この記事では、私自身が「1話で脱落しかけたポイント」について書いていきます。

さらに他の視聴者さんの感想も交えながら、「なぜ途中離脱したくなるのか」「それでも見る価値はあるのか」についても見て行きましょう。

離脱しそうになった理由

私は第1話で一度離脱しました。

しかし、やっぱり気になって復活して完走しています。

第1話で離脱してしまった理由はこちら。

① 「別人みたいに振る舞う」ギャップ
②ヒロインに共感できない
③政略結婚に魅力を感じない!
④演出過剰
⑤幼少期の出会いに飽きた!
⑥ヒロインが暗い
⑦ジャンルはなに?

ひとつずつ見ていきましょう。

① 「別人みたいに振る舞う」ギャップ

設定として、ホン・ヒジュ(チェ・スビン)は「緘黙症(かんもくしょう)」を患っていて、ふだんは話せない。

一方で、仕事は「手話通訳士」。

これだけ聞くと、

  • トラウマ
  • 心の傷
  • 声を失った理由

こういう人間ドラマを、じっくり見せてくれるのかなと思うじゃないですか。

ところが第1話から、ヒジュが「話せない」と言いながらも、シーンによってはまるで別人のように振る舞ったり、感情表現がやたらオーバーだったりして、

「え、ちょっと待って。この人、ほんとに声を失った人?」

と、気持ちが一気にシラけました。

緘黙症について、医学的・心理学的には、

緘黙とは言葉を話すことができない状態を指します。これは身体的な原因や心理的な原因(トラウマや不安障害)によって引き起こされることがあります。緘黙症の症状には、言葉を発することが困難または不可能である以外に、人前で話すことに強い不安や恐怖を感じることも含まれることがあります。

参考:一般財団法人日本精神医学研究センター

と説明されています。

だから、「全く声を出せない人」ではない、というのは分かります。

でも、『その電話が鳴るとき』の1話のヒジュは、その揺れというより、

  • 設定の都合で「話せたり、話せなかったり」
  • サスペンスの仕掛けのために、「症状」が演出として使われている

ように見えてしまって、「人間としてのリアルさ」が薄く感じました。

ここで一気に共感が途切れたんですよね。

②ヒロインに共感できない

「この人がヒロインのドラマを16話(仮)見るのか?」と考えて離脱することにしました。

序盤で特に「うわ…」と感じたのが、ヒジュが電話を使ってある行動を取るシーンです。

ここについても、視聴者から

「序盤のヒジュが電話してるあたりがだいぶ寒かった。バレないわけないだろ、」

引用:filmarks

というコメントがありましたが、まさにこれです。

サスペンスとして見れば、

  • 電話
  • 盗聴
  • なりすまし
  • トリック

みたいな仕掛けが出てくるのは定番です。

でも、それをやるなら、最低限「バレにくいリアリティ」が必要なんですよね。

このドラマの1話のそのシーンは、

  • リスクが高すぎる
  • 現代のテクノロジー感覚からすると、あまりに無防備
  • 「ドラマだから」で済ませるにしても、説得力が足りない

という感じで、私は画面を見ながら「いやいや、無理あるでしょ」と心の中で総ツッコミしていました。

③政略結婚に魅力を感じない!

ペク・サオン(ユ・ヨンソク)とヒジュは政略結婚。

いわゆる「仮面夫婦」です。

  • 家のために結婚しただけ
  • 夫婦仲は冷え切っている
  • 表向きは完璧な夫婦

こういう設定、韓ドラでは王道ですよね。

『結婚作詞 離婚作曲』系のドロドロを思い浮かべる人もいるかもしれません。

ところが、このドラマの1話〜序盤の空気は、

  • そこまでドロドロもしていない
  • でも、ラブコメほど軽くもない
  • サスペンスに振り切っているわけでもない

ものすごく「どっちつかず」のトーンです。

視聴者の感想でも、

「メインはサスペンスとラブ要素2つだがなんだかどっちつかずな印象。中盤以降はめちゃくちゃ長く感じた。」
「最初ええやんって思ってたけど後半になるにつれて面白くなくなっていった」

引用:filmarks

といった声があって(いずれもドラマ感想サイト上のユーザーコメント)、
私も序盤からすでに「このトーンでずっと行くの?」と不安が募ってしまいました。

④演出過剰

もうひとつ、個人的に大きかったのが ペク・サオンのキメキメ演技 です。

ある感想では、

「歌舞伎役者みたいな主人公がキメキメの演技であっさい内容」

引用:filmarks

という表現が出てきていて、ちょっと笑ってしまったんですが、
言いたいことはすごく分かるんですよね。

ユ・ヨンソクって、『賢い医師生活』のときは、
柔らかくて、ちょっと不器用で、でも優しいという温かさが魅力でした。

それが『その電話が鳴るとき』のペク・サオンでは、

  • 目線
  • 立ち方
  • セリフの間

すべてが「カッコよく見せよう」としているように感じてしまって、
演技というよりポーズを見せられている感覚に近かったです。

ある視聴者は、

「話は面白いなと思ったけど主人公ペクサオン役のユヨンソク氏にはまれず途中離脱
賢い医師大好きだしそのユヨンソク氏は好きなんだけど、
ペクサオン役は他の人が良かったな、スビンちゃんともっと歳の近い人」

引用:filmarks

と書いていて、この「役と俳優の相性の悪さ」を挙げている人はけっこう多い印象でした。

私自身も、サオンというキャラは「もっと冷たさや影のある俳優」。

もしくは「逆に柔らかさでギャップを出せる俳優」のどちらかに寄せた方が、
物語に厚みが出たんじゃないかなと感じます。

⑤幼少期の出会いに飽きた!

韓ドラあるあるのひとつ、「実は子どもの頃に出会っていた」。

このドラマでも、しっかり出てきます。

そして、これがまた「はいはい出ましたね」感を強めるポイントになっていました。

感想の中にも、

「出ました幼少期の出会いエピ」

引用:filmarks

という短いけれど刺さるコメントがあって、
思わず「分かる」とうなずいてしまいました。

もちろん、幼少期の出会い設定自体が悪いわけじゃないんです。

『冬のソナタ』から始まって、今でもずっと使われ続けている定番。

ただ、『その電話が鳴るとき』の場合は、

  • 緘黙症
  • 政略結婚
  • サスペンス
  • 政治・戦地エピソード(後半)
  • 幼少期の出会い

と、要素を盛りすぎていて、
一つ一つが薄まってしまっている印象なんですよね。

1話の時点で、「あ、詰め込み型だな」と感じてしまって、
ちょっと身構えてしまいました。

⑥ヒロインが暗い

何人かの視聴者が共通して書いていたのが「ヒロインが暗い」という感想。

「なんかヒロインが暗いから全体的に暗い雰囲気になってるのが好みじゃないです、ヒロインは明るく元気なのが好きです」

引用:filmarks

という声もあって、これはかなり共感しました。

もちろん、緘黙症という設定上、明るくキャッキャしていたら逆におかしい、というのも分かります。

でも、ドラマとして見るとき、

  • 誰か一人でも光になるキャラが欲しい
  • 暗さの中にも、ユーモアや小さな希望が見えると救われる

というのが本音じゃないでしょうか。

それにチェ・スビンが好きな筆者はスビンちゃんの笑顔が観たかったのです。

『その電話が鳴るとき』の1話〜序盤は、

  • サオンはキメ顔&完璧主義
  • ヒジュは心を閉ざしていて暗い
  • 周りのキャラもそこまで明るくない

という構図で、視聴していてちょっと息苦しさを感じました。

「この空気のまま10話以上は、きついかも」と、そこでまた脱落しそうになります。

⑦ジャンルはなに?

視聴者コメントの中で、すごく的確だなと思ったのがこれです。

「面白いって好評だから見たけど2話で脱落
もうなんか何を見せられてるん?って感じだった(笑)」

引用:filmarks

あと、別の人は、

「ジャンルはサスペンスだと思っていたから初回からたまげた! あら? ラブコメなの?」

引用:filmarks

と書いていました。

この「ジャンルの迷子感」が、1話〜2話の一番のつまずきポイントかもしれません。

  • 予告編や紹介文では「サスペンスっぽく」見せている
  • 実際見ると、ラブコメ的な軽い会話も混ざる
  • でも、コメディに振り切るわけでもない
  • そこに政略結婚という重いテーマがのっかってくる

結果、視聴中の脳内で
「え、今どのモードで見ればいいの?」
と、判断が追いつかなくなるんですよね。

頭を空っぽにして楽しむには、サスペンス要素が中途半端でツッコミどころが多い。

逆に、じっくりサスペンスとして味わうには、ラブ展開が邪魔に感じる瞬間もある。

「頭空っぽにしても楽しめる要素が見つからない」

引用:filmarks

という感想は、本当にその通りだなと思いました。

『その電話が鳴るとき』どんなドラマ?

作品の基本情報はこちらです。↓

  • タイトル:その電話が鳴るとき(When The Phone Rings / 原題は配信情報に準拠)
  • 配信:Netflixオリジナルシリーズ
  • 主なキャスト
    • ペク・サオン役:ユ・ヨンソク
    • ホン・ヒジュ役:チェ・スビン

ユ・ヨンソクは『賢い医師生活』(tvN, 2020〜2021)で、外科医アン・ジョンウォンを演じて一気に人気が爆発した俳優ですよね。

チェ・スビンは『最強配達人』(KBS2, 2017)、『キツネ嫁星』(SBS, 2018)、『半分の半分〜声で繋がる恋〜』(tvN, 2020)などで知られている実力派。

今回は、「政略結婚」「仮面夫婦」「サスペンス」と「ラブ要素」が同時進行するタイプのドラマです。

と聞くと、「あ、好きなやつかも」とワクワクする人も多いと思うのですが1話から、なかなかクセが強いので注意してください。

最終回がひどい!

これは1話というより、視聴を続けた人の感想になりますが、後半になって出てくる「戦地に行く」という展開についても、

「戦地に行くのはかなり謎だけど。」
「戦地に行ったり最終回はよくわからんかった」

引用:filmarks

という声が数多く寄せられています。

1話時点で「このドラマ、ちゃんと着地できるのかな…」という不安を予感させるつくりになっているのも、脱落に拍車をかけた気がします。

最終的に、

「最終回迷走ドラマ大賞受賞‼️」
「ラストは大なんでやねんで横転。」
「最終なんでそうなる??という展開」

引用:filmarks

とまで言われるくらいなので、見る前から最終回の悪評だけ聞いている状態で1話を見ると、
どうしても「この投資、回収されるのかな?」と考えてしまいますよね。

それでもハマる人はどこにハマっているのか

ここまでかなり辛口で書いてきましたが、もちろん好意的な意見もあります。

「展開の速さに引き込まれ、久々みても面白かったです!」
「後半は胸キュンもふんだん。
キスシーンがなんかエロくて、だんだん退屈でなくなってくるかな。」
「ユヨンソクの演技、元々好きだけど、これもかなりよかった!この人、キスシーンが上手!」

引用:filmarks

こういう感想を見ると、

  • ユ・ヨンソク×チェ・スビンの政略結婚からの恋愛
  • 政略結婚→だんだん惹かれていく王道パターン
  • 中盤以降のメロ強めパート
  • 韓ドラあるあるを拾いながら、軽く楽しむ見方

ここにハマる人は、ちゃんと最後まで楽しめている印象でした。

逆に言えば、

  • 緻密なサスペンス
  • 一貫したトーン
  • 社会派的なリアリティ

を期待している人には、かなりしんどい作品だとも言えます。

「1話で離脱しそうな人」への正直なアドバイス

私自身の体感と、いろんな感想を読んだうえで、「1話でうーん」と思った人へのアドバイスとしては、こんな感じです。

  • ヒロインはこれから変わる
  • サオンのキメキメ感も気にならなくなる
  • ジャンルはロマンスなのでブレてない

一方で、

  • 政略結婚から恋愛に変わる過程がとにかく好き
  • ご都合主義でも、胸キュンがあればOK
  • ユ・ヨンソク&チェ・スビンの掛け合いが見たい

というタイプなら、「3話〜中盤までは頑張ってみる価値はある」と感じました。

実際、

「配信後すぐ6まで見たけど、そのあと『イカゲーム』とか『脱出おひとり島』を見てたら、もう興味がなくなってた」

引用:filmarks

という人もいて、「面白くない」というより、「優先順位で負けた」パターンも多いようです。

まとめ:私が離脱しかけたポイント整理

1話で離脱しそうになった理由を、あらためてまとめると…

  • 緘黙症ヒロインの描き方が設定のための道具っぽくて共感できない
  • ペク・サオンの演出・芝居が「キメキメ過ぎて感情移入しづらい」
  • 政略結婚・サスペンス・幼少期の出会い…と要素盛りすぎで浅く感じる
  • ヒロインが暗くて、ドラマ全体のトーンが重いわりに、抜け感やユーモアが弱い
  • 「何を見せたいのか」が1話時点で見えにくく、ジャンルが迷子
  • 最終回が迷走という前評判を知っていると、序盤から不信感が出てしまう

このあたりが重なって、「もうやめようかな…」という気持ちになりました。

もちろん、ドラマの好みは人それぞれですし、「そこがむしろツボだった」という人もいると思います。

ただ、同じように1話でつまずいている方には、「あなただけじゃないですよ」と伝えたいです。