復讐ドラマと聞くだけで「またドロドロなの来たな」って身構えちゃいますよね?
はい、今回の主役はそんな期待を120%裏切らない韓国MBCドラマ『白詰草(シロツメクサ)』。
2017年春から放送された全129話です。
脚本は“ドロドロ界の女王”と呼ばれたチェ・ウンギョンさん、監督も「福寿草」で知られるチャン・ジュンホさん。
つまり“涙と怒りの全方向攻撃ドラマ”となっています。
もう序盤からイライラ。
けれどもただの苦い復讐劇ではなく、「家庭」「母性」「記憶」「約束」というテーマが絡み合っていて、見始めると止まらなくなりますよ。
「白詰草」あらすじ
書堂(ソダン)で子どもたちに礼儀作法を教える師匠オ・スンナム(パク・シウン)。
幼い頃に事故で記憶を失い、家族とも生き別れという、もう出だしから地獄モード全開です。
ですが彼女は養父チャ・マンピョン(チャン・グァン)夫妻の愛に支えられ、優雅で誠実に生きています。
そんな彼女の夫チャ・ユミン(チャン・スンジョ)は児童精神科医。
けれど職場のパワハラのせいで心が擦り切れていくのです。
そしてここからが“地獄の始まり”。
院内の権力闘争に巻き込まれていくユミン。
そこに登場するのが悪女ファン・セヒ(ハン・スヨン)です。
彼女は黄龍グループの養女で、ユミンに惹かれてしまうのです。
セヒが家庭を壊すために仕掛ける罠の数々がもう、どこまでやるのってレベル。
しかもスンナムは娘ジュニョンを事故で失い、復讐の鬼と化します。
この瞬間から表情が完全に別人です。
このドラマ、単なる愛憎劇じゃなく“母が娘を失った悲しみ”が主軸になっているのがポイント。
優しさが憎しみに変わる瞬間の演技、パク・シウンさんに拍手したくなります。
「白詰草」キャスト クセ強めで見応え抜群!
パク・シウン(オ・スンナム)

「福寿草」以来3年ぶりの主演。
気品と芯の強さが同居する女優さんで、絶望的な状況でもどこか品がありますよね。
そして彼女のトレードマークだった“前髪パーマ”、視聴者がめっちゃざわついてました(笑)
チャン・スンジョ(チャ・ユミン)

裏切り夫枠の中でも結構たちのわるいクズ夫です。
チャン・スンジョさんの繊細な演技がとてもうまいのですんなり憎めます。
愛人か妻かどっちつかずで、本物の悪人になり切れないところも憎たらしいです。
家庭を壊したくないのに流されていく“弱さ”のリアルさが◎。
ハン・スヨン(ファン・セヒ)

悪女ポジションで爆発。
最初はただのワガママなお嬢様かと思いきや、中盤から加速する“歪んだ愛”に変貌します。
ところが時折見せる孤独な表情に「実は可哀想かも」なんて同情する暇もなく悪事を次から次に繰り広げます。
また、母性というものが全くないところも許せません。
ハン・スヨンさんの罪づくりな演技力がさえています。
ク・ボンスン(カン・ドゥムル)

スンナムを陰で支えるビジネスマン。
無口だけど意外と熱いタイプ。
スタイル抜群なのに“イケメン枠ではない”という残念ポイントがネットでは話題(笑)。
筆者の個人的な意見は、眉のメイクを上手にすることでかっこよくみえるのでは?なんて思っていました。
ただ、人柄はほんとによくて心のよりどころとなってくれる人物です。
脇を固める名俳優たち
黄龍グループ会長ヨン・ソンジュ役のキム・ヘソンさん、実母としてスンナムの過去を握る重要人物。
序盤は怖いけど後半の涙のシーンで一気に評価爆上がり。
さらにチャ・マンピョン役のチャン・グァンさんの“韓国ドラマお父さん芸”も安定感抜群です。
見どころ&感想 ドロドロなのに不思議と泣ける
最初は「昼ドラっぽい」と構えていたんですが、途中から止まらなくなるドラマです。
心臓病を抱える娘ジュニョンの存在が物語を大きく動かします。
彼女の死でスンナムが“優しさを失う瞬間”ここ、鳥肌立ちます。
そしてチェ・ウンギョン脚本のすごいところは、“敵にも理由がある”描き方。
セヒもユミンも、ただの悪人じゃない。
だからこそスンナムの復讐が切なくてリアル。
中盤から後半にかけては、視聴率がじわじわ上昇(最高11.6%)。
決して派手な俳優陣ではないのに、“内容で勝負してる”ドラマって感じでした。
よくある質問(FAQ)
Q:タイトルの「白詰草(シロツメクサ)」にはどんな意味があるの?
A:花言葉は「幸福」「約束」「復讐」。まさにスンナムの人生全部が詰まってます。優しさと怒り、全部一本の茎に乗って咲いてるようなものですね。
Q:どこで視聴できる?
A:日本ではBSテレビ東京で放送済み。現在はDVD-BOXが発売中(Amazonや楽天で購入可)。一部配信サイトでは“훈장 오순남”の原題で検索すると韓国版が見つかります。
Q:スンナムのモデルや原作はある?
A:原作はなしですが、制作陣が“現代の女性版・福寿草”として企画したと韓国メディア《スポーツソウル》が報じています。脚本家チェ・ウンギョンさんは「女性の成長と赦しが本当の復讐」と語っています(MBC公式インタビューより)。
まとめ
「白詰草」は単なるマクチャンドラマではないです。
愛と悲しみの中で、人間がどう変わってしまうか。
そのリアルを突きつけてくる作品。
パク・シウンさんの“微笑んでるのに泣いてる目”、忘れられません。
見終わったあと少し疲れるけど、それ以上に「生きるって大変だなぁ。でも、強くなれるかも」と思える。
ドロドロなのに、心に小さな白い花が残る。
そんな不思議な余韻を持つドラマです。