ある日ふと観始めた韓国ドラマ「ミセン－未生－」。
20話という長さもあって、「最後までいけるかな」と最初は軽い気持ちだったんです。
でも1話が終わった瞬間に分かりました。
「これは、ただの職場ドラマじゃない」。
派手な成功談もラブストーリーも控えめ。
でもなぜか胸に刺さる。
働く自分の姿と重ねてしまい、時には泣き笑いしながら見続けてしまう不思議な力がある作品です。
今回は、その魅力をさらに深掘りして、ちょっと気になったことやなぜこのドラマがここまで愛されるのかについてお伝えします。
チャン・グレはなぜ専務のコネで入社できたの？
物語の中心にいるのは、囲碁一筋だった青年チャン・グレ。
プロ棋士の夢が破れ、学歴も経歴もない状態で、偶然にも大手総合商社に契約社員として入社します。
専務にコネがあったからです。
その専務というのはチャン・グレが棋士研究生の時に知り合ったある社長と専務が繋がっていたとのこと。
そのツテでインターンに入り込めました。
正直チャン・グレの家庭は専務のコネができるようには見えなかったので不思議に思いましたよね。
同期は有名大学出身のエリートばかり、自分だけが異質な存在。
最初はコピーを取るのもミス、電話対応も噛み噛み、冷たい視線を向けられる日々が続きます。
それでも、囲碁で養った「流れを読む視点」や「一手を大事にする忍耐力」が少しずつ仕事で生きてきます。
キャラクターが生む“職場感”
- カン・ソラ：高い能力と真っ直ぐな性格をあわせ持つ同期
- カン・ハヌル：安定志向なのに内心葛藤を抱える同期
- ピョン・ヨハン：愉快で情に厚い同僚
- イ・ソンミン：鬼のように厳しいが、心底部下を守る課長
このキャストだからこそ生まれる温度差と空気感がリアルさを倍増させています。
営業3課のシーンは本当に“隣の部署を覗いている”ようにリアルです。
イム・シワンの存在感！声と間で語る演技！
チャン・グレは言葉少なめ。
だからこそ、わずかな沈黙や息遣い、視線の動かし方で心情が伝わります。
第2話で、濡れ衣を着せられたグレにオ課長が「俺の部下だ」と言った瞬間――その小さな笑顔と涙に、視聴者もほっと胸をなでおろしました。
弱さから生まれる共感！
完璧じゃない。
でも逃げない。
小さな石を一つずつ並べるように、仕事や人間関係を積み重ねるグレの姿は、どこか私たちの日常を映しています。
イム・シワンさんの演技が、その不器用な成長を温かく包み込んで見せてくれるから、応援せずにはいられません。
「ミセン」が社会人に響く理由
理不尽を受け止める強さ
1話からハマる韓国ドラマ
— 韓ドラ かよよんちゃん (@kayoyon18) April 25, 2025
ミセン-未生-
地味なんだけど見だしたら止まりません☺
見どころをまとめてみました↓↓
あなたはミセンを見ましたか？💓 pic.twitter.com/O3lplpURDz
大企業という檻の中で、非正規の立場は弱く見られる。
グレは同期の理不尽ないじめや不当な評価、不公平な扱いにぶつかりながらも、決して人のせいにせず、自分なりの戦い方を選びます。
囲碁盤と同じように、状況を見て最善を打つ――その姿勢が胸に響くのです。
温かさと厳しさが同居する職場
営業3課の人々は、最初は冷たい。
というか、仕事が忙しくてかまってくれません。
でも時間をかけて信頼関係が育っていきます。
オ課長が「仕事は一人でやるものじゃない」と言う場面は、組織で働く意味をシンプルに伝えてくれました。
キム代理が語る「成功とは意味づけの問題だ」という一言も、成果主義の中で生きる私たちに新しい視点をくれます。
自分の価値を見つける旅！
タイトルの未生は囲碁用語で「まだ生きても死んでもいない石」。
自分の弱さや未熟さを認めつつ、成長の可能性を信じる。
それがこのドラマ全体のテーマです。グレは「ないもの」に囚われず、「あるもの」で勝負する。
その過程が、多くの視聴者に「私にもできることがある」と教えてくれます。
よくある質問
Q. イム・シワンさんはこの役でどんな評価を受けた？
A. 韓国の百想芸術大賞で新人演技賞候補になるなど高評価を受けました。
批評家からは「観客がキャラクターに入り込む入り口を用意した存在」と評されました。
Q. 撮影現場で工夫されたことは？
A. キャストは営業3課のオフィスで撮影前に長時間過ごし、机の配置や小物の置き方をキャラクターに合わせて設定。
座る順番や動線もリアルな職場を再現するため調整されています。
Q. 囲碁シーンのリアリティは？
A. イム・シワンさんはプロ棋士経験者から指導を受け、石の置き方、手順、姿勢まで徹底的に練習し、囲碁経験がない視聴者でも「本物っぽい」と感じる完成度になっています。
Q. 日本での反響は？
A. 衛星劇場、U-NEXTなどで字幕配信され、SNSで「今年見た中で一番共感したドラマ」と評判に。
特に働く女性や新入社員からの支持が高く、「韓ドラなのに自分の職場の話みたい」との声が多く上がりました。
まとめ
「ミセン－未生－」は、挫折や理不尽を描きながらも、それを乗り越える小さな希望を与えてくれる作品です。
イム・シワンさん演じるチャン・グレの一歩一歩は、自分の中の「まだ動ける部分」をそっと刺激してくれます。
働き疲れた日、画面の中で彼や仲間たちが奮闘する姿を見ると、「もう少し頑張ってみようかな」と思える。
そんな力を、このドラマは確かに持っているのです。
もしまだ見ていないなら、一度彼らの世界へ足を踏み入れて、あなた自身の未生を感じてみてください。
きっとその盤面に、新しい一手が見えてくるはずです。
