豪華キャストなのにつまらん!Netflix『アンナラスマナラ』『配達人』『おつかれさま』
Netflixには「キャストを見ただけで期待値が爆上がり!」という韓国ドラマが多くあります。
しかし、いざ再生ボタンを押してみると
あれ?思っていたほどハマれない…。
今回は、実力派俳優が勢ぞろいしながらも、脚本やテンポの面で惜しさが目立った3作品『アンナラスマナラ』『配達人』『おつかれさま』をピックアップ。
演技は素晴らしいのに、つまらなかったと感じた理由を掘り下げてみたいと思います。
※この記事はあくまでも個人の感想です。今回あげた3作品は多くの方から高評価されているドラマなので「あーそんな風に感じる人もいるのね」程度に受け止めていただけると幸いです。
豪華キャストなのにつまらん!
①『アンナラスマナラ-魔法の旋律-』

見る前は期待しかなかったんですよね。
チ・チャンウクさん、ファン・イニョプさん、チェ・ソンウンさんという豪華すぎる顔ぶれ。
しかも監督は『梨泰院クラス』のキム・ソンユンさんです。
ファンタジー×音楽×ヒューマンという組み合わせも「韓国版ラ・ラ・ランド」みたいかな?「チャーリーとチョコレート工場」かな?なんてワクワクしていました。
でも、実際に見たら「世界観がわかりにくい」
世界観が難しすぎた?
原作は人気ウェブトゥーン(ハ・イルグォン作)ですが、映像化されると急に抽象的になった気がしました。
チ・チャンウクさん演じるリウルは、「大人になっても夢を信じたい」魔術師。
対するチェ・ソンウンさん演じるユン・アイは、貧しさと孤独を背負い、現実に押し潰されている少女です。
リウルが「信じますか?魔法を」って問いかけるシーンは詩的で美しいです。
でもストーリー全体としては、その魔法がどんな意味を持つのか、よくわからないまま終盤を迎えてしまう。
まるで夢を見ること自体が贅沢になってしまった現代への皮肉を描きたかったのかもしれませんが、視聴者にとっては「どう受け取ればいいの?」という置き去り感が残りました。
キャストは最高!映像が綺麗!
ドラマのビジュアルクオリティは圧巻でした。
あの廃遊園地のセット、色使い、光の演出はまるでミュージカル映画のようでした。
チ・チャンウクさんの幻想的な表情、チェ・ソンウンさんの繊細なまなざし、ファン・イニョプさんの孤独な演技。
どれも素晴らしかったです。
でも、その感情の余韻に浸ろうとすると、唐突に歌やマジックの演出が入り、テンポが急に変わるんですよね。
そのギャップが世界観に入り込めない原因になった気がします。
「豪華キャストなのにつまらん」と思った理由を考えてみた
あくまでも個人の感想ですが、私がこのドラマが「つまらない」と思った一番の理由は、脚本のリズムにあると思います。
たとえば『梨泰院クラス』のように、主人公が少しずつ成長していく明確な構成ではなく、詩のように抽象的な展開。
演技よりもメッセージを優先している作風です。
だからこそ、俳優陣の演技がいくら良くても、観る人によって何が言いたいのかわからなくなってしまう。
Netflixのレビュー欄でも「映像は最高、でも内容が難しい」という意見が多く見られます(参考:Netflix公式コメント欄、2022年5月6日公開)。
視覚的には素晴らしいけれど、心に残るカタルシスが少なかったのかもしれませんね。
ファン・イニョプの繊細な青春演技に注目!
とはいえ、全体が退屈だったわけではありません。
ファン・イニョプさん演じる秀才イルドゥンが、ユン・アイに心を動かされて少しずつ変わっていく姿は切なくて見応えありました。
「女神降臨」でのアイドル的ビジュアルとは違い、今回は人間味と不器用さが出ていて、彼の代表作のひとつになると思います。
また、ナ・イルドゥンの両親を演じたユ・ジェミョンさん&キム・ヘウンさんの存在感も抜群。特にユ・ジェミョンさん(『梨泰院クラス』『ヴィンチェンツォ』)の厳しさの裏にある父親の弱さの描き方がリアルで、印象に残りました。
SNSで多かった感想を見てみると…
- 「主役のチチャンウクがかっこいいので見て損はない。」(出典:Twitter公式ハッシュタグ #안나라수마나라, 2022年5月)
- 「ミュージカルなのに歌と曲にパワーを感じられなかった」
- 「作中出てくるインコが可哀想な死に方をする。動物好きでそういうの無理な人は見ない方が良い…」
- 「歌とセリフの切り替えが唐突で違和感」
(各コメントは韓国公式フォーラムおよびNAVERドラマ掲示板レビューサイトより要約)
やっぱり、映像と俳優は完璧、でも脚本が難解という評価に集約されている印象です。
『アンナラスマナラ』は、好みが分かれるタイプのドラマです。
「つまらない」と感じた私は、きっと現実の重さに寄り添うリアルなドラマを求めていたのかもしれません。
でも、子どものように夢を見る勇気をテーマにしたこの作品は、実は現実離れしているようで、人間の心の深い部分を突いている気もします。
チ・チャンウクさんのリウルが言う「信じますか?魔法を?」。
あのセリフをもう一度、少し違う気持ちで聞くと……このドラマの本当の意味が見えてくるかもしれませんね。
あなたは『アンナラスマナラ』を観てどう感じましたか?
「つまらなかった」理由も、「好きだった」理由も、きっとそれぞれの心の中に答えがあるはずです。
他の方はこのような感想を述べています。
ミュージカルと殺人事件というアンバランスさ。深刻な問題を歌でうやむやにされてる気がしてしまう。
filmarks.com/
キャストが豪華
filmarks.com/
ミュージカル調のドラマ!ほんとディズニーみたい!
内容はちょっとよくわからんかった…
短かったから完走はできた
ファンイニョプを追っかけてこの作品にきたから最後まで見たけど好きな俳優が出てないと絶対離脱してたわ
filmarks.com/
最初は、ミュージカルの話なのかと思っていたら、マジックの話のドラマかと。でもそれも違う感じです。
filmarks.com/
あまり、何が言いたいのかわからず、少し暗く、重くチ・チャンウク氏主演だったのに残念な感じでした。
マジックのところは面白かったですが、警察が来て、緊迫した場面で、ちょっと待たせているのに、歌を歌いはじめるとか意味がわかりません。
エンディングでは、出演者が、楽しそうに歌やダンスをしていましたが、結局楽しかったのは出演者達だけ?という不思議な感じでした。
②『配達人 ~終末の救世主~』

Netflixの韓国ドラマ『配達人〜終末の救世主〜(原題:Black Knight)』。
主演はキム・ウビンさん。
さらにソン・スンホンさん、イ・ソムさん、カン・ユソクさんと、まさに“超豪華布陣”です。
なのに……見終わった私は思わずつぶやいてしまいました。「豪華キャストなのにつまらん!」。
でも、つまらない理由をただ愚痴るだけじゃもったいない。
今回はそのもどかしさの正体を、一緒に掘り下げてみましょう。
世界観とビジュアルは圧巻
2071年の地球。
大気汚染で酸素が貴重な資源になり、人々はマスクなしでは生きられない。
この設定を聞いただけでなんかゾクッとしますよね。
しかもその世界を舞台に、人類を支える「配達人」たちが命を懸けて酸素を届ける。明らかにスケールが違います。
実際、VFXの完成度は本当に高いです。
砂漠になったソウルの街、新たに区分された階級社会、そして手の甲のQRコード。
映画級の映像美に「ここまでやるか…」と思いました。
制作を担当したのは『MASTER/マスター』(2016)で700万人を動員したチョ・ウィソク監督です。
彼がNetflixドラマに挑戦するのは今回が初めてなのだとか。
でも、どんなに映像が豪華でも、物語がなんだかよくわからなかったのです。
このドラマはビジュアルの完成度に比べ、キャラクターの心情描写がやや弱いと感じました。
キム・ウビンの復帰作なのに

主演のキム・ウビンさんは『むやみに切なく』(2016)以来、久々の主演ドラマでした。
難病を乗り越えた復帰作として、多くのファンが待っていた一作でもあります。
彼が演じる伝説の配達人「5-8」は、冷静沈着で強く、正義感もある。
でも、心の奥にある痛みが私にはあまり見えてきません。
「寡黙なヒーロー」という設定自体に深みを出すのは難しいけれど、せっかくのキム・ウビンさんの表現力をもっと見たかったなと思いました。
ただ、戦闘シーンはかなりかっこいいです。
あの長い脚としなやかな動きはさすがですね。
彼がトラックから降り立つ瞬間の存在感は、まさに主役オーラ全開でした。
ソン・スンホンの悪役っぷりは見どころ
チョンミョングループの後継者、リュ・ソクを演じるのがソン・スンホンさんです。
リュ・ソクはチョンミョン・グループのCEOとして、父親のリュ会長の思想を継承し、終末世界での排他的移住計画を推進します。
野心的なリュ・ソクは、難民を犠牲にする冷徹な思想を持っており物語の黒幕的な存在として主人公の5-8(キム・ウビン)や難民の少年サウォル、軍情報司令部のソラらと衝突します。
ソン・スンホンさんは『ブラック(Black)』『マイ・プリンセス』などで見せた柔らかいイメージと正反対の冷酷な表情を披露しています。
でも、彼の動機や背景の掘り下げが浅く、視聴者が感情移入できるまでに至らなかったのが惜しいです。
カン・ユソク:若手の存在感が救い
一方で、若手俳優カン・ユソクさん(『ペイバック~金と権力~』ほか)は光ってました。
彼が演じるサウォルは、配達人を目指す難民の青年。
サウォルは伝説の配達人「5-8」(キム・ウビン)に憧れを抱き、同じように配達人になることを夢見る活発で陽気な少年です。
救いが少ない物語の中で、唯一希望を感じさせてくれる存在でした。
終末世界の厳しい環境でも希望を失わず、軍情報司令部のソラ(イ・ソム)と本物の家族のような絆を築きます。
現場での撮影はかなり過酷だったそうで、監督も「体力も精神的にも限界までやりきってくれた」と語っていました。
豪華すぎてバランスが崩れた?
正直に言うと、このドラマは詰め込みすぎた感じがします。
未来社会の分断構造、環境問題、酸素という新たな通貨、そしてヒューマンドラマ…テーマが重くて壮大。
その分、登場人物が多く、感情の軸がぼやけてしまった印象です。
「もっと人間ドラマを見たかったな」と思う人も多いのではないでしょうか。
映像に圧倒される一方で、「心が追いつかない」というギャップが、このつまらなさの正体かもしれません。
それでも挑戦としては面白い
批判的に書きましたが、『配達人』は決して失敗作ではありません。
むしろ、韓国ドラマ業界が世界を狙って挑戦した実験的な作品だと思います。
環境問題をエンタメとして描こうとした志は高く、VFXの完成度もNetflix水準を超えていました。
ただ、私が韓国ドラマに求めていた物語とはズレていたと思います。
愛も裏切りも、生身の感情も、もう少し見たかったです。
「この豪華キャストなんだから、もっと面白くできたはず!」と思わずにはいられませんでした。
ストーリー自体は面白いし映画みたいな雰囲気
ただなぜ6話にしたのかな
もう少し長めにして深掘りしたらもっと面白かったはず・・残念!!!
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パッとしないドラマ。2071年が舞台の荒廃した環境破壊で酸素の足らない韓国が舞台というのにひかれてみたが物語はつまらない。宅配便の配達人5-8がヒーローという設定なのだが、それっぽい雰囲気なだけでラスト以外役に立たない。ラスト以外何も阻止出来ず物語は進む(笑) それっぽい表情と雰囲気を醸し出しながら無能なヒーローに失笑。ああつまらないドラマ。10秒スキップで最終話の最後20分だけみればいいドラマかと。
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③『おつかれさま』

「IUさんとパク・ボゴムさんの共演作」と聞いて、胸が高鳴った人は多いはずです。
私もその一人。
Netflixで配信開始と同時に再生ボタンを押しました。
でも正直……最初の数話は眠気が勝ちました。
済州島の風景は美しい
舞台は済州島。海女の母(ヨム・ヘラン)に育てられた少女オ・エスン(IU)が、人生の苦難を乗り越え成長していくそんな温かいヒューマンストーリー。
とはいえ、序盤のテンポはかなりゆっくり。
映像は映画のように美しくて、風の音までリアルに感じられるほど。
でもその分、ストーリーの進行が遅く、視聴者の集中力を試される印象です。
IUさん演じる若き日のエスンは、賢くて負けず嫌いな少女。
彼女を静かに見守るのがパク・ボゴムさん演じるグァンシク。
少年少女時代の二人の間に流れる淡い空気が、このドラマの最大の魅力なのだろうと期待していたのですが、恋愛要素は控えめで海女のアジュンマの怒鳴り声だけが強烈でした。
それもそのはず、海女の方たちは助演女優賞にノミネートされてもおかしくないほどの方たちが演じています。
豪華キャストなのに心が動かないワケ
キャストだけ見れば、まさにオールスターの「おつかれさま」。
主役のキャストを紹介しましょう。
- 若き日のエスン:IU
- 中年期のエスン:ムン・ソリ
- グァンシク:パク・ボゴム
- グァンシク中年期:パク・ヘジュン
さらに『ザ・グローリー』で強烈な印象を残したヨム・ヘランさん、そしてベテランのナ・ムニさん、オ・ジョンセさんまで出演と聞けば、名作の予感しかしませんよね。
でも、豪華俳優陣の演技力を生かし切れていないのが残念でした。
IUさんの繊細な演技も、ボゴムさんの誠実なまなざしも、脚本のトーンに押し込められているというか…。
特に1〜3話は、キャラクターの関係性が淡々と描かれるだけで、強い“フック”がない。
さらに、問題は主役のパクボゴムさんが7話くらいから回想シーンにしか登場しなくなるのです。
IUさんは娘役として登場しているのに、これはどういうことなのでしょうか?
ちょっと暴れたくなりましたよ。
とはいえ「大人の静かなドラマ」としての価値も
すこし冷静になります。
ただ、「つまらない」と切り捨てるのは少しもったいない気もしてきたので良いところも紹介しましょう。
中盤以降、物語がエスンの中年期(ムン・ソリ)に移ると、家族の葛藤や人生の後悔といった深みが出てきます。
特に、パク・ヘジュンさん演じる中年グァンシクといつも寄り添っているところは、派手ではないけれど胸の奥にじんわり響きました。
そう、このドラマは「静かな余韻を味わうタイプ」なのです。
アクションもスリルもない。でも、人生のおつかれさまを優しく包み込むようなストーリーです
期待値が高すぎると肩透かしを食らいますが、ゆったりした時間を楽しみたい人にはじんわり刺さるかもしれません。
ただ、ゆったりした時間と言っても、結構大きな事件が何度もエスンとグァンシクに襲い掛かってきます。
そういうところはとても見ごたえがありますよ。
個人的に印象に残ったキャラたち
- ヨム・ヘラン(チョン・グァンネ役):百想芸術大賞でも助演賞を受賞。母としての力強さが圧巻。
- オ・ジョンセ(母の再婚相手):やはりこの人、どんな役でも人間味の出し方がうまい。
- カン・ユソク(エスンの息子役):『配達人』で注目された若手。前向きな姿が救いでした。
俳優陣の完成度は間違いなく高いですよね…。
だからこそ「惜しい!」の一言に尽きます。
「退屈」と「深い余韻」は紙一重
『おつかれさま』は、視聴者の“求めるテンポ”によって評価が真っ二つに分かれる作品だと思います。
泣ける話を期待して見ると物足りない。でも、静かな人生劇として見れば、心に残るものもある。
しつこいようですが、個人的には、もう少しIUさんとボゴムさんのシーンを増やして欲しかったですね…。
二人の繊細な演技をもっと見たかったです。
他の方はこのような感想を語っていました。
もう少しリアリティがあるのかなと思っていたけど出来過ぎたストーリーと過剰なナレーションと演出に胸焼けを起こしてしまった…心の奥に触れるものがなく、感動を誘う描写も分かりやすくて冷めちゃう感じ。
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色々思うことがありすぎて、あまりハマらなかった、、
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途切れ途切れで見たからか、話が現在と過去を行ったり来たりしてややこしかった
7話まできたけど もういいや 離脱
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平凡なしあわせストーリーは求めてないんだよね、、、
あれほど強気な女子だったのに
中高年になったからってそんな丸くならないよ
まとめ
結局、ドラマの面白さはキャストだけでは決まりません。
そんなことを痛感させられる3作品でした。
俳優陣の魅力を最大限に活かせる脚本や演出さえあれば…と惜しむ声も多いはずです。
それでも、それぞれの作品が持つ世界観やテーマ性は光る部分もあるので、期待しすぎずに観るくらいの気持ちで楽しもうとおもいます。
※このページはあくまでも個人の感想です。

















