サスペンス

韓国ドラマ「サバイバー」とアメリカの「オリジナル」どう違う?

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アメリカ発のサスペンス巨編「Designated Survivor」。

世界の崩壊寸前の重厚な政治劇と思いきや、それをリメイクした韓国版「サバイバー:60日間の大統領」(tvN/2019)は、静かな熱血ドラマという真逆の方向でぶっ飛んでます。

今回はそんなドラマ「サバイバー」のアメリカオリジナル版と韓国リメイク版の違いを見て行きましょう。

韓国ドラマ「サバイバー」あらすじ

国会爆破というショッキングな事件で政治のトップたちが一掃され、残ったのは環境省長官という名の地味ポジションにいたパク・ムジン(チ・ジニ)。

政治経験ゼロ、ネクタイ締めるのも手慣れてないような理工系おじさん。

それなのに、突然「あなた、大統領代行です」と言われる。

え、今なんて?って感じですよね。

韓国の憲法上、大統領が死亡・辞任した場合、代行の任期は60日間と定められている。

つまり、任期限定リーダーとして激動の日々を送るわけです。

青瓦台のバックドアが閉まる瞬間、視聴者の心臓もギュッと掴まれます。

政治のリアルと人間の弱さ、希望、全部入りのカオス。

アメリカ版との違いがヤバい!同じサバイバーなのに中身が別物

アメリカ版はとにかくスピード勝負。

銃弾、陰謀、機密文書、FBI捜査、もう情報量が渋滞。

主人公トム・カークマン(キーファー・サザーランド)は、冷静沈着な理系大統領でありながら、アクション映画顔負けの動きっぷりを見せます。

一方、韓国版は「本当にこんな人いそう」感がすごい。

ムジンは、政治家というより「近所の科学教師」タイプ。

揉め事が大嫌いで、論理で物事を解決しようとするんですが。

相手が政治家なんで、数字も論理も通じない(笑)。

議員たちの間で「報道を制御すべきだ」と怒号が飛ぶ場面で、ムジンが静かに言うんです。

「国民は、真実を知る権利があります」。

いや、正論すぎる!そんなこと言っちゃって大丈夫?と思わずツッコミたくなる。

アメリカ版が権力ドラマだとすれば、韓国版は人間ドラマ。

焦点が国家から人に変わってます。

そこが、ただのリメイクで終わらない理由なのでしょうね。

話数がちがう!

アメリカ版ドラマ「Designated Survivor」は、全3シーズンで構成されています。

最初の2シーズンはテレビ局ABCで放送され、3シーズン目はNetflixが配信しました。

2019年6月に3シーズン目が配信され、その後シリーズは終了しています。

エピソード数は合計53話です。

一方、韓国リメイク版「サバイバー:60日間の大統領代行」はシーズン1のみで、全16話構成です。

2029年にtvNで放送され、Netflixでも配信されています。

監督や脚本は実際の政治取材をベースにしており、綿密な人間ドラマが展開されますが、現在のところ続編や追加シーズンは制作されていません。​

つまり、韓国版は1シーズン完結のドラマということです。

韓国リメイク版のキャスト紹介!

パク・ムジン(チ・ジニ)
元化学教授という珍しい経歴の政治家。

チ・ジニさんの演技、あまりにも自然すぎて、見ているこっちが呼吸を忘れるほど。

涙腺崩壊シーンでは「この人、演技じゃなくて本気で泣いてるのでは」と話題に。

オ・ヨンソク(イ・ジュンヒョク)
頭脳明晰だが野心家。冷静沈着で、その瞳の奥には次の椅子を狙う野望がチラチラ。イ・ジュンヒョクさんはこの役で一気に秀才悪役枠として定着。

ハン・ナギョン(カン・ハンナ)
テロ対策チームの分析官で、命知らずの現場主義者。どんな状況でも「証拠ひとつ、逃しませんから!」という表情(笑)。体を張ったアクションも多く、K-pop出身とは思えない熱演。

チェ・ガンヨン(ソン・ソック)
警護員。寡黙だけど、心は誰より熱い。
彼のほんの一瞬の笑みが視聴者を沈黙させるくらい破壊力。軍服似合いすぎ。

この4人を軸に、周辺キャラまで全員クセ強。誰かしら毎回「え、それ言う⁉」という爆弾発言を放つので気が抜けません。

キャストの比較についてはこちらのページで詳しく解説しています。

アメリカ版「サバイバー」と韓国版「サバイバー」比較表

比較項目アメリカ版「Designated Survivor」韓国版「サバイバー:60日間の大統領代行」
原題・放送年Designated Survivor(2016年〜)Designated Survivor: 60 Days(2019年・tvN)
シーズン3シーズン1シーズン
話数全53話全16話
主人公トム・カークマン(演:キーファー・サザーランド)パク・ムジン(演:チ・ジニ)
主人公の職業背景都市開発住宅長官(元建築家)環境部長官(元化学教授)
性格・人物像冷静沈着で知的、状況判断が早い理系リーダー論理派で誠実、争いを避ける「科学教師タイプ」
発端となる事件国会議事堂爆破テロ国会爆破テロ
テイスト政治スリラー、アクション主体ヒューマンドラマ、心理描写重視
物語の焦点国家と権力の維持、陰謀の追及人間の信頼・倫理・リーダーシップ
テンポ感1話に複数の事件展開、スピード重視感情と葛藤を丁寧に描くスロー展開
政治描写政府とFBIの連携、国家機密の駆け引き青瓦台の内部構造や秘書官の動きまでリアルに再現
主題危機下の国家再建と権力の責任社会の分断と信頼の再構築
美術・演出シネマ風カメラワーク、緊張感のある編集現実感重視のライティングとセット(青瓦台再現)
脇役構成CIA、FBI、報道官など国家組織中心秘書官、補佐官、警護員など人間関係中心
印象的なセリフ“The country needs to know the truth.”(自由の代償を問う)「国民は、真実を知る権利があります」
制作スタイルハリウッド式脚本、サスペンス構造重視実際の政治取材を取り入れた社会派脚本
カルチャー的特徴愛国心・正義・個人の使命感を強調倫理・責任・共同体意識を軸に展開
結末の方向性国家再建と個人の使命を描く代行から“真のリーダー”への成長物語
評価IMDb 7.5/10Netflixレビュー平均4.3(5点満点)
おすすめ視聴順アメリカ版→韓国版同左(内容の深化を感じられる)
見どころ緊迫した展開・陰謀ミステリー感情描写・人間ドラマの深み

韓国版ではアメリカ版の骨格を活かしつつも、「国家の危機より、人の心の危機」に焦点を当てる構成で、リメイクでありながら独自の社会的メッセージを持った作品に仕上がっています。

韓国版の視聴者評では「政治より人間模様に泣けた」「ムジンの誠実さに救われた」という声が多く、文化的な人間中心ドラマの強さが際立っています。

韓国版は政治がリアル

韓国版が異常にリアルなのは、監督と脚本チームが実際の政治取材をベースに物語を構築しているから。

特に青瓦台内部の動線や秘書官同士の会話は、ほぼドキュメンタリーだと言われています。

演説シーンのライティング、報道官室の配置、小物のペンまでが本物志向なのだとか。

制作スタッフいわく、「現実に見える政治ドラマ」を目指した(スポーツソウルより)。

そして、ムジンが苦悩する姿には、韓国社会が抱える信頼の欠如や世論の分断も投影されています。

SNS炎上や報道リークのリアルさは、生々しすぎて笑えないレベルなのだそうですよ。

でも、若い補佐官たちが理想を信じて奮闘する姿に、ほのかな希望が差し込みます。

テンポ感と結末の違い

アメリカ版は、爆破事件の黒幕を暴くだけでなく、国家を守るスリラー的展開。

テンポがとにかく速く、1話で3つの事件が動く勢い。

視聴者が置いていかれることもしばしば。

韓国版は真逆。

1話でじっくり人間描写。

誰が嘘をついているかという心理戦が一話ごとに丁寧に描かれていて、見終えるとまるで重厚な映画を観たような満足感。

最後のエピソードでは政治の枠を越え、人としてのリーダーシップが問われる。

涙を流すムジンに、多くの視聴者が「こんな上司だったら一生ついていく」とSNSでコメントしていました。

韓国版の裏話と制作エピソード

・チ・ジニさんは、ムジン役で「台本を読むたび震えた」と語っており(tvN広報インタビューより)、実際に登場シーンでは素の涙を流した場面が多い。

・撮影には実際の警護員出身スタッフが参加し、警備動作や敬礼の角度までリアルに再現。
・青瓦台のセットは総工費30億ウォン。CGとの合成で本物より本物と称された。
・脚本会議では、「これはドラマではなく、我々自身の国の物語」と何度も議論されたという。

制作陣の気迫が伝わるエピソードが多く、結果的に「社会的メッセージを持ったエンタメ作品」として評価されています。

よくある質問(FAQ)

Q1:韓国版とアメリカ版、どちらから観た方が楽しめる?
A1:アメリカ版→韓国版の順がオススメです。構成の違いが理解でき、韓国版のアレンジがより深く感じられます。逆に韓国版先行だと、アメリカ版がやや派手すぎて疲れるかも?

Q2:どちらが評価が高い?
A2:IMDb評価ではアメリカ版7.5点、韓国版はNetflixレビューで平均4.3点(5点満点)。数字以上に、韓国版の社会派リアリズムが強く支持されています。

Q3:どんな層におすすめ?
A3:政治に興味がなくても大丈夫。むしろ「人間観察が大好き」「理想と現実で悩んだことがある」人ならドハマりします。

Q4:実際に60日後はどうなるの?(ネタバレなしで!)
A4:言えるのはひとつ。ムジンは、ただの「代行」では終わらないということ。最後に心が温かくなります。

まとめ

アメリカ版がパワーで動くなら、韓国版は信念で動く。

リメイクというより、もはや別の思想・別の魂を持った作品です。

政治に疎い人でも、「人を動かすのは理屈よりも心」というメッセージがスッと胸に入る。

派手さではハリウッドに敵わないけど、静かな説得力では韓国版に軍配。

ただし、重いテーマと感情の濃さでちょっと疲れる瞬間もあります。

でも、その疲労感すら生きるリアル。

最後は「ムジン、大統領やって」「シーズン2希望!」と口走ってしまうほど、彼に惹かれてしまいますよ。

「サバイバー:60日間の大統領」結局、韓国らしくて、ちょっと泣けて、すごい作品です。

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