴者に新鮮さを保たせるため、毎シーズンで新キャラクターを追加しています。
医療現場の多様な人間関係を描く狙いもあります。
Q. キム・サブのモデルとなった人物はいる?
公式には実在モデルは明らかにされていませんが、韓国国外を含め患者第一主義を唱えた実在医師から着想を得た可能性が指摘されています(スポーツソウル報道より)。
Q. 医療シーンは本当にリアルなの?
はい。現役の医師監修と医療スタッフを交えて撮影されており、手術手順や器具の使い方まで実際の現場に近い再現度です。
まとめ
『浪漫ドクター キム・サブ1』は、単なる医療ドラマの枠を越え、人生と信念を問いかける作品です。
本名を捨て、信じる道を選んだキム・サブさんの生き方は、医師だけでなく多くの人に響きます。
そして彼と出会った若い医師たちの過去と変化は、まさに人が成長する物語。
リアルな医療現場の描写と、心を震わせる人間ドラマの融合は、観る者に深い余韻を残します。
まだ見ていない方はぜひ、トルダム病院の扉を開けてみてください。