『暴君のシェフ』第1話から最終話までのあらすじを、エピソードごとの展開・名シーンを交えてまとめます。

視聴体験を追体験するような臨場感でお楽しみください。

第1話 — 時空を超えた運命の始まり

パリの三ツ星レストランでヘッドシェフを務めるヨン・ジヨン(ユナ)は、料理コンクール優勝直後。

皆既日食の日に飛行機の中で父に頼まれた朝鮮時代に書かれた本を読むと不思議な雷に包まれ朝鮮王朝時代へタイムスリップします。

王様と最悪な出会いを果たした後、宮廷厨房で見習いとして働くことに。

戸惑うジヨンは、王イ・ホン(イ・チェミン)の暴君ぶりにひるみつつも絶対嗅覚をもつ友ギルグム(ユン・ソア)と生き残ることを誓い合います。

「現代人の料理知識で王朝を救えるのか?」というワクワク感が炸裂。

第2話 — 王の信頼を料理で勝ち取れ

川辺でひと息ついていたジヨンとギルグムは、突然役人に捕えられ、地方官庁へ連行されてしまいます。

王宮へ送る選抜にかけられるも、ジヨンは咄嗟に年齢を偽り、選外として厨房要員に回されることに。

煤けた厨房、欠けた刃物、硬い肉、絶望的な環境の中で、ジヨンは仲間の女性たちを救うため「料理で客を唸らせれば全員を解放して」と条件を提示。

火力ではなく温度×時間×封入に注目した理論的な調理法を即興で組み立てます。

香りと食感を計算し尽くした料理が完成し、饗応の場に並びますが、来賓の父子はわざと難癖をつけて侮辱。

ついには処刑が言い渡されてしまいます。

その刹那、王イ・ホンが現れ、ジヨンの皿を一口食べて「粉の理」を見抜きます。

料理の理を正しく理解した王の判断で刑は撤回され、ジヨンたちは救われることに。

けれど王のまなざしは冷たく、ジヨンは再び宮中へと護送されることに。

夜の護送車で、彼女の頭にはもう次の一皿の設計図が描かれ始めていました。

暴君と異才のシェフ、二人の因縁が再び動き出します。

第3話 — 運命の料理バトル1:厨房の下剋上

ジヨンとギルグムは「特別居所」と呼ばれる宮中の隠し牢に閉じ込められていましたが、王の仕掛けた見世物によって再び試されることになります。

王はギルグムを脅してジヨンに料理を命じ、彼女は水刺間(スラッカン)で王の狩りの獲物だった鹿を使い、三皿の即興料理を作り上げます。

その味は王の記憶を揺さぶり、彼女は大令熟手(テリョンスクス/王の専属料理長)に任命されます。

しかし「同じ料理は二度と出すな、口に合わなければ斬る」という苛酷な条件が課せられ、さらにモクジュが大王大妃(テワンテビ)を巻き込み料理対決を提案。

緊張が高まる中、ジヨンは冷静に厨房をまとめ、「王の膳を支えるのは皆の責任」と仲間を奮い立たせます。

夜、彼女は命懸けの勝負を前に、次の料理の構想を静かに思い描くのでした。

第4話 — 「みそパスタ」と涙の記憶

宮廷ではカン・モクジュ(カン・ハンナ)の入れ知恵でインジュ大王大妃(ソ・イスク)に食事を出すことに。

水剌間の先任熟手2人と料理バトルをして負けたら腕を切り落とされることになってしまいました。

味噌と豆腐を使って「孝」をテーマにチゲを作りインジュ大王大妃に差し上げたところ。

対決途中、実は本当に求めていたのは亡き母の味シジミ味噌汁だと察し、急遽メニュー変更。

インジュ大王大妃は母親が作ってくれたチゲの味だと涙を流して喜ばれました。

もちろん優勝はジヨンです。

他の料理人からの妨害にもめげず、真心と言葉で厨房メンバーと和解したように見えましたが、実際にはわかりません。

終盤、酔った王がジヨンにくちづけを。

第5話 — 新たな敵、政争と陰謀

第5話では、「女と思ってない」と言い張るイ・ホン王(이헌)とヨン・ジヨン(연지영)の間に、少しずつ想いが芽生えていきます。

イ・ホンが食事を摂らなかったあいだ、互いに寂しさを感じはじめ、前夜の口づけをきっかけに気まずい空気が流れます。

戸惑う王は宦官イム・ソンジェ(임성재)に相談し、贈り物で気持ちを伝えようとします。

そのころ、王命で動いていた家臣が姿を消し、宮中には不穏な影が落ちるのですが。

そんな中、ジヨンは王の体を気づかい、鶏のスープを用意します。

イ・ホンがそれを口にすると、表情が次第に柔らかくなり、言葉はなくても二人の距離が静かに縮まっていきます。

一方で、淑媛カン・モクジュ(강목주)は料理対決を仕掛け、緊張感のある試膳の場が描かれます。

食を通じて二人が心を通わせていく過程が、温かな余韻とともに描かれた回です。

第6話 — ロマンスの目覚めと“味”の追求

明の使節ウゴンが朝鮮にやってきて、「朝貢の条件」として料理競演を正式に提案します。

彼に同行する熟練料理人たちは宮中の水刺間を占拠し、まさに宣戦布告のように緊張が走ります。

王イ・ホンはヨン・ジヨンに「帰りたいなら勝て」と挑発しつつも、少しずつ距離を縮めるような優しさを見せます。

迷いながらもジヨンは対決に向けて動き始め、黒ごまマカロンを披露して明の一行を驚かせます。

これが本格的な料理競演の幕開けとなります。

競演を前に、ジヨンは唐辛子を乾燥させて粉にする秘策を立て、仲間と準備を進めます。

王と庶民に変装して市場へ出かけ、材料を集める途中、王は彼女の見つめた蝶のノリゲを密かに購入し、花の靴や絹までも手に入れます。

ジヨンはアヤメを王に渡し、ふたりの間に静かな温もりが生まれます。

一方で、現代に戻る鍵と信じる古書「望雲録」は依然として行方不明。

王は探すことを誓い、私情と国の命運が同じ卓に並び始めます。

終盤では、料理競演のルールが明らかになり、第1ラウンドから第3ラウンドまで続く熾烈な勝負の舞台が整います。

第7話 — 国運と命を賭けた料理バトル1部

料理競演の本番を前に、ヨン・ジヨンは明との素材差を埋めるため、圧力と温度を細かく制御できる特別な鍋が必要だと気づきます。

宮中では用意が難しく、王イ・ホンの黙認のもと宮外へ向かった彼女が訪ねたのは、伝説の発明家チャン・ヨンシルの流れをくむと噂される職人チャン・チュンセンの工房でした。

彼に製作を頼むものの、頑なに拒まれてしまいます。

雨が降り出す中、ジヨンは彼の故郷・釜山の名物東莱パジョンを軒先で焼き、その香りと記憶で心を解きほぐします。

チュンセンはその味に感動し、ついに鍋づくりへ協力を約束します。

一方、宮中では済山大君が王の不在を狙って陰謀を進め、ジヨンを襲う刺客まで差し向けます。

しかし、密かに護衛していた王と近衛によって彼女は救われます。

暗雲立ちこめる中、鍋の試作は失敗を重ねながらも改良が続けられ、ついに理想の一品へ。

雨の夜、競演の開幕を告げ、王とジヨンは再会を果たします。

「勝て。勝てば《望雲録》を探す」と告げる王にジヨンは静かに頷き逆転を狙う本戦が、いよいよ始まります。

第8話 - 国運と命を賭けた料理バトル2部

『暴君のシェフ』は、朝鮮と明の料理対決を舞台にした緊迫したドラマです。

主人公のヨン・ジヨンは、競演会場でコチュジャンとコチュカル(唐辛子粉)が消えていることに気づきます。

調味料がない状況でも、彼女はあきらめず、米酒を軸にした肉の煮込み「ブルギニョン」にプランを切り替えます。

香味野菜と香辛料を最小限に抑え、短時間で旨味を引き出す工夫を重ねます。

ラウンド1のテーマは「この世にない肉料理」。

朝鮮側は米酒ブルギニョンで「未見」を示し、明側は辣油をふんだんに使った鶏料理で辛さ・香り・油の三拍子をアピールします。

審査員の前で両軍の料理が並ぶと、ジヨンは明側の辣油に違和感を覚え、自家製コチュカルが混ざっていると見抜きます。

会場は騒然となり、政治的な火花も散りますが、王は「引き分け」と裁定。

三戦すべてが引き分けなら明の勝利という厳しい条件も提示されます。

休憩後、ラウンド2は「相手国の料理」。

ジヨンは北京ダックに挑戦しますが、前夜の負傷が残り、皮の張りや乾燥に苦戦します。

仲間たちが協力し、皮・身・ソース・薄餅の完成形を目指します。

一方、明側は朝鮮の汁物で点差を広げようとします。

審査の直前、明側の辣油の瓶をめぐる口論が再燃し、会場は緊張で満ちます。

採点は次回へ持ち越され、ジヨンたちは調味料消失の謎を追います。

ジヨンは仲間を励まし、王は「引き分けが3回続いた場合は朝鮮の負けと認める」と改めて告げます。

政治的な駆け引きも進み、ジヨンは包帯を巻き直し、最終ラウンドに向けた準備を進めます。

物語は、朝鮮側の工夫と明側の物量のせめぎ合いを描きながら、勝敗の行方を次回に託して幕を閉じます。

第9話 — 国運と命を賭けた料理バトル3部

王イ・ホンの前で行われた朝鮮と明の料理対決は、最終ラウンドまでもつれ込みます。

緊張が張りつめる中、料理人ヨン・ジヨンは特注の加圧鍋を持ち込み、高麗人参を使ったテーマに烏骨鶏湯(オゴルゲタン)で挑みます。

圧力と温度を緻密に操り、丁寧に仕上げたスープは澄み渡り、香り高い一品に。

ついに審級の筆は朝鮮側へと傾き、見事な勝利をおさめます。

しかし歓声も束の間、会場に「真明大君が毒に倒れた」との報が走り、ジヨンに疑いの目が向けられます。

王は冷静を装いながらも、真相を探るため密かに動き始めます。

一方で慈賢大妃の圧力により、ジヨンの投獄が性急に決定。

仲間たちは証言や記録を洗い直し、冤罪を仕組んだ影の存在に迫っていきます。

獄中でなお料理の工程を思い描くジヨンの姿は、誠意と信念を象徴するかのようです。

王もまた権力の闇に抗い、救出の道を探る。

「暴君のシェフ」は、一皿の料理が王国の運命を動かす、壮大で切ない人間ドラマです。

第10話 — 本当の愛、本当の味

王宮の厨房・水刺間で起きた毒混入事件の真相をめぐって、王イ・ホンと料理人ヨン・ジヨンの奮闘が続きます。

投獄されたジヨンの無実を信じたイ・ホンは、倉庫の出入り記録や調味料の封印まで調べ上げ、隠された証拠を丁寧に追っていきます。

一時釈放されたジヨンは王と再び手を組み、毒ではなく薬材と食材の組み合わせが症状を悪化させた可能性に気づきます。

宮中の緊迫した空気のなか、彼女は体を癒す朝鮮式の回復膳を整え、料理が治療の一部になりうることを証明します。

再調査で唐辛子粉の不正使用をめぐる新たな疑惑が浮上し、ジヨンが潔白であることが明らかに。

王は決して真実から目を背けず、彼女の名誉を取り戻すまで戦い抜きます。

やがて冤罪が晴れたジヨンは水刺間に復帰し、仲間たちと改革に取り組みます。

静かな夜、温室で再会したふたり。

王は「ここに残れ」と素直な想いを伝え、ジヨンは自分の心と向き合います。

温かいブロスの湯気の向こうに、ふたりの新たな未来が少しずつ形を見せ始めます。

第11話 — すべてをかけた最後の料理

宮中の深夜、水刺間(スラッカン)の戸締り確認の途中で、ささいな齟齬が見つかります。

倉庫の鍵札は返却済みなのに、帳簿の署名が前の当番のまま。

王イ・ホンはただちに城門を封鎖し、動線を洗い直すよう命じます。

証拠を一つひとつ検証した王は、偽の搬出計画が仕組まれていたことを見抜き、犯人が人気のない谷間の小屋へと逃れたと推定します。

一方、失踪したジヨンは小屋の中でわずかな食材を使い、静かに状況を見極めていました。

火や器の音、見張りの足音から外の動きを読み取り、清湯(チョンタン)を整えながら脱出の機をうかがいます。

彼女にとって料理は生きるための知恵であり交渉の手段でした。

夜が更け、王は流血を避けるため、静かな作戦で救出を指揮します。

小石が水に落ちる音で合図を交わし、ジヨンの器の音と呼応して突入。

無事に彼女を救い出すことに成功します。

現場には偽印の木札や香の匂いが残り、黒幕の存在を示していました。

王は怒りを抑え、「理で治める」という信念を再び胸に刻みます。

ジヨンの「火と水と塩があれば立て直せます」という言葉が、その夜の静かな余韻となって響くのでした。

最終話(第12話) — 愛と未来、そして帰還

王宮を包む夜明け前の混乱。

反乱ののろしが上がり、王イ・ホンは味方を失いながらも冷静に戦略を練ります。

そんな中、宮廷料理人のヨン・ジヨンは、大切な設計書「還世飯(ファンセバン)」を取り戻し、仲間とともに王のための最後の膳を準備します。

その膳は、人の心と理を取り戻すための特別な料理。

香り、熱、味の順に心を鎮め、真実を導くための段取りが込められていました。

反逆者・済山大君の陰謀が暴かれ、王は刃ではなく手続きで王宮を取り戻します。

しかし、最後の瞬間、王を守るためにジヨンが身を投げ出します。

光のなかへと消えていくジヨン。

一枚の紙がイ・ホンの元に舞い降りてきました。

時は流れ、現代。

厨房で働くジヨンのもとに、一人の男性が現れます。

なんとその男性はイ・ホンでした。

笑顔が重なり、時を超えて約束の卓が再び整うのです。

まとめ

『暴君のシェフ』は、フレンチと宮廷料理が織りなす絶品グルメエンターテインメントであり、王とシェフの心模様が静かに胸を打つ人生ドラマでした。

最終話まで一気に駆け抜ける疾走感、包丁さばきと愛のさじ加減にハラハラ、じんわりさせられっぱなし!

料理一皿で運命を切り開いていくジヨンさんの強さ、暴君王が見せるギャップ、そして美しい映像と歴史ロマンも魅力でしたね。

ドラマの世界にどっぷり浸って、次はどんな料理で感動させてくれるのか…と期待せずにはいられません。

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