アメリカ発の大人気犯罪心理ドラマ「クリミナル・マインド」。
その重厚な世界観と人間心理の深掘りで、長年視聴者を惹きつけてきた作品を、韓国がリメイク。
正直、放送前はみんな半信半疑でしたよね。
「KドラマでFBI?無理あるでしょ」なんて。
でも、いざ蓋を開けたら、これが意外と“韓ドラ節”効いてる。
巧みにアレンジされていて、思わず「おお、そう来たか」と唸らせる出来なんです。
韓国版『クリミナル・マインド:KOREA』(2017/tvN)は、FBIの代わりに“国家犯罪情報局(NCI)”が舞台。
感情も仲間意識も熱量もMAX。
アメリカ版の冷静沈着なプロファイルとは違って、血が通ってるんですよ。
いい意味でね。
アメリカ版 vs 韓国版 キャスト対比

| 役割 | アメリカ版 | 俳優(米) | 韓国版 | 俳優(韓) | コメント |
|---|---|---|---|---|---|
| チームリーダー | アーロン・ホッチナー | トーマス・ギブソン | カン・ギヒョン | ソン・ヒョンジュ | 鋼のリーダー同士。米版は冷静沈着、韓版は人情味+罪悪感を抱える“人間臭いリーダー”。 |
| 現場リーダー/アクション担当 | デレク・モーガン | シェマー・ムーア | キム・ヒョンジュン | イ・ジュンギ | アクションと感情の爆発力が共通点。イ・ジュンギは身体表現の細やかさが光る。 |
| 天才IQ博士 | ドクター・リード | マシュー・グレイ・ギュブラー | イ・ハン | コ・ユン | 両者ともIQ187。米版が理屈派なら、韓版はもう少し“感情を学ぶ人間”寄り。実は彼の影がドラマの軸。 |
| 広報・渉外担当 | ジェニファー(JJ) | A・J・クック | ユ・ミニョン | イ・ソンビン | 米JJの“強くて優しいお姉さん”像を再構築。韓版は明るくて涙もろいメディア担当官に変身。 |
| 天才ハッカー | ペネロープ・ガルシア | カーステン・ヴァングスネス | ナナ・ファン | ユソン | 個性の塊!派手ファッションとユーモアセンスは健在。韓版は“大人女子の包容力”をプラス。 |
| 女性分析官 | エミリー・プレンティス | パジェット・ブリュースター | ハ・ソヌ | ムン・チェウォン | 米版の知性+韓版の感情線。ムン・チェウォンは“静かな怒り”を見せる絶妙な演技で人気爆発。 |
| チーム長の師/上層幹部 | デヴィッド・ロッシ | ジョー・マンテーニャ | ペク・サン | キム・ヨンチョル | 経験値と影の重さが光る二人。韓国版は“裏の顔があるリーダー”として政治的要素を注入。 |
演出の違いがドラマの“温度”を変えた

アメリカ版はとにかく「冷静」と「理性」。
感情に流されず、データと分析で犯人を追い込む“知の戦い”。
一方の韓国版は「心」と「情」。
チームの絆、葛藤、家族愛までがじっくり描かれ、犯罪ドラマなのに泣ける。
特に、イ・ジュンギ演じるキム・ヒョンジュンが抱える“父親殺害”の過去は、リードのトラウマにも通じる深さ。
これ、アクション抜きで泣けるシーンが多いんです。
本人が何度も「現場で泣きそうになった」とインタビュー(Kstyle、tvN特番より)で語ってます。
ムン・チェウォン vs プレンティス、才女対決
ムン・チェウォン演じるハ・ソヌは、法務一家の娘という設定。
彼女の分析スタイルは“被害者の視点”を重視。
米版のプレンティス(パジェット・ブリュースター)が“論理的に容疑者を暴く”のに対し、韓版では“共感力”で追い込むタイプ。
言葉よりも沈黙で訴える表情演技が見事で、「さすが涙の女王」と絶賛されました(朝鮮日報インタビューより)。
日韓ではなく“米韓”の映像美の差
くっきり照明で情報過多のアメリカ版に対し、韓国版は“色温度低め+雨+サイレン光”。
一言でいうと、「空気が重いけど美しい」。映画みたいな質感。
ホッチナーが一言で片づけるシーンを、カン・ギヒョンは目の奥で震わせるんですよ。
そんな繊細演出、日本のドラマではまだあまり見られないタイプです。
それでも“米国版の余裕”は別格
一方で、アメリカ版には長年の積み重ねがある。
脚本の緻密さ、キャラクターのバランス、そしてジョー・マンテーニャ(ロッシ)の存在感。
この人、出てくるだけで“チームが締まる”。
それは正直、韓国版にはまだ出せない“年輪の深み”。
特にシーズン10以降の人間模様は、刑事ドラマの枠を超えた「人生ドラマ」でした。
よくある質問(FAQ)
Q1:アクションが多いのはどちら?
A1:断然、韓国版。イ・ジュンギの格闘演出は“動く芸術”レベル。ほぼスタントなし。
Q2:心理戦が濃いのは?
A2:アメリカ版。事件構造が深く、見るたびに新しい伏線が見つかる。
Q3:どちらの作品から観るべき?
A3:本家→韓国版の順がオススメ。違いが際立ち、「監督の狙い」がより見える。
Q4:韓国版の続編はある?
A4:残念ながらなし。視聴率は平均4%超えで好評でしたが、制作費が莫大でシーズン化は見送りに。
まとめ
正直、最初は「FBIを韓国が再現ってムリでしょ」って思いました。
ところがどっこい、感情の描写で完敗。
アメリカ版が“冷徹な知性”で人を動かすなら、韓国版は“心の熱”で観る者を動かす。
言うなれば、アメリカ版は“脳で観るドラマ”。
韓国版は“ハートで観るドラマ”。
ちょっと悔しいけど、最後の涙のシーンでは素直に拍手したくなりました。
やっぱり韓国ドラマ、感情の描き方がエグいほど上手い。
それにしても、イ・ジュンギのアクション反則級です。