結婚が「国によって禁止される」という衝撃の世界観、想像するだけで息苦しくなりませんか?
韓国ドラマ『禁婚令 ー朝鮮婚姻禁止令ー』は、そんな極端な設定を舞台に繰り広げられるラブコメ時代劇。
鍵を握るのは詐欺師として生きてきたヒロイン・ソランです。
最初は小悪魔的な嘘で人をだます存在ですが、その裏には想像以上に重たい過去が隠されています。
ソランとは一体誰なのか?
彼女が背負ってきた悲劇や宮廷との関わり、その存在がドラマ全体でどういう意味を持つのかを掘り下げていくと、作品の面白さが二重にも三重にも膨らんでいきます。
ソランの正体と悲劇的な過去
📅10/21(土)スタート
— KNTV 公式アカウント (@kntv_info) September 18, 2023
✨禁婚令 ー朝鮮婚姻禁止令ー
人気上昇中の #キム・ヨンデ が初の時代劇に挑戦‼️
最愛の世子嬪を亡くし禁婚令を下した若き王と、世子嬪を憑依できる結婚詐欺師による痛快ロマンス時代劇🌈#KNTV #KNTV801
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両班の娘から転落した人生
ソラン(パク・ジュヒョン)はもともと由緒ある両班(貴族階級)の娘でした。
家柄も誇りも持って育った彼女の生活は、母親の死をきっかけに一気に崩れてしまいます。
父の側室で、元妓女だった女性の陰謀に巻き込まれ、刺客に命を狙われる羽目に。
必死に逃れたものの家も地位も失い、「婚姻詐欺」をして、他人をたぶらかして生きていました。
このギャップ、胸が苦しくなりませんか?
ただの悪女ではなく「生きるための必死な選択」という背景があるからこそ、彼女の行動に思わず共感してしまうんですよね。
婚姻詐欺師としての日々
ソランは結婚に憧れる庶民を狙い、巷で“霊媒”や“縁結び師”を装いながら詐欺を行っていました。
特に、亡くなった人の声を借りて相談に応じることを得意としていたのです。
結婚が人生の一大事だった朝鮮時代、そこに付け込んだわけですが、その姿は罪深くも哀れさがにじみ出ています。
実際の朝鮮社会でも「婚姻詐欺」は存在していたと言われ、当時の記録を読むと被害に遭った人々が多数いたそうです(参考:国立中央博物館『조선시대 속임수 사례』資料)。
ドラマのソラン像は、この史実を土台に脚色された面もあり、設定がリアルに感じられるのも納得です。
宮廷での運命の出会い
王イ・ホンと思いがけなくであう!
そんなソランが一転、王宮に呼ばれることになります。
7年前に最愛の世子嬪を亡くした王イ・ホン(キム・ヨンデ)は、悲嘆のあまり禁婚令を発布し、以来、国中の若者たちが結婚できない状態となっていました。
国全体を縛った法令の背後には「亡き妃を忘れられない王の強烈な愛」があったのです。
ソランは、亡き世子嬪の霊を“自分に憑依させられる”と吹聴して王の関心を引きます。
もちろんこれは詐欺の一環。
でも、彼女の巧妙な演技は次第に王の閉ざされた心を揺り動かしていきます。
宮中での立場
最初は囚人同然に捕えられたソラン。
しかし臨時の宮女(至密女官)に取り立てられ、王の身近に仕えることになります。
常に護衛武士に見張られながらも、宮中で生き抜く彼女の姿はハラハラしますよね。
しかも彼女は、ただ黙って命令に従うタイプではなく、機転とユーモアで王を振り回す役回り。
その化学反応が視聴者の大きな楽しみでもありました。
ソランが象徴するもの
愛と自由への“突破口”
ソランは、禁婚令という社会的な縛りを揺るがす存在です。
彼女の嘘は、人をだますものではありながら、一方で「愛という自然な感情を無理に抑え込もうとするものに対する抵抗」でもあるように映ります。
観ていて心を突かれるのは、彼女が王にとっても民にとっても“解放者”のような役割を果たしていくこと。
時にズルく、時に涙が出るほど真っ直ぐ。
ソランは“人間らしさ”そのものを体現していたのだと思います。
嘘と真実の境界
ドラマを通じて描かれるのは、「嘘から始まった関係が、やがて真実の愛に変わっていく」という流れ。
王の閉じた心を解くのは、世子嬪を演じる“嘘”だったのか、それともソラン自身の本当の心だったのか。
その境目がドラマの最大の見どころです。
私自身は、最初に嘘で近づいた彼女が、気づけば誰よりも王を理解していた…という展開に心を打たれました。
ドラマ制作の舞台裏
#キム・ヨンデ
— 韓ドラ かよよんちゃん (@kayoyon18) October 18, 2022
次のドラマが面白そうだよー💕☺
MBC新ドラマ『禁婚令:朝鮮婚姻禁止令』
『禁婚令』は7年前に皇太子妃を亡くし禁婚令を下した王イ・ホンの前に、死んだはずの皇太子妃に憑依出来るという結婚詐欺師ソランが現れ繰り広げられる愉快な宮廷詐欺ドラマだってー☺
12月放送予定 pic.twitter.com/OzU8q1Szat
演出を担ったパク・サンウ監督は、本作について「他の惑星に朝鮮という国があったら、こんなことが起きたかもしれない」と“平行宇宙的な世界観”として説明していました(出典:MBC公式インタビュー)。
つまり史実を忠実に描くのではなく“愛を禁じられたらどうなるのか”を問う寓話としての性格が強いんです。
キャスト選びについても逸話があります。
- パク・ジュヒョンさん(ソラン役):「一つの作品を引っ張る力を持った若手を探していた。ソラン役を演じられるのは彼女しかいなかった」
- キム・ヨンデさん(イ・ホン役):「ウェブ小説を読んでまず思い浮かべたのが彼だった」
- キム・ウソクさん(イ・シンウォン役):「数多くのオーディションを準備したが、彼を見て全て取り消したほど」(MBC制作発表コメントより)
こうした裏話を知ると、ドラマの熱量の理由が見えてきますよね。
俳優陣のハーモニーも、この作品の大きな魅力です。
まとめ
ソランは「両班の娘」でありながら陰謀により転落し、婚姻詐欺師となって生き抜いてきた女性。
そして彼女は王と民の心を揺さぶり、禁婚令という時代を終わらせる鍵でもあります。
嘘から始まり、やがて真実を紡ぐ――その生き様は視聴者に「愛とは何か、自由とは何か」を問いかけてくるものでした。
ただの歴史恋愛ドラマではなく、笑いあり涙ありの寓話的物語。だからこそ放送から時間が経っても語り継がれているのでしょう。
よくある質問
Q:ソランは実在した人物ですか?
A:史実には存在しません。完全にフィクションのキャラクターです。
Q:禁婚令は実際にあった制度ですか?
A:史実には存在せず、原作小説の創作です。ただし、王妃を選ぶ「揀択令」という制度は実在しました。
Q:ソランは最終的に王と結ばれるのですか?
A:ネタバレになるので詳細は避けますが、成長と試練を経て二人の関係は大きく変化していきます。
Q:このドラマは史実と違和感があるのでは?
A:監督自身が「平行宇宙的世界観」と説明しており、史劇としての正確さより“寓話性”と“共感”に重点を置いています(出典:MBC公式インタビュー)。
Q:日本からはどこで観られるの?
A:U-NEXTで独占配信されています。字幕配信は2022年12月より開始されました。