Netflixには毎月のように韓国ドラマの新作が登場しますが、中には「豪華そうなのに、意外とハマれなかった…」という作品もありますよね。

期待値が高かった分、テンポや物語の深みに物足りなさを感じた視聴者も多いのではないでしょうか。

今回は、話題性やキャストでは注目されたものの、「正直ちょっと退屈だった」と感じた3作『静かなる海』『旋風』『タングム』をピックアップ。

なぜつまらないと感じたのか、その理由を率直に振り返ります。

※このページはあくまでも個人の感想です。

楽しくドラマをご覧になっている方に水を差すつもりはございませんが、もしもそんな感じになってしまった場合はお許しください。

ただ、まだ見てない方やすでに離脱してしまった方がこの記事を最後まで読めば『静かなる海』『旋風』『タングム』を観たくなるかもしれません。

つまらなかったNetflix韓国ドラマ!

①『静かなる海』

正直に言うと、『静かなる海(고요의 바다/The Silent Sea)』を見終わったあと、私は疑問がたくさん残りました。

そもそも、最初に月に降り立った時、あれほどの大事故からどうやって生還したのだろう?

「見逃したのかな?」と思って何度も巻き戻してみたりしました。

その後も、危機一髪の状況が続くのですが、なんとなくふわーっと解決しています。

最後には「あれ…こんな感じで終わるの?」と思ってしまいました。

月面地形としての静かの海とは?
  • 正式名称は「静かの海」で、ラテン語名は「Mare Tranquillitatis」という月面の黒っぽい平原の一つ。
  • アポロ11号が人類初の月面着陸を行った場所として有名で、月の「ウサギ」の顔のあたりに位置すると説明されることが多い地形。

豪華キャストが勢ぞろい

主演のペ・ドゥナさんは、冷静で知的な宇宙生物学者ソン・ジアン博士を演じています。

彼女の存在感はやっぱり圧倒的でした。

『秘密の森』や『キングダム』でも感じたあの独特の静けさと強さがここでも健在でしたね。

それから頼れる隊長ハン・ユンジェを演じたのはコン・ユさん

「トッケビ」以来の登場ですが、あの時の人間味ある温かさとは打って変わって、今回は冷徹なリーダーです。

でも目の奥にある悲しみが伝わってきて、やっぱり名優だなと思いました。

さらに、チーフエンジニア・リュ・テソク役のイ・ジュンさん

彼のキャラクターはどこか不穏で、過去に秘密を抱えているような雰囲気があり。

元MBLAQのアイドルだったとは思えない演技力に、個人的には一番引き込まれました。

月面基地の不気味さと“水”の正体

物語の舞台は、水も食料も枯渇した未来の地球です。

人類は最後の希望を求めて、月にある廃棄された研究施設「バルヘ基地」へサンプル回収に向かいます。

ここからが、この作品の最大の謎です。

「なぜバルヘ基地の研究員たちは全員死んだのか?」

「その月の水がもつ恐ろしい性質とは?」

たしかに設定は壮大ですし、SF好きにはたまらない導入ですが、話が進むにつれて説明不足が目立ち、登場人物たちの感情にも深く入り込めないまま終盤へ。

個人的には、「だれか解説して!」の一言につきます。

それでも見る価値はある?

あると思います。

「トッケビ」や「キングダム」のファンなら、ペ・ドゥナさんとコン・ユさんの共演だけでも十分見どころです。

それに、月面の映像美はNetflix作品の中でもトップクラス。

セットや撮影の完成度は本当に素晴らしいです。

Netflixオリジナルの中でも、雰囲気重視のSF作品と言えます。

『静かなる海』は、構想もキャストも豪華なのに、視聴体験としては少し物足りなさを感じる作品でした。

静かというより、動かなすぎた印象ですね。

でも、宇宙×ヒューマン×スリラーという珍しい韓国ドラマの挑戦としては、評価したい試みです。

個人的には「続編で本領を発揮してほしい!」と願っています。

あなたはどう感じましたか?

②『旋風』

Netflixオリジナル韓国ドラマ『旋風(原題:돌풍/英題:The Whirlwind)』。

政治サスペンス好きとしては、タイトルを見た瞬間に「これは面白そう!」と思いました。

でも、正直に言うと途中で何度も再生を止めそうに。

重厚なテーマやキャストの演技は素晴らしいのに、どうにもストーリーが心に響きません。

政権をめぐる「静かな戦争」のはずが

物語の軸は、腐敗した政治権力を一掃しようとする首相パク・ドンホ(ソル・ギョング)と、その動きを止めようとする経済副首相チョン・スジン(キム・ヒエ)の対立です。

大統領(キム・ホンパ)が心筋梗塞で倒れ、ドンホ首相が大統領権限を代行することになる。

この心筋梗塞ってところにもいろいろあって、ここまでは、かなりワクワクしました。

重厚で静かな緊張感。

まるで韓国版『キングメーカー』のような序盤。

「やっぱりソルギョングがナイス!」とワクワクしました。

しかし、問題はその後です。

政治の駆け引きがあまりにも「理屈優先」で、感情移入が難しい。

登場人物同士の応酬も、勢いより説明が勝ってしまっていて、名優たちの演技が少しもったいないと感じました。

ソル・ギョングVSキム・ヒエ

キャストの魅力は間違いなくトップクラスです。

  • ソル・ギョング(『キングメーカー 大統領を作った男』、『茲山魚譜 チャサンオボ』など)
    →正義感の強い首相役が自然で、静かな怒りをじっと内に秘めている感じ。画面越しの緊張感がすごい。
  • キム・ヒエ(『クイーンメーカー』『夫婦の世界』)
    →真っすぐでブレない女性政治家。強さと冷たさのバランスが絶妙で、彼女が出てくると一気に場が引き締まります。

彼らの演技を支える脇役たちも豪華。

たとえば、イム・セミ(『女神降臨』『ワンダフル・ワールド』)が演じる秘書ソ・ジョンヨン。

静かに主人公パク・ドンホを支える役ですが、彼女の視線の動きひとつで感情が伝わります。

さらにチョン・ベス(『涙の女王』)の検事役も安定感抜群でした。

大統領秘書室長チェ・ヨンスクを演じるキム・ミスクもすばらしかったです。

お母さん役のイメージが強かったので最初は違和感がありましたが、すぐにそんな印象は吹っ飛びました。

爽快感はどこ行った?

脚本を書いたのはパク・ギョンスさんです。

『パンチ~余命6ヶ月の奇跡~』や『君たちは包囲された』で知られる名手で、社会派ドラマを得意とする方。

今回も「権力の腐敗」「財閥の癒着」「理想と現実の衝突」とテーマは明確でした。

ですが、全12話を通しても、スカッとするシーンが少ない。

重厚でリアルなのに、なぜか熱が届きません。

結局、私はどっちに感情移入すれば良いのか、どっちを応援すればいいのか?ずっと迷っていました。

ソルギョングを応援すべきなのですが、全くのクリーンではないところが忘れられなかったのです。

映像美と演出はレベルが高い!

とはいえ、映像は本当に格調高い。

監督のキム・ヨンワンさんは、『ボイス3』などでも知られる演出家で、冷たい色調を使った政治の舞台描写が秀逸でした。

特に官邸のシーンは圧巻。

Netflixらしい質感でしたね。

スタジオドラゴン制作ということで、映像の完成度や音楽の重厚さはさすが。

ただ、その完成度の高さが逆に感情の壁になってしまったようにも思います。

ファンの間でも賛否両論

配信直後、韓国のSNSや日本のレビューサイトなどでも多くの議論がありました。
視聴者の声を見てみると

活動家たちの悲しい末路とでも言うべきか…。結局理想郷にはたどり着けなかったという話が延々と続き、旋風が吹いたのかどうかもよくわからない。
袂を分かった二人の攻防が次々と繰り広げられるが、スケール感がなく小競り合いに終始し、えっそこなの?というようなところで脇が甘いのでツッコミどころ満載。みんな大好きな伏線回収もないし、そもそも伏線が連々張り巡らされているような面白さもないので飽きてしまう。
最初にキャストを見たときにこれは面白くなりそうだなあと思った期待も裏切られた。

引用:Filmarks

ソルギョングさん、私が見たドラマや映画ではカッコいいちょいワルが多かったんだけどこのドラマではあんまカッコ良くない
勿体ない

この映画の最も残念な所が国民が政治家、権力者に踊らされてさぁ、デモしよう、やっぱりやめよう、またデモしようってやってる所
国民が馬鹿に見える

汚職にまみれた悪者をやっつけるには大きな犠牲が伴うという皮肉かな

引用:Filmarks

つまり、作品の完成度の高さゆえに、見る人を選ぶタイプのドラマなんですよね。

『旋風』をおすすめできる人

  • 政治の駆け引きや権力構造の解剖が好きな人
  • ソル・ギョングやキム・ヒエの演技ファン
  • 沈黙の中に熱を感じるタイプのドラマが好きな人

『旋風』は社会派ドラマとしての完成度は高く、俳優陣の演技は間違いなく一流。

でも、エンタメ要素を期待して見ると肩透かしを食らう作品でした。

私は「つまらなかった」というより、「難しすぎて疲れた」という感想が正しいかもしれません。

心に刺さるセリフがあったのも事実ですが、見終わった後に「ああ、スッキリした!」とは言えない。

そんな複雑な余韻を残すドラマでした。

③『呑金(タングム)』

正直に言うと、期待が大きかったNetflix韓国ドラマ「呑金(タングム)」。

イ・ジェウクさん、チョ・ボアさん、チョン・ガラムさんという豪華すぎるラインナップ。

しかも脚本は『Dr. ブレイン』のキム・ジナさん、演出は『ボイス』や『還魂』で知られるキム・ホンソン監督。

これだけ揃えば面白くないはずがない!

そう思いますよね。

「映像は豪華、俳優陣も完璧、でも物語がよくわからない」

そんな印象を持った人も多いのではないでしょうか。

朝鮮版金と血の物語。でも、重たすぎた

原作はチャン・ダヘの小説〈呑金:金を呑み込む〉。

舞台は朝鮮時代。巨大商団の跡取りであるシム・ホンラン(イ・ジェウク)と、異母姉のシム・ジェイ(チョ・ボア)の複雑な運命が描かれます。

幼くして失踪したホンランが12年ぶりに帰還し、迎える姉・ジェイ。

再会のはずが、不信と不安、そして禁断の情のような空気が漂い、終始どす黒い緊張が絶えません。

序盤から台詞の一つひとつが暗示めいた調子で、スピード感は控えめ。

ミステリーとしては上品なのですが、「Netflixドラマ」として見るとテンポが重く、現代視聴者が一気見できるエンタメ感がやや不足していると感じました。

特に第3話までの展開は人物関係と背景説明が多く、感情移入しにくかったです。

イ・ジェウクの魅力

それでも、イ・ジェウクさんの存在感は圧倒的でした。

『還魂』では若くして名を上げ、感情を抑えた演技に定評がありますが、今回のホンラン役ではさらに深みを増しています。

12年間の沈黙を抱えた青年、その目線だけで、物語の苦しみが伝わります。

ただ、脚本上の彼の「内面描写不足」が惜しかったです。

どうして失踪したのか、そしてなぜ別の顔で戻ってきたのか。

その核心が見えるまでの時間が長く、ミステリーが焦らしに偏りすぎた印象です。

イ・ジェウクさん本人のインタビュー(参考:朝鮮日報 2025年5月掲載)でも、「ホンランという人物は生きながら死んでいるような男」と語っていました。

その難しさは確かに伝わってきましたが、視聴者が感情を共有する前に物語の温度が下がってしまったようにも感じます。

姉ジェイ役のチョ・ボアさん ― たくましいが、孤独

チョ・ボアさん演じるジェイは、虐げられながらも強く生きる女性。

歴史劇ではありがちな設定ですが、ボアさんの繊細な表情がこのキャラクターを支えていました。

特に、失踪した弟を想って涙を流す場面は圧巻です。

ただ、彼女の成長や変化が見えづらかったのも事実。

常に悲しみの人のままで、物語中盤以降のカタルシスが足りなかった印象です。

チョン・ガラムの報われない男

ムジン役のチョン・ガラムさんも、控えめながらしっかり心を打ちました。

家が没落して商団に身を寄せ、ひたすらにジェイを想う、この無言の忠誠が切ないです。

視線ひとつで感情を表すタイプの俳優で、映画『藁にもすがる獣たち』でもそうでしたが、苦悩する男の演技が素晴らしい。

ただし、ムジンの恋が物語を大きく動かすまでには至らず、彼の存在が添え物に見えてしまった部分も。

この辺りの脚本バランスも、退屈と思ってしまった一因かもしれません。

「画は綺麗」でも心に響かなかった理由

『呑金』の美術や衣装、カメラワークはまさに芸術レベル。

特に、金貨の反射やろうそくの光、雨に濡れた瓦の質感。

本当に細かく丁寧でした。

監督のキム・ホンソンさんは『L.U.C.A.:The Beginning』や『ブラック』など、映像美にこだわるタイプ。

その美的センスはやはり健在でした。

だけど、視聴者の心が動くのは「映像」ではなく「感情」ですよね。

残念ながら今作は、人物の動機づけや感情の起伏よりも絵的な完成度に焦点が置かれ、結果的に遠くから眺めているようなドラマになってしまった、私はそう感じました。

それでも見応えはある?おすすめするならこんな人

とはいえ、すべてが悪いわけではありません。

・時代劇らしい緻密な世界観が好きな人
・静かで重い心理ドラマを見たい人
・『還魂』のイ・ジェウクさんが好きな人

こうした方にはじっくり味わう系ドラマとしておすすめできます。

逆に、「テンポのあるストーリー展開」や「恋愛メイン」を期待すると、やや退屈に感じてしまうと思います。

Netflixの韓国ドラマ『呑金/タングム』は、ストーリー性より静寂と緊張感を描くタイプ。

派手さやスピード感を求めると不満が残りますが、俳優陣の演技力だけは一級品です。

「つまらなかった」という感想の裏には、観る側の期待値が高すぎたという現実もあるかもしれませんね。

静かに、重く、でも美しく終わる、そんな作品でした。

まとめ

どの作品も独自のテーマや世界観は魅力的でしたが、「ストーリーの勢い」や「感情の流れ」がもう一歩という印象。

とはいえ、挑戦的な設定や新しいジャンルに挑む姿勢は、韓国ドラマ業界の強みでもあります。

今回はつまらなかったと感じた作品を挙げましたが、そんな中からこそ次の名作が生まれるのかもしれません。