韓国ドラマはどんなことがあっても主人公は死にません。

万が一命を落としてもタイムスリップや転生して生きのびます。

ただ、ときどき「ここまで痛めつけられたら死ぬやろ」と思わずつぶやきたくなるシーンがあります。

今回はそんな痛々しすぎる主人公が登場する3作品をピックアップ!

見ているこっちまで胸が締めつけられるような展開や、視聴者の間で話題になった衝撃シーンを振り返ります。

【韓国ドラマ】主人公が痛々しい3作!

①黒い太陽

MBC開局60周年を記念して制作された大作ドラマ「黒い太陽(검은 태양)」は、放送当時ブロックバスター級スパイスリラーとして多くの注目を集めました。

主演のナムグン・ミンが体重を10キロも減量しまるで別人のような身体になって挑んだ役作りが話題となりましたね。

彼の演技はまさに魂を削ったと表現しても大げさではないでしょう。

記憶を失った男の復讐劇

物語の中心人物は、国家情報院の伝説的エージェント、ハン・ジヒョク(ナムグン・ミン)

かつて「失敗しない男」と呼ばれていた伝説の彼は、任務中に裏切りに遭い、記憶と仲間を失います。

一年後、傷だらけの姿で戻ってきた彼は、自らを地獄に突き落とした裏切り者を追うために再び組織へ復帰。

しかし、復讐の道は決してシンプルではなく、信頼していた同僚さえも疑わなければならないほど、闇が深いのです。

視聴者が息を呑んだのは序盤です。

密入国船でのシーンはビビリにとっては直視できませんでした。

そしてそこから発見されたジヒョクが、拷問の痕を残した痛々しい姿で覚醒するシーンも辛い。

自らの意思で記憶喪失になったなんて信じられませんよね?

過去と現在が交錯するような編集と、彼の苦悶に満ちた表情が心に刺さります。

「これは人間の意志の物語なのか、それとも破壊の始まりなのか」そんな疑問すら湧くほどの緊張感が漂っていました。

支える者、疑う者――複雑に絡む登場人物たち

物語をさらに深くしているのが、国家情報院に属する他のキャラクターたちです。

  • ソ・スヨン(パク・ハソン):ジヒョクの同期であり、過去の事件を彼の責任と信じる冷静な分析官。正義感と葛藤の狭間でもがく姿が印象的です。
  • ユ・ジェイ(キム・ジウン):若き天才分析要員。彼女の繊細な感情表現が、無機質なスパイ組織の中に“人間らしさ”を生み出しています。
  • ト・ジンスク(チャン・ヨンナム):国家情報院初の女性次長で、ジヒョクを厳しくも見守る存在。冷徹な判断を下す彼女の姿には、国家の重責を背負う女性の強さを感じます。

それぞれの思惑が交錯する組織内で、誰が味方で誰が敵なのか、最後まで分からない構成がまた魅力的です。

ナムグン・ミンの「限界突破」演技

ナムグン・ミンの演技は、ただの「復讐劇」ではなく自己との戦いを描いていました。

無精ひげに鋭い眼光、傷跡だらけの体。その存在そのものが痛みを象徴しています。

彼が感情を爆発させる場面では、怒りよりも悲しさや悔しさが滲み出ていて、視聴者の胸を締めつけたことでしょう。

まさに、感情の奥に潜む「静かな怒り」が圧倒的でしたね。

②インサイダー

2022年にJTBCで放送された韓国ドラマ인사이더(インサイダー)。

主演は実力派俳優カン・ハヌル。彼が演じる司法修習生キム・ヨハンの「転落」と「再生」は、息をのむほど壮絶で、視聴者の心をえぐるような展開でした。

平均視聴率は3.04%と堅実な数字ですが、濃密なストーリー構成と演技派キャスト陣により、放送終了後も長く語り継がれる作品となりました。

主人公キム・ヨハン:奪われた人生を取り戻す男

カン・ハヌル演じるキム・ヨハンは、祖母を支えながら司法修習に励む青年です。

ところが、ある潜入捜査をきっかけにすべてが崩れ落ちます。

信じていた検事仲間に裏切られ、刑務所という地獄の底へ突き落とされるのです。

刑務所の過酷な環境の中、彼は「生き抜く術」を身につけていきます。

賭博の天才チャン・ソノ(カン・ヨンソク)との出会いを通じ、頭脳戦や心理戦の世界に足を踏み入れることになります。

権力と裏切りの渦 — 敵と味方の境界線

物語をより深くしているのは、個性豊かな脇役たちです。

ユン・ビョンウク検事(ホ・ソンテ)は、冷酷無比な権力者として、ヨハンの人生をさらに苦境へと導きます。

一方で、モク・ジンヒョン(キム・サンホ)は非主流の検事ながら、ヨハンを利用しようとする人物。

どちらも”正義”を装いながら自らの欲望に忠実で、このドラマが描く社会の腐敗構造を象徴しているようですね。

それぞれのキャラクターが持つ「信念」や「偽り」が、複雑に絡み合うのが인사이더の魅力でしょう。

視聴者が悲鳴を上げたシーンとは?

中でも多くの視聴者が声を上げたのは、ヨハンが刑務所で暴行を受け、血まみれになるシーン。

何度も何度も大勢の囚人から殴る蹴るの暴行を受けるヨハン。

その姿は「痛々しい」の一言に尽きますが、カン・ハヌルの魂のこもった演技と表情から鬼気迫るものを感じました。

彼は生き残るために我慢しているのか?

視聴者は「これはもしかしてわざと?上司はなぜ助けてくれないの?なぜやりかえして逃げないのかな?視聴者も騙す演出?」などの疑問がたくさん。

痛めつけられているシーンでは、完全にヨハンの心と同化していたように思います。

いつものはじけるような笑顔を一切封印したカンハヌルの本気が観れるドラマです。

③グッドボーイ

2025年JTBCで放送された韓国ドラマ굿보이(グッドボーイ)は、特別採用で警察になった元メダリストたちの奮闘を描く青春アクションドラマです。

全12話構成で、平均視聴率は6%。最終話では8.1%を記録し、見事な有終の美を飾りました。

物語は一見コミカルで軽快に進むかと思いきや、登場人物それぞれの“痛み”が次第に浮かび上がる展開に、視聴者の心を深く揺さぶります。

熱くも切ない主人公 ― ユン・ドンジュ(パク・ボゴム)

元ボクシング金メダリストで、今は“強力特殊チーム”の巡査として生きるユン・ドンジュ。

演じるパク・ボゴムが見せる、拳と心の衝突はまさに圧巻でしたね。

喧嘩に明け暮れた少年時代、母親の死、そして「名に恥じないように生きなさい」という母の遺言。

彼が放つ「空を見上げて生きたことがあるか?」という一言に、観る者の胸が締め付けられたでしょう。

ドーピング疑惑で栄光を奪われた過去を思い出しながら、独りで殴り書きするように拳を振るう場面。

涙をこらえる彼の姿が痛々しく、視聴者のSNSには「心が苦しい」「泣かずにいられなかった」という声が溢れました。

視聴者の悲鳴を呼んだ衝撃のシーン

多くのファンの記憶に残ったのは、第9話の路地裏での格闘シーンでしょう。

ドンジュがパンチドランクの症状に襲われ、意識が朦朧とする中での苦闘。

立ち上がるたびに視界が揺れる演出が切なさを倍増させました。

そんな状態のドンジュが警察官になり何度も格闘するシーンが続き、車に飛び込む場面まで登場します。

それでも死なないドンジュ。

その後も不思議なほどめちゃくちゃやられる。

視聴者はこれ以上頭を打たないでとハラハラしましす。

そんなドンジュの姿を通して、「人はなぜ正義を貫くのか」を問いかけていたのでしょうか?

痛みと希望が交錯するこのドラマが言いたいことは十分伝わりました。

だから、「パクボゴムをこれ以上ボコボコにしないでー」と言いたかったです。

まとめ

主人公が苦しむ姿を見るのはつらいけれど、だからこそ物語に引き込まれてしまうのが韓ドラの魅力です。

感情を揺さぶる名演技や怒涛の展開は、一度見始めたら止まらないはず。

気になる作品があったら、あなたも覚悟を決めてチェックしてみてください!