韓国ドラマを見ていると、「あれ、このお父さん、別のドラマにも出てなかった?」って思うこと、ありますよね。

実はそれ、気のせいじゃなくてほんとうに決まった俳優が父親役を演じています。

いわゆる「父親枠」「おじさん枠」を支えている名バイプレイヤーたちがいるのです。

この人たちが作品ごとに父・上司・師匠としてドラマの土台を作っています。

なぜ「父親役は10人で回してる」ように見えるのか?

韓国ドラマは、家族・職場・師弟関係がしっかり描かれることが多くて、「父親」役はとても重要ですよね。

そこにキャリアも演技力もある中年〜ベテラン俳優が集中しているので、「またこの人だ!」現象が起きやすいのでしょう。

さらに、

  • 撮影スケジュールに耐えられる体力
  • 長セリフでも崩れない安定感
  • ロマンスからサスペンス、時代劇まで幅広くこなせる柔軟さ

こういう条件を満たす俳優が喜ばれているようです。

それではどのような俳優が父親役を回しているのか見て行きましょう。​

チェ・ウォニョン

チェ・ウォニョンは、まず「イケメン」「真面目で優しそうなお父さん」ですよね。

でも作品を見ると、ただの優しいパパでは終わらないことが多いです。

  • 『キルミー・ヒールミー』では、財閥家の一員として秘密を抱えた大人側の人物を演じていて、笑顔の裏に黒さがチラっと見える感じが印象的でした。
  • 『君を憶えてる』でも、ストーリーの鍵を握る大人側として存在感があり、「この人が出てきたら何かある」と感じさせる空気を持っています。
  • そして史劇『花郎〈ファラン〉』では、若い花郎たちを見守る大人世代として、歴史劇らしい重さも出していました。
  • ​また『輝く!ウォーターメロン』では聴覚障害があるウンギョルの父でチキン店の社長を好演。家族でただ一人耳が聞こえる次男に音楽の道に進むことを反対します。
  • 『組み立て式家族』では料理が得意なアッパを演じています。あんなアッパが欲しいですよね。

個人的に、チェ・ウォニョンが出ていると「この人はどこまで信用していいんだろう?」と疑いながら見てしまいます。

人の良さと不穏さが同居していて、ただのいいお父さんで終わらないところがクセになるんですよね。

ソン・ドンイル

ソン・ドンイルは、「国民の父」と呼ばれるほどあちこちの作品で親世代を演じています。

  • 一番有名なのは『応答せよ』シリーズですよね。1988、1994、1997と時代が変わっても、毎回ソン家の父として出演していて、「またこのお父さんに会えた」と感じるファンも多いと思います。
  • 『テプン商事』では、会社の経営者としても父親としてもすばらしい人物を演じました。​
  • 『花郎〈ファラン〉』では、厳しさとユーモアのバランスが絶妙でした。

演技の特徴として、「怒鳴っても、根っこは優しい」アッパというイメージ。

視聴者も、「こんなお父さんがいたらいいな。ちょっとうるさいけど嫌いになれない」と感じてしまいます。

家庭物からサスペンス、ファンタジーまで、どの作品でもそこにいるだけでリアルな父親像を作ってくれる人だと思います。

チョン・ボソク

チョン・ボソクは、父親役のイメージがちょっと薄いかもしれません。​

  • 『大祚栄(テジョヨン)』や『商道』『武神』など、時代劇での出演が非常に多く、王や高官、名門家の家長として重厚な芝居を見せています。
  • 『ジャイアント』や『百年の遺産』など、現代劇でも財閥や大企業のトップ、あるいは主人公を追い詰める権力側として登場することが多いです。

しかし、「オーサムグァンヴィラ」や「私の心が聞こえる?」で素敵なアッパを演じています。

でも、たまに見せる父としての情の揺れにグッとくることも多くて、ただの悪役では終わらない深さも魅力です。

チョン・ベス

チョン・ベスは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で「すてきなアッパ!」と思う回数が一気に増えた気がします。

  • 『椿の花咲く頃』や『秘密の森』などで、父親・上司・周辺人物として出演し、地味だけれど強く印象に残る演技をしています。
  • 近年の作品では、『涙の女王』などにも出演があり、家族ドラマの中でクセのある父親像を演じています。​​

個人的には、「この人めちゃくちゃ演技がうまい」と思っています。

アン・ネサン

アン・ネサンは、調べると本当に出演本数が多くて、年間で何本出ているの?と驚くレベルです。

  • 『太陽を抱く月』では朝鮮の王・成祖役として、若い主人公たちを取り巻く大人の世界を背負うキャラクターに。
  • 『ミスティ』『ロースクール』『悪魔判事』など、法廷・サスペンス系ドラマにも多く、判事・検事・権力側の大人として緊張感のある演技を見せています。
  • 『ただ愛する仲』『愛の温度』などのメロドラマでは、主人公たちを見守る年長者として、渋くて温かい存在感を出しています。
  • ​『白雪姫には死を』では冤罪に苦しむ主人公の父親を演じ、息子を最後まで信じる優しいアッパの印象を残しました。

こうして並べてみると、王、判事、会社の重役、父親、ほぼ「主人公が頭を上げられない立場の大人役」を総なめしている感じですよね。​

ソヌ・ジェドク

ソヌ・ジェドクは、いわゆるドロドロ系や長編ドラマにもよく顔を出すタイプの俳優です。

  • 『嵐の女』では、複雑な家庭を抱えた父親として登場し、昼ドラ的な感情の揺れをたっぷり演じています。
  • 『カネの花〜愛を閉ざした男〜』では、欲や家門のしがらみの中で揺れる大人世代の一人として、ストーリーの緊張感を支えています。
  • さらに『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』や『魔女のゲーム』など、時代劇やサスペンス寄りの作品でも、権力を握る父親・上司ポジションで出演しています。

個人的に、ソヌ・ジェドクが出てくると「今回は家庭側が一筋縄ではいかないな」と覚悟します。

優しいだけの父ではなく、欲や弱さを抱えたリアルなおじさん像を見せてくれる人だと思います。

キム・ガプス

キム・ガプスは、韓ドラ好きなら一度は顔と名前をセットで覚えるレベルの大ベテランです。

  • 『シンデレラのお姉さん』では、酒造会社の社長であり父親という難しいポジションで、冷たさと弱さ、父としての情を見せてくれました。
  • 『恋愛じゃなくて結婚』では、結婚にうるさい父親として、コメディとシリアスを行き来しながら娘の人生に口を挟み続ける役どころ。
  • 『今日妻辞めます』では、定年退職をした日に妻から離婚を切り出される夫を演じました。妻や娘の気持ちがまったく理解できていなかった姿が哀れでしたらちょっと笑えて面白かったです。​
  • さらに『賢い医師生活』シリーズでは、病院側の大人として登場し、医療ドラマの中でも現実味のある上層部の空気を漂わせていました。

キム・ガプスのすごいところは、「怖い」と「温かい」が一つの役の中に共存しているところだと感じます。

厳しい父として子を追い詰めるようでいて、時折見せる視線や沈黙に、深い愛情が滲んでいますよね。

リュ・スンリョン

リュ・スンリョンは映画のイメージが強い俳優ですが、ドラマでも重要な役どころで登場します。

  • ドラマ初期には『風の絵師』『個人の趣向』などに出演し、芸術家や大人世代のキャラクターを演じました。
  • Netflixドラマ『キングダム』では、政治的野心を持つ大人世代としてストーリーの中心に立ち、父親としての顔と権力者としての顔の両方を見せています。
  • 最近では『ムービング』『タッカンジョン』といった話題作で主要キャストを務め、コミカルさとシリアスさを両方こなす万能型の父親・大人役として再評価されています。
  • ​さらに『ソウルの家から大企業に通うキム部長』では、大学生の息子や妻のために必死に働く父親を演じました。

ドラマ界において、「頻繁に見る」ようになってきたリュ・スンリョンさん。

作品全体が、リュ・スンリョンが出てくるだけでぐっと落ち着く感じがします。

キム・グァンギュ

キム・グァンギュは、「父親」そのものより、「父親の親友」「親戚のおじさん」「会社の先輩」として出演することが多いです。

家族ドラマの中ではほぼ父枠の一部として機能していますよね。

  • 『検事ラプソディ〜僕と彼女の愛すべき日々〜』などで、コミカルな周辺人物として物語を柔らかくしつつ、大人世代のリアルさも感じさせてくれます。
  • 最近の作品では『暴君のシェフ』『悪魔なカノジョは裁判官』『ウエディング・インポッシブル』など、多様なドラマに出演していて、視聴者に「またこの人だ」と親しみを感じさせる役回りが多いです。
  • ​また、『ダイナマイト・キス』ではイ・ソジンさんと一緒にカメオ出演していましたね。

個人的にキム・グァンギュを見ると、「親戚の集まりに絶対ひとりはいる、しゃべりすぎなんだけど憎めないおじさん」を思い出します。

主役ではないけれど、彼がいることで作品全体の温度が1〜2度上がるような、そんなタイプの俳優ですよね。

まとめ

ここまで名前を並べると、本当に父親役を10人くらいで回してるように見えてきますよね。

でも、実際にはもっと多くの中堅〜ベテラン俳優たちが、それぞれの作品で父・上司・師匠を演じています。

ただ、

  • 配信サービスや地上波で特に人気の高いドラマ
  • 日本でも話題になりやすい作品
  • いわゆる「外に輸出されることを前提に作られた作品」

こういうラインに選ばれやすい顔ぶれがあり、その中核に今回挙げた俳優たちがいる、という感覚が近いかなと思います。

あなたも、推しの韓ドラお父さん俳優がきっとひとりはいるのではないでしょうか。