忙しい毎日の中で、ふと心が疲れてしまうことってありますよね。

そんな時にそっと寄り添ってくれるのが、ヒューマン韓国ドラマ。

人の優しさや絆、再び前を向く勇気を教えてくれる物語が、画面の向こうから温かく伝わってきます。

見終わった後には、まるで心にあかりが灯るような優しい余韻が残るはずです。

心が元気になるヒューマン韓国ドラマ!

①『組み立て式家族〜僕らの恋の在処〜』

まるで冬の陽だまりのように、じんわり胸の奥を温めてくれるドラマってありますよね。

JTBCで2024年10月に放送が始まった『組み立て式家族〜僕らの恋の在処〜』はまさにそんな作品です。

中国のメガヒットドラマ『家族の名において』(※中国視聴大数拠調べ、視聴率1位・50億回再生)を原作にした韓国リメイク版で、「血のつながりを超えた家族の愛」がテーマ。

組み立て式というタイトルの通り、バラバラだった人たちが少しずつ家族になっていく姿が、静かで深い感動を与えてくれます。

家族でもあり、恋でもある 3人の再会から始まる物語

医師のキム・サナ(ファン・イニョプ)が10年ぶりに故郷の海辺の町ヘドンに戻ってきたところから物語は始まります。

彼を待つのは、かつて兄妹同然に育ったカン・ヘジュン(ペ・ヒョンソン)とユン・ジュウォン(チョン・チェヨン)

3人は血のつながりこそないものの、同じ屋根の下で10代を共に過ごした家族でした。

でも、再会した彼らの関係はどこかぎこちない。

サナが想いを寄せたジュウォンの笑顔も、かつてと違って冷たく見える。

そんな切なさが冒頭から胸を締めつけるんです。

「血のつながりじゃなく、心でつながる」組み立て家族の形

サナは幼い頃、妹を亡くした罪悪感と母の拒絶に苦しみます。

ヘジュンは母に置き去りにされ、ジュウォンは母を早くに亡くした。

そんな3人に家族の温かさを教えたのが、ジュウォンの父ユン・ジョンジェ(チェ・ウォニョンさん)と、サナの父キム・デウク(チェ・ムソンさん)の存在でした。

ふたりの父親が、血縁を超えて5人の家族を「組み立て」ていく姿がとにかく泣けるんです。

夕飯を囲んで笑うシーンや、叱り合いながらも守り合う姿に、「これこそ家族の本当の形だな」と感じました。

💡トリビア:中国版では父親が麺屋の店主でしたが、韓国版ではカルグクス(韓国風うどん)屋にアレンジされています。ヘドンの港町の雰囲気と相まって、ローカルな温かさが増しています。
出典:JTBC公式サイト、朝鮮日報インタビュー(2024年10月)

登場人物とキャスト紹介

◆キム・サナ(ファン・イニョプ)
冷静沈着な整形外科レジデント。

『女神降臨』でブレイクしたファン・イニョプさんが、今回は愛することを恐れる青年を繊細に演じています。

ジュウォンを見つめる瞳の奥に、10年分の「言えなかった想い」が滲んでいて、見ているこちらが苦しくなるほどです。

◆ユン・ジュウォン(チョン・チェヨン)
パン屋を経営するヒロイン。明るい笑顔の奥に、過去への葛藤を抱えています。

I.O.I出身で『ゴールデンスプーン』でも知られるチェヨンさんの自然体な演技が光りますね。

◆カン・ヘジュン(ペ・ヒョンソン)
天真爛漫な元バスケ少年。

『ガウス電子』『奇跡の兄弟』のペ・ヒョンソンさんが親友みたいなお兄ちゃんを等身大で演じています。

サナとは正反対の明るさが、物語に優しい風を吹かせます。

それぞれの痛みが作る絆と成長

彼ら3人は「失った家族の痛み」を抱えながらも、互いを支え、時にぶつかり、また寄り添っていきます。

ヘジュンの実父が突然現れるシーンでは、家族って何なのかという根本の問いが描かれます。

そして、サナの母が10年ぶりに姿を見せた時、積み重ねた年月の重さに涙が止まりませんでした。

このドラマのすごいところは、泣かせようと無理に演出しない点。

静かな会話や、食卓の温度、誰かを思うまなざし、そうした細やかな「間」にリアルな愛情を感じるんです。

リメイクを超えた韓国版の魅力

原作の中国ドラマ『家族の名において』は40話構成でしたが、韓国版は全16話に凝縮。

その分テンポが良く、エモーショナルな瞬間がギュッと詰まっています。

演出のキム・スンホ監督(『ナビレラ』『言語の温度』)らしい柔らかい映像美も必見です。

とくに夕暮れの光や食卓シーンの撮り方には、家族のぬくもりを映し出すこだわりを感じました。

「家族」は、選べる そんな希望をくれる物語

血縁でもなく、偶然でもない。

心で選んだ関係が、どんなに尊くて、美しいかを、この作品は静かに教えてくれます。

観終わったあと、思わず家族や友人に「ありがとう」と伝えたくなるような、そんな温かいドラマです。

涙もろい方は、ハンカチを忘れずに。

年の瀬や疲れが溜まった夜に見ると、きっと心が元気になりますよ。

📺 作品情報

  • タイトル:組み立て式家族〜僕らの恋の在処〜
  • 原題:조립식 가족
  • 英題:Family by Choice
  • 放送局:JTBC(韓国)
  • 放送開始:2024年10月9日
  • 話数:全16話
  • 演出:キム・スンホ
  • 脚本:ホン・シヨン

参考: JTBC公式サイトスポーツソウルKstyle、[Wikipedia各俳優ページ]

このドラマを見た人は、どんな家族の記憶を思い出すでしょうか?

あなたの心にも、小さなぬくもりが灯りますように。

②『私の心が聞こえる?』

子どもの頃に見て涙したドラマを、大人になってもう一度見ると、まったく違う見え方をすることってありますよね。

2011年にMBCで放送された韓国ドラマ『私の心が聞こえる?』(原題:내 마음이 들리니)は、まさにそんな作品。

優しさと切なさ、そして心の声を信じたくなるような珠玉のヒューマンストーリーです。

平均視聴率は15.4%、最高視聴率は第9話で21.6%(出典:MBC公式)。

脚本はムン・ヒジョンさん(『天国の階段』『ラスト・スキャンダル』など)、演出はキム・サンホさん(『ファンタスティック・カップル』)が手がけています。

どちらも人間ドラマを丁寧に描くことで知られる名コンビです。

あらすじ:心でつながる、涙の再会

明るく純粋な少女ウリ(ファン・ジョンウムさん)は、耳の聞こえない母ミスク(キム・ヨジンさん)の愛情を一身に受けて育ちます。

貧しくても、いつも笑顔のある母娘の日常。

けれどある日、母が知的障害をもつヨンギュ(チョン・ボソクさん)と結婚することに。

ウリは義理の兄マル(ナムグン・ミンさん)と暮らし始めます。

ウリが学校のピアノ室に忍び込んだ夜、偶然出会ったのが大財閥の御曹司ドンジュ(キム・ジェウォンさん)。

二人は音楽を通じて心を通わせますが、ある事件を境に、ドンジュは不運な事故により耳が聞こえなくなってしまいます。

火災で母ミスクを失い、ウリは家族と引き裂かれ、ドンジュもまた心を閉ざして生きるようになります。

そして時は流れ、大人になった二人が再会。

互いに名前を変えたまま運命に導かれるように再び出会うのです。

静かで、でも確かな絆が少しずつ蘇っていく様子に、胸がぎゅっとなります。

登場人物とキャスト:個性が光る、心を動かす演技

  • チャ・ドンジュ(演:キム・ジェウォン)
    幼い頃の事故で耳が聞こえなくなった青年。読唇術を身につけ、障がいを隠して実業家として生きます。静かな強さと繊細な表情が印象的で、ジェウォンさんの代表作の一つに。
  • ポン・ウリ(演:ファン・ジョンウム)
    明るくたくましい女性。小さい頃に母を亡くし、知的障害のある義父と生きていきます。ジョンウムさんの自然な演技に「本当にこういう人いそう」と感じた方も多いはずです。
  • ポン・マル/チャン・ジュナ(演:ナムグン・ミン)
    野心と劣等感の狭間で揺れる義兄。ウリとドンジュに複雑な感情を抱きながらも、自分の居場所を探します。ナムグン・ミンさんの内面演技が光る役どころです。
  • ポン・ヨンギュ(演:チョン・ボソク)
    知的障害を持ちながらも心優しい父。息子よりも人を信じる純粋さがあり、見ているこちらが温かい気持ちになります。

ほかにも、ソン・スンファンさん、イ・ヘヨンさん、ユン・ヨジョンさんなど、実力派俳優たちが脇を固め、物語に厚みを与えています。

胸が熱くなる理由:テーマは「聞こえない声」に耳を傾けること

このドラマのすごいところは、障がいを単なる設定として扱わず、「人が人を理解することの難しさ」と「それでもつながりたいという希望」を丁寧に描いている点です。

ドンジュは耳が聞こえない。
ウリの母は声を発せない。
ヨンギュは知的な理解が難しい。

けれど彼らは心で感じ、理解しようとするんですよね。

言葉よりも、表情や手の温もり。

伝わらないもどかしさの中にこそ、真の「愛」があると感じました。

個人的には、第9話のドンジュとウリが再び心を通わせるシーン、本当に涙腺が崩壊しました。

「人の痛みを想像することの優しさ」を思い出させてくれる、そんな瞬間でした。

見どころ&後世への影響

韓国放送当時、視聴者からは「家族の意味を考えさせられた」「人の優しさを思い出した」という声が多く寄せられ(出典:朝鮮日報/Kstyle インタビュー記事)、社会的にも評価の高い作品でした。

また、キム・ジェウォンさんにとっては兵役除隊後の復帰作であり、演技力の高さを再認識させたドラマでもあります。

ファン・ジョンウムさんにとっても、演技の幅を広げ、のちに『彼女は綺麗だった』や『キルミー・ヒールミー』などへと続く躍進のきっかけとなりました。

③『ケリョン仙女伝』

最初にこの作品を見たとき、「こんなに純粋な愛がまだあったのか」と胸が熱くなりました。

主人公のオクナム(ムン・チェウォン/高齢姿ではコ・ドゥシム)は、水浴び中に羽衣を失い天に帰れなくなった仙女

そんな彼女を助けてくれた優しい木こりと結婚し、愛する子どもにも恵まれます。

けれど、ある日突然その夫が「すぐ戻る」と言い残して姿を消してしまうのです。

それからなんと699年。

オクナムはケリョン山の喫茶店でバリスタとして働きながら、夫の生まれ変わりを待ち続けています。

この設定だけでも切なさが込み上げてきますよね。

ある日現れた二人の「夫候補」!?

ある日、ケリョン山を訪れた准教授のイ・ヒョン(ユン・ヒョンミン)とその助手キム・グム(ソ・ジフン)。

不思議な雰囲気の漂うオクナムの店でコーヒーを飲んだ帰り道、彼らはまるで導かれるようにオクナムの滝へ辿り着き、彼女が老婆の姿から若い女性へと変わる瞬間を目撃します。

翌朝、もう一度喫茶店を訪ねると、イ・ヒョンの口から聞こえた言葉にオクナムの心がざわめく「チョムスン(娘の名前)」

それは亡き夫しか知らない名前。

もしかして彼こそ、699年間探し続けてきたあの人の生まれ変わり?

そして物語は、冷静で少し潔癖な准教授イ・ヒョン、

優しくて不思議な感性を持つ年下男子グム、

二人の間で揺れるオクナムの心の旅へと続いていきます。

演技が光る!俳優陣の魅力

オクナムを演じるムン・チェウォンさんと聞いて、「あの『グッド・ドクター』の彼女!」と思った方も多いでしょう。

彼女は「クリミナル・マインド:KOREA」などでも知られる演技派で、オクナムの柔らかさと芯の強さを絶妙に表現しています。

老婆姿を演じるコ・ドゥシムさんの包み込むような温かさも印象的です。

一方、「魔女の法廷」のユン・ヒョンミンさんは、理性的で少し不器用なイ・ヒョン役を熱演。

彼のツンデレな表情や、記憶の奥に眠るなにかが垣間見える瞬間には、思わず息を呑みました。

そして「シグナル」で注目を集めたソ・ジフンさんが演じるグムは、見ているだけで癒やされる存在。

動物と会話できる設定もユニークで、ちょっと天然で優しい空気感がたまりません。

オクナムの娘チョムスンを演じるgugudanのミナさんも、猫のように愛らしいキャラクターで、母娘のシーンではふと笑顔になってしまいます。

「私の名前はキム・サムスン」演出家の世界観

演出を手がけたのは、「私の名前はキム・サムスン」のキム・ユンチョル監督

恋愛のきらめきと、人間の温もりを描くのが本当に上手い方ですよね。

彼が描く『ケリョン仙女伝』の世界では、ファンタジー要素がありながらも、根底には人としての優しさが流れています。

「トッケビ」や「青い海の伝説」といった大ヒット作と並んで語られるのも納得です。

じんわり心が温まるヒューマンストーリー

このドラマの魅力は、「仙女と人間の愛」という非現実的な題材を、心の再生の物語として描いているところにあります。

オクナムが長い年月を経て再び人を信じる気持ちを取り戻す姿には、見ている私たちも勇気をもらえるはずです。

特に印象的だったのは、オクナムがコーヒーを淹れるシーン。

その一杯には「愛する人への思い」「過ぎ去った時間」「今この瞬間への祈り」が込められているようで、見ていて胸がじんわりしました。

『ケリョン仙女伝』は、華やかなファンタジーの中に人を想うことの強さが描かれた作品です。

笑えて、泣けて、そしてほっとする。

疲れた日や少し元気をなくした日に、そっと寄り添ってくれるようなドラマだと思います。

心がうるうるして、気がつけば画面越しに微笑んでしまう。

そんな優しい時間を届けてくれる一本です。

まとめ

心に響くヒューマンドラマには、ただの感動以上の力があります。

登場人物たちの笑顔や涙を通して、私たち自身も「また頑張ろう」と思える瞬間があるからです。

癒されたい時、前向きな気持ちになりたい時、ぜひこの心が元気になる韓国ドラマを観てみてください。

きっとあなたの毎日にも、小さな幸せの光が差し込みます。