「ドラマは微妙だったけど、OST(サントラ)は神だった!」韓ドラファンなら一度はそんな経験ありますよね。

曲を聞くだけで感情がこみ上げるのに、ストーリー本編は正直うーんという、あのギャップ。

今回は、OSTの完成度は高評価なのに、ドラマ自体は惜しかった3作品をピックアップ!

合わせて人気のOST曲についても紹介します。

【韓国ドラマ】OSTは良かったけどストーリーはイマイチだった3選!

①太陽の末裔

アジア中を熱狂の渦に巻き込んだ韓国ドラマ《태양의 후예》(太陽の末裔)。

兵役復帰後のソン・ジュンギとソン・ヘギョの共演で注目を集め、最高視聴率はなんと41.6%! 

まさに社会現象といえる人気でしたね。

OSTの完成度も抜群で、ドラマのシーンを思い出すだけで胸がキュッとする名曲ばかりです。

とはいえ、物語全体を振り返ると、「もう少し深掘りしてほしかった」と感じた人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな《太陽の末裔》のOSTは神だけどストーリーは惜しいと感じたポイントを3つ紹介します。

1. OSTが感情のすべてを引き上げていた

EXOのチェンとPunchが歌う「Everytime」は、シジンとモヨンの再会シーンで流れるたびに心がときめきますよね。

Davichiの「この愛」も、切なさと希望の間をゆらぐようなメロディで印象的でした。

OSTが物語の感情を完璧に支えていたぶん、逆に音楽頼みに感じた場面もあったのではないかと思います。

例えば、ウルクでの急展開シーン。

壮大な曲に助けられて涙が出そうになるけれど、脚本としては少し説明不足に感じた方も多かったでしょう。

映像美と音楽は最高だっただけに、「もう一歩ドラマで見せてほしかった」と感じてしまいますね。

2. 主役カップルに比べてサブカップルの描写が秀逸

ユ・シジン(ソン・ジュンギ)とカン・モヨン(ソン・ヘギョ)の恋はもちろん王道ですが、観るほどに惹かれたのはソ・デヨン(チン・グ)とユン・ミョンジュ(キム・ジウォン)の関係でした。

階級差ゆえに許されない恋、けれども想いは止められないという設定がドラマの緊張感を支えていましたね。

特にデヨンがミョンジュに送るさりげない一言や、戦地での無言の抱擁には多くの視聴者が心を打たれたと思います。

個人的には、このカップルの物語をもっと描いてくれたらドラマ全体の厚みが増したのではないでしょうか。

3. 「非現実的すぎる恋愛」と感じた視聴者も

軍人と医師という立場の違う二人の恋、非日常の背景に描かれるラブロマンス。

それ自体は《太陽の末裔》の魅力です。

しかし、シジンの任務と恋のバランス、モヨンの職業的葛藤などは、ドラマ後半で少し都合よく進んでしまった印象もありますね。

「危険地帯で恋愛話してる場合!?」というツッコミもSNSで多く見られました。

現実感よりも理想の恋を強調した脚本だったと言えるでしょう。

ただ、その夢のような設定があるからこそ、OSTがドラマの空気を包み込むように響いたとも言えます。

人気OST3選

  • 「Everytime」/CHEN(EXO)&Punch
  • 「この愛」/Davichi
  • 「How Can I Love You」/XIA(JYJ ジュンス)

いずれもメロディと歌詞がドラマの名シーンを彩り、まるでもう一つのセリフのようでした。

OSTがここまで物語とリンクする作品はそう多くありません。

《太陽の末裔》は、OSTと映像が作り出す雰囲気の美しさで恋の理想形を描いたドラマだと思います。

一方で、ストーリー構成はやや平面的で、恋愛と使命の葛藤をもう一歩掘り下げてほしかったですね。

それでも、ユ・シジンとカン・モヨン、そしてデヨンとミョンジュ——二組の恋が見せた守る愛と信じる愛には、多くの人が共感したのではないでしょうか。

OSTを聴くだけで、あの眩しい景色と心の高鳴りが蘇る。

そんなドラマは、やはり名作と言えるでしょう。

②ロマンスは必然に

韓国ドラマ로맨스는 필연(邦題「ロマンスは必然に」)は、美しいOSTが話題になった一方で、「ストーリーが少し惜しかった」と感じた視聴者も多い作品でした。

音楽で心を掴みながらも、物語の展開にもう少し深みが欲しかった、そんな印象を持った方も多かったのではないでしょうか。

それでも、本作に流れる楽曲はどれも名曲揃い。

今回はその中でも特に印象に残ったOSTを紹介しつつ、ドラマの魅力と残念ポイントを語ってみたいと思います。

登場人物とキャスト紹介

主人公のキム・ムハンを演じたのはカム・ウソン。

どこか影のある中年男性を丁寧に演じており、人生の哀愁が漂う姿が印象的でした。

ヒロインのアン・スンジンを演じたのはキム・ソナ。

母親としての葛藤と恋する女性としての切なさを見事に表現していましたね。

脇を固める俳優陣も豪華で、イ・ミヨン、イ・ギウ、チョン・ダビンらが登場人物にリアリティを与えていました。

OSTが秀逸だった理由

このドラマは「聴かせるOST」と言っても過言ではありません。

特に以下の楽曲は、視聴者の心に深く刺さった名曲です。

  • 모든 날, 모든 순간(全ての日、全ての瞬間)【ポール・キム】
    別れの予感が漂うシーンで流れるたび、胸の奥がジーンと熱くなる名曲です。ポール・キムの柔らかい歌声が、ムハンの孤独や後悔を包み込むように響いていましたね。彼の「君一人で十分なんだ」というメッセージが、まさにドラマの核心を言い表していると思います。
  • 혼자 하는 일(一人ですること)【イェソン(SUPER JUNIOR)】
    静かな夜、一人で過ごすムハンの孤独を想起させる楽曲。イェソン特有の伸びやかな声が、切なさを倍増させていました。セリフよりも音楽が登場人物の心情を語っていた、と感じるほどの一曲です。
  • 안녕이라는 흔한 인사(バイバイというありふれた挨拶)【クォン・ジンウォン】
    ドラマのオープニングを飾るこの曲は、懐かしさと優しさが同居しています。クォン・ジンウォンの澄んだ声が、再会と別れを繰り返す登場人物たちの人生に静かに寄り添っていました。

物語の印象と惜しさ

音楽の完成度が高かっただけに、ストーリーの展開には少し「もったいなさ」を感じました。

前半の伏線や演出は素晴らしかったものの、後半に向かうにつれてペースが落ち、感情の盛り上がりが薄れてしまった印象です。

ムハンとスンジンの恋は、成熟した大人の愛を描いているようでありながら、どこかもどかしく、結末も賛否が分かれたところでした。

それでも、登場人物それぞれの背景や心の傷を丁寧に描いた点は評価できるでしょう。

SNSの反応

SNSでは特にポール・キムの모든 날, 모든 순간が大絶賛されていました。

「ヘイン君やセジョン君がこの曲を歌っていたのがきっかけで見始めた」「曲を聴くだけで涙が出る」といったコメントも多く、OSTへの関心の高さが際立っていましたね。

一方で、「ドラマのテンポがゆっくりすぎた」「最終回の余韻が弱かった」といった声も見られました。

まさに、音楽の完成度とストーリーの不均衡が視聴者の印象を左右した作品と言えるかもしれません。

「ロマンスは必然に」は、決して派手なドラマではありませんが、OSTによって物語の世界がより深みを増していました。

恋愛というより人生の回想に近い物語を、音楽が優しく包み込んでいたように思います。

ストーリーの緩さを補って余りあるほど、OSTの完成度は高かったです。

ラストのメロディを聴くと、不思議ともう一度あの静かな世界に戻りたくなる。

それこそが、このドラマの魅力なのだと思いますね。

③紳士とお嬢さん

韓国ドラマ『紳士とお嬢さん』は、2021年にKBSで放送された週末ホームドラマで、最高視聴率38.2%を記録した大ヒット作です。

チ・ヒョヌさんが演じる大企業会長のイ・ヨングクと、イ・セヒさんが演じる家庭教師のパク・ダンダンという歳の差カップルが織りなすラブコメディですが、OSTの魅力が光る一方で、後半に問題が続出しました。

今回は、そんな視点から「OSTは良かったけどストーリーはイマイチだった3選」をピックアップしつつ、人気OSTも紹介します。

きっと共感していただけるはずですよ。

ストーリーのイマイチポイント3選

長編52話というボリュームゆえに、定番の韓ドラ要素が満載で、途中からテンポが落ちてしまった印象が強いですね。

  • 最終回の急展開: 全50話予定が2話延長され、記憶喪失や出生の秘密といったクリシェが急に解決。脚本家キム・サギョンさんの前作『たった一人の私の味方』に似すぎて、新鮮味が薄れてしまったでしょう。
  • 人気キャラの少なさ: 主人公カップル以外のサブキャラが地味で、チ・ヒョヌさんとイ・セヒさんのケミは意外と良かったものの、全体的に盛り上がりに欠けます。43歳と29歳の年齢差も、最初は抵抗を感じる人が多かったようです。
  • 後半で問題が続出: 初回22.7%から徐々に上昇し、48話のピーク38.2%と高視聴率だったものの、ダンダンの父親が娘を監禁したシーンで批判が殺到。さらに、ダンダンの父親が母親を突き倒すシーンもありもうすぐ最終話だというのに離脱する人が続出しました。​

これらを挙げると、OSTの美しいメロディーがなければ、もっと見続けるのが大変だったかもしれません。

魅力的な人気OST紹介

そんなストーリーを救ったのが、全6曲のOSTです。

特にトロット歌手が多く参加し、劇中の感動シーンを彩っています。

イム・ヨンウンの사랑은 늘 도망가「愛はいつも逃げる」はメインテーマとして劇中で多用され、大ブレイクしましたね。

OST曲名歌手見どころエピソード例
사랑이야「愛よ」ソン・ユジンブリーなシーンで流れ、透き通った声が春らしくウキウキさせてくれます。
사랑은 늘 도망가「愛はいつも逃げる」イム・ヨンウンヨングクの切ない想いが募る中盤で挿入され、心に染みるバラード。ミスタートロット出身の歌唱力が光ります。
눈부신 기억「まぶしい記憶」ホン・テグァン二人が初めてキスするような甘い記憶の場面で、フォーク調が爽やかですね。
가리워진 길「隠された道」チョン・ドンウォンユ・ジェハのカバーで、天才少年の声が道迷いのエピソードを優しく包み込みます。
나에게로의 초대「私への招待」or&(オアレン)キム・ギョンファのリメイクが、ウノの招待的な決意シーンで感動を倍増させます。
이별에 멈춘 시간「別れが止まった時間」ユン・ヨギュ別れの危機で流れるロックバラードが、後悔の念をリアルに表現しています。

視聴者の反応も上々で、Xでは「OSTがすばらしいと」との声が。

ストーリーにイライラしても、これらの曲が耳に残り、再視聴を促すんですよね。

OSTのクオリティが高いだけに、ストーリーがもう少し引き締まっていれば完璧だったでしょう。

Netflixなどで見直す際は、ぜひOSTに注目してみてください。

まとめ

物語としては物足りなくても、音楽の力で印象に残るドラマってありますよね。

結局、OSTが良すぎてサントラをリピートし続けてしまうパターン。

そう考えると、音楽の力で記憶に残った作品もまた、韓ドラの魅力のひとつかもしれません。