かつて「ドラマ王国」と呼ばれていたMBC。

その輝かしい称号が、2025年の今、揺らいでいます。年末恒例の演技大賞まであと一週間というタイミングで、業界には複雑な空気が流れています。

なぜなら、今年のMBCドラマは、視聴率10%を超えた作品が一つもなかったのだそうです。

地上波ドラマのヒットラインとされる「10%の壁」を、一年間で一度も突破できなかったのだとか。

これは相当なことですよね。

ドラマ王国と呼ばれていたMBCが転落?

挑戦的なラインナップだったのに!

MBCは2025年、決して手抜きをしていたわけじゃありません。

むしろ、かなり野心的な編成を組んでいました。

金土ドラマを軸に、

  • モーテル・カリフォルニア
  • アンダーカバーハイスクール
  • バニーとお兄さんたち
  • メン監督のアンチコメント
  • 労務士のノ・ムジン
  • メリー・キルズ・ピープル
  • 月まで行こう
  • この川には月が流れる

など、時代劇からファンタジー、スリラー、ロマンスまで、本当に幅広いジャンルの作品を次々と投入しました。

作品の質も決して低くなかったと言われています。

でも、視聴者の心をつかめなかったのです。

その現実が、今のMBCを物語っています。

視聴率トップでも8.3%という厳しさ

では、2025年のMBCドラマで最も視聴された作品は何だったのでしょうか?

1位は、ソ・ガンジュンの復帰作「アンダーカバーハイスクール」で8.3%

ソ・ガンジュンといえば、『第3の魅力~終わらない恋の始まり~』や『キミはロボット』で知られる実力派です。

復帰への期待は大きかったけれど、それでも二桁には届きませんでした。

2位に続いたのは、キム・セジョン(元gugudan)とカン・テオが主演した時代劇「この川には月が流れる」で6.8%。

カン・テオは『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で人気の俳優。

キム・セジョンは『社内お見合い』で人気急上昇中の女優さんです。

時代劇という難しいジャンルに挑戦した点は評価できますが、数字的にはもう一歩でした。

3位は、チョン・ギョンホの「労務士のノ・ムジン」で5.6%。

チョン・ギョンホは「刑務所のルールブック」や「賢い医師生活」などで演技力を証明してきたベテランですよね。

労務士という珍しい職業をテーマにした独創的な作品でしたが、視聴率という面では厳しい結果に。

トップ3がすべて一桁台。

これが、2025年のMBCドラマの現実でした。

0%台まで記録してしまった衝撃

もっと深刻だったのは、下位に沈んだ作品たちです。

「月まで行こう」は2%台、「メリー・キルズ・ピープル」は1%台に終わりました。

そして最も衝撃的だったのが「バニーとお兄さんたち」。

なんと、MBCの金土ドラマ史上初めて、0%台という数字を記録してしまったんです。

さらに追い打ちをかけたのが、Disney+の話題作「カジノ」の地上波放送。

期待を込めて放映したものの、視聴率は4.8%にとどまりました。

この状況に業界内部からも声が上がりました。

2025年4月、MBCのドラマプロデューサーやドラマ本部のスタッフ53人が声明を発表。

「MBCは、Disney+の再放送専門チャンネルになろうとしているのか」と強く批判したのだとか。

現場の危機感が伝わってきますよね。

数字だけじゃない話題性でも苦戦

視聴率の低迷だけなら、まだ言い訳もできたかもしれません。

しかし、SNSやメディアでの話題性でも、MBCドラマは存在感を示すことができなかったと言われています。

今はOTTプラットフォームやケーブル、グローバル配信サービスが乱立する時代ですよね。

その激しい競争の中で、MBCは「これだ!」という決定打を打てませんでした。

完成度が高い作品もあったのに、視聴者の熱狂を生み出せなかった。

このギャップが、何よりももどかしいところです。

大賞レースは混戦模様

こんな状況で迎える「2025 MBC演技大賞」。

例年なら、ヒット作の主演俳優が順当に大賞を受賞するパターンが多いのですが、今年はどうやら雲行きが怪しい。

圧倒的な作品がない分、選考は難航しそうな雰囲気です。

演技力、作品の独創性、話題性など、様々な要素を総合的に判断する必要がありますよね。

業界で注目されているのは、この2人です。

ソ・ガンジュン(アンダーカバーハイスクール)

チョン・ギョンホ(労務士のノ・ムジン)

どちらが選ばれてもおかしくない。

または、チャン・シニョン主演のイルイルドラマ『太陽を飲み込んだ女』?

それが、今年の大賞レースの面白さでもあり、難しさでもあります。

希望の光は来年のラインナップに

ここまで厳しい話ばかりしてきましたが、業界関係者からは「MBCの底力はまだある」という声も聞こえてきます。

ジャンルの多様化を進めていること、脚本公募展の受賞作をドラマ化するなど、良質な作品を生み出す土壌を育てていること。

これらの努力は、確実に続いています。

ある業界関係者の言葉が印象的でした。

過去に”ドラマ王国”と呼ばれていたMBCが、ことしは全般的に不振な成績を記録した。来年には、『判事イ・ハンヨン』を皮切りに、期待作として挙げられる『21世紀大君夫人』まで、ラインナップを予告しただけに、以前のステータスを回復できるのか、注目される
(出典:韓国エンタメメディア報道)

特に注目したいのが「21世紀大君夫人」です。

IU(アイユー)とビョン・ウソクという、今最も旬な二人が主演。

IUは「私のおじさん」(2018年)や「ホテルデルーナ」(2019年)、ビョン・ウソクは「ソンジェ背負って走れ」(2024年)で大ヒットを飛ばした実力者。

この組み合わせなら、期待せずにはいられませんよね。

他にも、イ・ソンギョンとチェ・ジョンヒョプの「きらびやかな君の季節に」、シン・ハギュンとホ・ソンテの「50%」など、魅力的な作品が控えています。

12月30日の演技大賞に注目

「2025 MBC演技大賞」は、12月30日午後8時50分に放送されます。

今年は、来年の期待作に出演する俳優陣がプレゼンターとして登場するのも見どころ。

イ・ソンギョンとチェ・ジョンヒョプ、IUとビョン・ウソク、シン・ハギュンとホ・ソンテ。彼らの共演を一足早く見られるのは、嬉しいサプライズですよね。

『2025 MBC演技大賞』についてはこちらのページで詳しく解説しています。↓↓

まとめ

視聴率10%超えゼロという厳しい一年を経て、MBCドラマは大きな転換点に立っています。

今年の演技大賞は、単なる祝賀の場ではなく、MBCが過去を振り返り、未来への決意を新たにする場になりそうです。

大賞のトロフィーを誰が手にするのか。

その選択が、MBCのこれからの方向性を示すメッセージになるかもしれません。

かつての「ドラマ王国」は、栄光を取り戻せるのでしょうか。

あなたは、ソ・ガンジュンとチョン・ギョンホ、どちらが受賞すると思いますか?

または、他の俳優?ワクワクしますね。