離婚弁護士を描いたドラマと聞くと、少し地味に感じるかもしれませんが、観るべきドラマだと思います。

『グッド・パートナー~離婚のお悩み解決します~』(SBS・2024)は、一歩踏み込んだ人間のリアルを描いた作品です。

主演はチャン・ナラとナム・ジヒョン。

年齢もキャリアも正反対の二人の弁護士が、「離婚」という複雑なテーマを通して、どう変わっていくのか。

私は、最初の数話からぐっと引き込まれました。

チャン・ナラ演じるウンギョンの強さ

ベテラン弁護士チャ・ウンギョン(チャン・ナラ)は、離婚専門のスター弁護士です。

彼女は法廷でも家庭でも完璧に見えるけれど、実は自分の夫(チ・スンヒョン)が浮気をしているという現実に直面します。

そう、このドラマは他人の離婚と自分の離婚を同時に描いている。

チャン・ナラの演技は、さすがというほかありません。

冷静なロジックと、感情を抑えきれない妻の痛みがひとつの表情に同居していて、見ていて息が詰まるほどリアルです。

声が震えるシーンなんて、心に刺さります。

『VIP』や『皇后の品格』で見せた強い女性像とはまた違う、壊れそうで壊れない女性を見事に演じていますね。

ナム・ジヒョンのハン・ユリが眩しい

新人弁護士ハン・ユリを演じるナム・ジヒョン。

『シスターズ』『100日の郎君様』などでおなじみですが、今回は正義感が強すぎて空回りする若手弁護士役です

「離婚チームなんて嫌だ」と思っていたユリが、依頼人の人生を見つめながら成長していく姿には共感してしまいます。

チャ・ウンギョンとはしょっちゅうぶつかるのに、いつの間にか良きパートナーになっていく。そのテンポ感が序盤は気持ちよかったです。

ただ後半は、その仲良しパートナー化が少し早すぎたかな、と個人的には思いました。

もう少し葛藤を引っ張ってくれたら、より深みが出たかも。

キャラ構成の妙とややもったりした後半

離婚訴訟を扱う弁護士ドラマという設定だけでなく、登場人物の人間臭さがこの作品の魅力。

離婚1チームの同僚チョン・ウジン(キム・ジュンハン)はクールで頭脳派。

彼の沈着さが、直情型のユリと正反対で、対話のテンポが小気味いいです。

ピョ・ジフン(Block BのP.O)が演じるチョン・ウノは、明るくて現場の空気を和ませるムードメーカー。

こんなキャラがいるから、テーマが重くなりすぎないのでしょうね。

ただ、物語後半は少しテンポが落ちたような感じがしました。

離婚案件のドラマチックさが薄まり、キャラ同士の関係性に時間を割きすぎた印象。

最後まで離婚案件だけで突っ走ってほしかったです。

それでもチャン・ナラとナム・ジヒョンの演技の熱量で、最後まで引っ張られました。

リアルな離婚の描写がすごい!

脚本を担当したのは『マリッジレッド』などで知られる実際の離婚専門弁護士チェ・ユナ。

だからこそ、依頼人へのカウンセリング場面や法廷戦略の一言一言に説得力があるのでしょう。

韓国メディアでも「離婚ドラマでこれほどリアルな法曹の現場を描いた作品は珍しい」と評価されていました。

法律って難しいテーマだけど、『グッド・パートナー』は人生の再出発を助けるお仕事ドラマとして、温かさが残ります。

恋愛要素もある!

ラブラインがかなり控えめですが後半にあります。

序盤で少し匂わせがあり結局シーズン2にまで持ち越すイメージになっています。

個人的にはロマンスは必要なかったかな?と思いました。

ただ恋愛のドキドキだけではなく、人としての成熟や友情の深まりにまで胸が熱くなるストーリー展開になっています。

地味だけど噛めば噛むほど味が出る作品という感じですね。

韓国での反応と日本配信情報

韓国での放送(SBS・2024年7月)では初回から好評で、「現実的だけど温かいヒューマンドラマ」として視聴者の支持を集めました。

視聴率も安定して高推移し、シーズン2の制作も決定。

視聴率一覧

話数放送日全国視聴率(%)
第1話2024.7.127.8
第2話2024.7.138.7
第3話2024.7.1910.5
第4話2024.7.2013.7
第5話2024.7.2612.1
第6話2024.8.1613.6
第7話2024.8.1717.7
第8話2024.8.2314.6
第9話2024.8.2417.2
第10話2024.8.3015.5
第11話2024.8.3115.4
第12話2024.9.614.4
第13話2024.9.716.3
第14話2024.9.1315.7
第15話2024.9.1416.7
第16話2024.9.2015.2

参考資料:ニールセンコリア

全16話(Lemino、Netflixは32話構成)なので、テンポよく見たい人にもおすすめです。

まとめ:観るべき?スルーする?

正直、派手さはありません。

でもチャン・ナラの成熟した演技、ナム・ジヒョンの真っ直ぐさ、そして離婚弁護士というリアルな案件のドラマチックさ。

この3つが絶妙に噛み合っています。

派手な恋愛ドラマを求めている人には少し地味かもしれません。

でも、法廷ものが好きな人には、きっと心に残る一作だと思います。