韓国ドラマを観ていると、思わずこうツッコミたくなりませんか?
「またオンマ(母)役、同じ人だ!」って。
あれ、前のドラマでも息子が別のイケメンだったよね?って、まるで“韓ドラ界の母親役はリレー制”みたいな錯覚を起こすほど。
一体なぜ、韓国ドラマでは“お母さん”役がいつもおなじ顔ぶれなのか。
今回も愛をこめて探っていきましょう。
韓ドラの「母親」10人で回してる説、真実に迫る!

名脇役オンマたちの“黄金リスト”を見て行きましょう。
① キム・ヘスク

韓国を代表する理想のお母さん像といえば、やっぱりこの人。
『冬のソナタ』のイ・ギョンヒ役は、誰もが印象に残る名演技でしたね。
『賢い医師生活』や『世界で一番可愛い私の娘』など、今もなおひっぱりだこの彼女の演技は、まさに韓国ドラマ界の“伝説”です。
温かさと厳しさの絶妙なバランスで、観る人の涙腺を刺激します。
② イ・イルファ

「応答せよ」シリーズの母親代表といえばこの人。
全三部作で同じ母親像を演じつつ、時にはコミカルに、時にはシリアスに魅せる演技は圧巻。
特に「一般家庭の母」だけでなく、「財閥家庭のお母さん」までこなす多彩さも持ち味です。
誰もが一度は見たことある顔、そして心に深く刺さる演技力は、まさに韓ドラ中のゴールデンバイプレイヤーです。
③ キム・ミギョン

元舞台女優から、母親役の名手へ。
『相続者たち』では耳が聞こえない役で、セリフがなく表情だけの演技が見事でしたね。
『白雪姫には死を』では、一人息子が一夜にして殺人犯人になってしまうという悲しい役で涙をさそいました。
涙を誘うといえば『もうすぐ死にます』
自ら命を絶った主人公の母親を演じ、大きなメッセージを視聴者に送りました。
明るさとシリアスな涙の演技、両方を一人でこなす演技派、お茶の間の癒やし代表です。
『夜に咲く花』などの時代劇ではヒロインの姑を演じ、厳しくも実はとても懐の深い女性を演じています。
ミギョンさんがドラマに登場するともうそれだけでうれしくなりますよね。
④ キム・ミスク

『華麗なる遺産』をはじめ、悪女役もこなす実力派。
ヒロインの継母として悪事をこれでもかと続け、嘘の上に嘘を重ねます。
ただ、『オク氏夫人伝』ではとてもやさしい女性を演じ、『今日妻辞めます』でも気丈なオンマを好演しました。
時代劇『インス大妃』(11/JTBC)でも首陽大君の妻(貞熹王妃/慈聖大王大妃)を演じ、後の仁粋大妃(インステビ)を演じるチェ・シラさんとまるで龍と虎のような恐ろしい「嫁姑合戦」を繰り広げました。
演技の奥深さと品格で、いつも印象に残る女優さんです。
⑤ キム・ヘオク

韓国ドラマの名作にはだいたい出てる、超安定派。
『バリでの出来事』で、娘がかわいいのとプライドを守るため、気が狂ったようにハ・ジウォンをボコボコにする姿は迫力ありました。
『私はチャン・ボリ』でも悪役を演じ、実の娘を地獄に落とします。
多忙なスケジュールの中でも、どんな役もこなしきるプロ意識の高さに脱帽です。
⑥ ナ・ヨンヒ

上流階級の母親役のトップクラス。
『星から来たあなた』や『黄金の私の人生』でおなじみ、韓ドラ界の“自称お嬢さまの母”の代表格です。
『黄金の仮面』では見事な悪役を演じていました。
⑦ チャン・ヘジン

『パラサイト』や『愛の不時着』の母親役といえば、この人。
貧しい家庭からセレブまで巧みに演じ分け、視聴者の涙と笑いを引き出します。
役の幅が広く、「私はこういう母親もやれるんだ」と、俳優魂に火をつけてくれる名脇役。
⑧ コ・ドゥシム

韓国カメレオン女優とも呼ばれ、長きにわたり“母親役の女王”の座に君臨。
『私たちのブルース』の母親役では、涙なくしては見られない名演。
華やかだけじゃない、深みのある演技がなんとも素敵です。
⑨ ラ・ミラン

ラ・ミランさんはNetflix配信のドラマ『良くも、悪くも、だって母親』で主役を務め、養豚場を営みながら息子を育てるシングルマザーの骨太な母親役が印象的。
どんなジャンルも自分色に染める演技派女優で、観る者の心にグッとくる迫力を持っています。
多くの韓ドラファンに“共感のオンマ像”として刻まれている実力派です。
⑩ イ・ヘスク

イ・ヘスクさんは『ドリームハイ』『金よ出てこい☆コンコン』『結婚作詞 離婚作曲』など幅広く母親役をこなし、一般庶民から財閥の母親まで、多彩に演じ分ける実力派。
コミカルさからシリアスまで自在にこなす“カメレオン俳優”として、韓国ドラマの母親役の中でもとくに信頼されています。
この方は、若い頃日本のドラマ「ニューヨーク恋物語」でミヒ役を演じ日本でも人気になりました。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
イ・ヘスク田村正和主演ドラマに出演していた!作品一覧も紹介!
なぜ同じ人ばかりなの?
理由はいくつかありますが、最大の問題は「中堅俳優層の薄さ」と言われているようです。
韓国ドラマの制作本数が爆増したことで、役者の取り合い状態。
若手は主役争い、中堅は生活維持が難しくて俳優業を離れる人も多いとのこと。
実際、韓国の俳優協会関係者は2023年のインタビューでこう語っています。
「40〜60代の女性俳優層が少なく、母親役のキャスティングが固定化される傾向にあります。」
(引用元:スポーツソウル 2023年11月号)
つまり、
「母役が得意で演技が安定してる人=常連化」という構造ができてしまっているわけです。
そこに脚本家の“安心第一主義”が加われば、もう固定メンバー確定。
「泣かせるシーンならキム・ミギョンさん!」
「厳しくも愛のある母ならナ・ヨンヒさん!」
と、オファーがピンポイントで飛んでいるとのことです。
よくある質問
Q1. なぜ父親役はそこまで被らないの?
A. 韓国では父親役も同じ人で被ります。「あ、またこの俳優だ」なんて思うこと多いですよね。
Q2. 若い女優が母親役をやることは?
A. あります。特にファンタジー系や過去回想では30代前半が母役を演じるケースも。例:イ・ユリさんやイ・ハニさんなど。
Q3. “オンマ役専門”女優たちはどう感じているの?
A. 俳優のキム・ヘオクさんはインタビューで「母役は誇り。人間の根っこを描ける役だから」とコメントしていました。(出典:韓国JTBC『人物写真館』2023年放送)
まとめ
正直、韓国ドラマの母親役事情って偏ってますよね。
「またこの人!?」と言いながらも、結局泣かされてる自分。
これ、視聴者あるあるです。
でも、彼女たちが作り上げた“母の演技史”は間違いなく韓ドラの財産。
長年培われた包容力と迫力、そして時々の毒。
彼女たちが一言発するだけで、心にズンと響きます。
同じ顔ぶれでも不思議と飽きない。
そこが、韓国ドラマの底力だと感じます。
まあ、そろそろ新人オンマの登場も期待したいですけどね(笑)。