Netflixの韓国ドラマは、1話を観た瞬間に「これはおもしろそう」と期待したのに、中盤で急に手が止まることがあります。

話がなかなか進まなかったり、最初とは違う方向へ進んだりすると、「なんでこのドラマを観てるんだろう」って我に返ってしまうんですよね。

そこで今回は、何度も離脱しかけながら、なんとか最後まで観た韓国ドラマをランキングにしました。

あくまでも個人の感想として、気楽に読んでもらえたら嬉しいです。

第10位 『ヒーローではないけれど』

『ヒーローではないけれど』は、不眠症やうつ病、過食症などによって超能力を失った家族を描いたファンタジーロマンスです。

幸せだった過去へ戻れるポク・ギジュ(チャン・ギヨン)も、妻を亡くしてから笑顔を失い、能力を使えなくなっていました。

そんなポク家に近づいてきたのが、謎の女性ト・ダヘ(チョン・ウヒ)です。

超能力を失った家族と、ある目的を隠して近づくダヘ。

「ヒロインなのに悪役?」と気になり、序盤は先が読めませんでした。

超能力者といっても、空を飛び回って悪者を倒すようなシーンは皆無で、全員が悩みを抱え、家の中はいつもどんより。

かっこいいチャンギヨンは前髪で顔が隠れてダサダサ。

この少し変わった設定はおもしろかったです。

しかし、中盤に入っても雰囲気がずっと暗いまま。

ギジュが過去へ戻る場面も似たような展開が続き、物語がなかなか前へ進みません。

ダヘの嘘が明らかになっても、驚くというより「まだ引っ張るの?」という気持ちになりました。

さらに、ギジュとダヘは、お互いに惹かれているのは伝わるものの、ダヘが本気なのか、詐欺のために演じているのかが長く曖昧なまま。

ロマンスを楽しみにしていたのに、がっかりです。

しかし、ギジュの娘イナ(パク・ソイ)の孤独や、親子関係が少しずつ変わっていくところはよかったです。

傷ついた家族が立ち直っていく物語として観れば、評価が変わるのかもしれません。

ただ、そこへたどり着くまでが長い。

全12話なのに、体感は20話でした。

第9位 『京城クリーチャー シーズン2』

『京城クリーチャー シーズン2』は、シーズン1から78年後となる2024年のソウルが舞台です。

ユン・チェオク(ハン・ソヒ)は年を取らないまま現代を生き、チャン・テサン(パク・ソジュン)とそっくりなチャン・ホジェと出会います。

「なぜテサンではなく、ホジェと名乗っているんだろう?」

「チェオクは78年間も生きてきたってどういうこと?」

シーズン1のラストから気になることばかりだったので、再会した瞬間は一気に引き込まれました。

ところが、舞台が現代に変わったことで、前作のよさまで消えてしまったように感じます。

シーズン1は、日本統治下の京城という重い時代背景と人体実験の恐ろしさが重なりました。

シーズン2になると、黒い服を着た謎の集団が現れ、超人的な速さで走り、壁を蹴りながら戦います。

「あれ、こんなドラマだった?」

怪物の恐怖より、人間同士のアクションが中心になり、急に別の作品を観ているような気分になりました。

さらに、ホジェの正体や失った記憶、ナジンを使った実験、秘密組織の目的など、新しい謎が次々と出てきます。

しかし、説明は後回し。

登場人物だけが事情を知っているような会話も多く、視聴者はずっと置いてきぼりです。

全7話しかないのに、中盤まで混乱状態。

待ちに待ったテサンとチェオクの物語でしたが、2人が落ち着いて話す時間もほとんどありません。

せっかく78年ぶりに再会したのだから、もう少し切ないシーンを見せて欲しかったです。

ただ、パク・ソジュンとハン・ソヒのアクションは迫力があり、映像も映画のように豪華でした。

特に、チェオクが長い年月をひとりで生きてきた孤独をハン・ソヒはとても上手に演じています。

第8位 『力の強い女 カン・ナムスン』

『力の強い女 カン・ナムスン』は、生まれつき怪力を持つカン・ナムスン(イ・ユミ)が、実の家族を捜すためにモンゴルから韓国へやって来るファンタジーコメディです。

ナムスンだけではなく、母親のファン・グムジュ(キム・ジョンウン)と祖母のキル・ジュンガン(キム・ヘスク)も怪力の持ち主。

母娘3代がそろえば、最強です。

ナムスンが飛行機を素手で止めようとする場面を見たときは、その豪快さに笑ってしまいました。

深く考えたら負けです。

序盤は、生き別れた母親との再会や、ナムスンの力を使った派手なアクションが続き、明るい気持ちで楽しめました。

『力の強い女 ト・ボンスン』のト・ボンスン(パク・ボヨン)とアン・ミンヒョク(パク・ヒョンシク)が登場した場面も最高!

ところが、中盤から新型麻薬を追う犯罪捜査、母グムジュと詐欺師ブレッド・ソンの駆け引き、祖母ジュンガンの恋愛、偽ナムスンの騒動など何のドラマを観ていたのかわからなくなりました。

母親や祖母の話が長くてナムスンが出てきません。

特に祖母の恋愛は、想像していた以上にたっぷり。

元気に恋をする姿は素敵ですが、そろそろナムスンの話に戻ってほしいと思ってしまいました。

その一方で、ナムスンと刑事カン・ヒシク(オン・ソンウ)の恋はあっさり進みます。

2人のやり取りはかわいいものの、恋に落ちていく過程が薄く、気づいたらカップルになっていたという印象でした。

それよりも気になったのが、悪役リュ・シオ(ピョン・ウソク)です。

シオは冷酷な犯罪者ですが、幼い頃から孤独を抱えて生きてきました。

ナムスンにだけは少しずつ心を開き、信じようとします。

中盤からは、ナムスンとヒシクの恋よりも、シオがどうなるのかが気になっていました。

明るい怪力コメディと重い麻薬事件も、最後までうまくなじみません。

楽しくふざけていた直後に人が倒れ、命の危険にさらされます。

急に緊張感がでてきて、何度も離脱しかけました。

登場人物とエピソードを詰め込みすぎたことで、ナムスン自身の魅力が薄くなってしまったのも残念です。

母娘3代の怪力という設定は楽しいのに、物語まで力任せ。

それでも、ナムスンを演じたイ・ユミの明るさには元気をもらえます。

ピョン・ウソクも、孤独で危うい悪役リュ・シオを魅力的に演じていました。

個性の強い女性たちが、悪者を豪快に吹き飛ばす姿は爽快です。

深刻になりすぎないファンタジーコメディとして観れば、気楽に楽しめる作品だと思います。

第7位 『殺人者のパラドックス』

『殺人者のパラドックス』は、平凡な大学生イ・タン(チェ・ウシク)が、偶然人を殺してしまうところから始まる犯罪サスペンスです。

コンビニのアルバイトを終えたイ・タンは、帰宅途中に客と口論になり、衝動的に殺してしまいます。

ところが、殺された男は過去に何人もの命を奪っていた犯罪者でした。

しかも、現場に残っていたはずの証拠は偶然が重なって消えていきます。

罪悪感で震えるイ・タンと、少しずつ彼を追い詰めていく刑事チャン・ナンガム(ソン・ソック)。

序盤は、この2人の静かな駆け引きから目が離せませんでした。

イ・タンが殺した相手は、本当に罰を受けるべき悪人ばかりなのか。

悪人を殺した人間は、正義の味方なのか、それとも殺人者なのか。

単純に善悪を決められないところもおもしろかったです。

ところが、中盤からノ・ビン(キム・ヨハン)やソン・チョン(イ・ヒジュン)が本格的に登場すると、話の雰囲気が大きく変わります。

特にソン・チョンが出てきてからは、ほぼ彼のドラマです。

イ・タンはどこへ行ったの?

平凡な青年が殺人に手を染め、追い詰められていく緊張感がおもしろかったのに、主人公の存在がどんどん薄くなっていきました。

代わりに描かれるのは、ソン・チョンとナンガムの父親との過去です。

因縁があることはわかります。

しかし、終盤になって急に別の人物の過去をたっぷり見せられても、なかなか気持ちがついていきません。

最初に気になっていたのは「イ・タンは捕まるのか」という話だったはず。

それがいつの間にか、元刑事と現役刑事の決着を見守るドラマになっていました。

映像の見せ方にもクセがあります。

現在と過去、現実と想像が説明なく切り替わるため、一瞬目を離すと話がわからなくなります。

何度か巻き戻して確認しましたが、確認してもよくわからない場面があって、全8話なので気軽に観られると思ったのに、後半は体感時間が急に長くなります。

殺人場面も生々しく、食事をしながら観るドラマではなく、何度も離脱しかけました。

それでも、頼りなさそうな青年が少しずつ変わっていく姿を見せたチェ・ウシクの演技は見事でした。

何を考えているのかわからないソン・ソックの刑事役もよく、黙って相手を見るだけで緊張感があります。

独特な編集や映像もすばらしくて、少し変わった犯罪サスペンスを観たいときには印象に残る作品です。

※序盤、ちょっとエロいシーンがあるので注意して下さい。

第6位 『不可殺-永遠を生きる者-』

『不可殺-永遠を生きる者-』は、人間の血を吸い、殺すことも死ぬこともできない怪物「不可殺(プルガサル)」をめぐるダークファンタジーです。

主人公タン・ファル(イ・ジヌク)は、600年前に家族を殺され、自分の魂まで奪われて不可殺になってしまいます。

再び人間に戻るため、ファルは600年もの間、自分から魂を奪った女性を捜し続けていました。

600年も恨み続けられる執念にも驚きます。

序盤の時代劇パートは映像に重みがあり、怪物に襲われる場面も不気味です。

ファルの家族が命を奪われる場面はつらく、なぜ彼だけが不可殺になったのかも気になりました。

物語が現代へ移ると、ファルはミン・サンウン(クォン・ナラ)と出会います。

サンウンは何度も生まれ変わってきた女性ですが、過去の記憶をほとんど覚えていません。

ファルはサンウンが家族を殺した不可殺だと信じ、復讐しようとします。

ところが、サンウンは「私は知らない」、ファルは「お前が不可殺だった」と言うばかり。

このやり取りが何度も続きます。

そろそろ誰か、600年前のことをきちんと説明して。

中盤になると、過去にファルが倒した怪物たちまで人間に生まれ変わり、次々とサンウンを襲います。

毎回違う怪物が現れるのかと思ったら、見た目はほぼ普通の人間です。

首に穴があったり、水を怖がったりと特徴はあるものの、怪物ドラマとしては少し地味でした。

さらに、ファルとサンウンの関係、双子の姉に託された秘密、もう一人の不可殺オク・ウルテ(イ・ジュン)の正体まで、謎が増え続けます。

答えが出そうになると、また過去の回想へ。

少しわかったと思ったら、「実は違いました」とひっくり返されます。

最初に不可殺だったのは誰で、なぜ全員が600年前からつながっているのかわかりません。

ドラマ全体の雰囲気もずっと暗く、ファルは無表情で、サンウンは泣いている。

ウルテは血まみれ。

1話観ただけで、600年分の疲れを感じました。

全16話あるため、中盤は同じ謎を引っ張っているように見え、何度も離脱しかけました。

復讐の話だったはずが、いつの間にか愛や執着、前世から続く因縁まで重なり、かなり複雑です。

それでも、最後まで観ると、序盤から張られていた伏線が少しずつつながります。

冷酷に見えたファルが、サンウンや家族のように暮らす仲間たちを守ろうとする姿には温かさがあって、よかったです。

そして、最も印象に残ったのはオク・ウルテを演じたイ・ジュンです。

恐ろしいけれど、どこか寂しそうで、悪役なのに目が離せません。

重く切ないファンタジーが好きなら、600年続く因縁の行方をじっくり楽しめる作品です。

第5位 『恋するムービー』

『恋するムービー』は、映画が大好きなコ・ギョム(チェ・ウシク)と、映画監督を目指すキム・ムビ(パク・ボヨン)の恋を描いたラブストーリーです。

映画の撮影現場で出会ったギョムは、「ムビ」という名前を聞いただけで彼女に興味津々。

ムビが迷惑そうにしていても、まったく気にせず話しかけます。

最初はうっとうしい。

それなのに、いつの間にかかわいく見えてくるのがチェ・ウシクのうまいところなんですよねー。

何度も気持ちを伝えるギョムに、ムビも少しずつ心を開いていきます。

ようやく2人の恋が始まると思った直後、ギョムは何も言わずに姿を消しました。

そして5年後。

映画評論家になったギョムと、映画監督になったムビは再会します。

しかも、ギョムが引っ越してきたのはムビの家の隣。

これは再会ロマンスが一気に動きだすと思いますよね。

ところが、なかなか動きません。

ムビは突然消えたギョムを許せず、ギョムは事情を説明せずに笑っています。

なぜ姿を消したのか、ひと言話せば済むことなのに、ずっと黙ったまま。

5年間も放置されたムビが怒るのは当然です。

それなのにギョムは、何事もなかったように隣の家からかわいい顔を出してきます。

中盤は2人が近づきそうで近づかず、似たような会話が続き、大きな事件が起こるわけでもなく、静かな日常と映画の話が中心。

映像はきれいで、音楽もおしゃれ。

チェ・ウシクとパク・ボヨンもかわいいのですが、眠気を誘います。

タイトルは明るいラブコメっぽいのに、実際は落ち着いたヒューマンドラマ。

ギョムが抱えている兄コ・ジュン(キム・ジェウク)への思いや、ムビと父親の関係など、家族の傷も描かれ、思っていたよりも重い話が続きます。

もう一組のカップル、ホン・シジュン(イ・ジュニョン)とソン・ジュア(チョン・ソニ)もすでに別れた元恋人同士です。

ジュアが2人の恋を映画の脚本にし、シジュンがその作品の音楽を担当することになります。

忘れたいのか、やり直したいのかわかりません。

会えば言い合いになり、離れると未練たっぷり。

こちらの恋も、なかなか前にすすまないのでちょっとイライラします。

メインカップルは再会して止まり、サブカップルは別れた場所から動かない。

全員、その場で足踏み。

映画を愛する若者たちの話で面白そうだったのに、中盤は何度も離脱しかけました。

それでも、後半になるとギョムが抱えていた事情が見え始め、明るく振る舞っていた理由にも納得できます。

チェ・ウシクとパク・ボヨンの自然な空気も心地よく、2人が並んで映画を観る場面には温かさがありました。

傷を抱えた人たちが少しずつ立ち直る姿を見守りたい方に合う作品です。

第4位 『トランク』

『トランク』は、期間限定の結婚サービスによって出会った男女と、湖から引き揚げられた謎のトランクをめぐるミステリーロマンスです。

音楽プロデューサーのハン・ジョンウォン(コン・ユ)は、別れた妻イ・ソヨン(チョン・ユナ)への未練を断ち切れず、眠れない日々を送っていました。

そんなジョンウォンのもとへ、契約結婚の相手としてノ・インジ(ソ・ヒョンジン)がやって来ます。

契約期間は1年。

インジにとっては5回目の結婚です。

なかなか強烈な設定ですよね。

しかも、ジョンウォンとインジの結婚を申し込んだのは、元妻のソヨンでした。

別れた夫に新しい妻を送り込むなんて、何がしたいのでしょうか?

序盤は、ソヨンの目的や秘密の結婚サービス「NM」の正体が気になり、面白かったです。

湖に浮かぶトランクの中には何が入っていたのかも気になりました。

ところが、肝心の話がほとんど進まないのです。

現在の事件から5カ月前へ戻り、さらにインジやジョンウォンの過去へ移ります。

説明のないまま時間が行ったり来たりするため、今がいつなのかわからなくなりました。

全8話なのに、何度迷子になったことか。

セリフも少なく、登場人物は肝心なことをなかなか話しません。

ジョンウォンは元妻に振り回されているのに離れられず、インジも過去の傷を抱えたまま感情を隠しています。

2人が静かに食事をして、静かに見つめ合う。

大人のロマンスというより、大人2人の長い沈黙を見守っている時間でした。

ジョンウォンの豪邸も暗く、照明まで不穏です。

誰もいない部屋に大きなシャンデリアがぶら下がり、家全体が住人を監視しているように見えます。

おしゃれですが、落ち着かない。

コン・ユが出ているのに、活気がないというかなんというか。

元妻ソヨンの行動も、理解に苦しみます。

ジョンウォンを傷つけたいのか、それとも自分だけを見てほしいのか。

愛情というより支配に見えました。

ジョンウォンも嫌なら断ればいいのに、ソヨンの言うとおりに契約結婚を始めます。

大人が3人もいるのに、全員が話し合いを避けています。

そして、タイトルにもなっているトランク。

最初から大きな謎として登場するため、どれほど驚く秘密が隠されているのかと思いました。

しかし、中盤になってもトランクの出番は少なめです。

トランク、どこへ行った?

契約結婚の話と元妻の執着が中心になり、事件の謎は忘れた頃に少しだけ進みます。

ミステリーを期待すると遅く、ロマンスを期待すると暗い。

何を楽しめばいいのかわからず、何度も離脱しかけました。

それでも、ジョンウォンとインジが一緒に暮らすうちに、少しずつ心を許していく過程は丁寧です。

コン・ユの疲れ切った表情と、ソ・ヒョンジンの静かな演技にも引き込まれました。

2人の視線から寂しさや優しさが伝わってきます。

第3位 『魔法のランプにお願い』

『魔法のランプにお願い』は、1000年ぶりに目覚めた精霊ジーニー(キム・ウビン)と、感情をほとんど表に出さない女性キ・ガヨン(スジ)のファンタジーラブコメです。

ガヨンが偶然ランプをこすると、中からジーニーが登場。

3つの願いをかなえると告げます。

ここまでは「アラジン」のような楽しい物語を想像しますよね。

ところが、このジーニーは優しく願いをかなえてくれる精霊ではありません。

人間は欲望に負ける愚かな存在だと考え、願いを使ってガヨンの心を試そうとします。

一方のガヨンも、普通のヒロインとは違って、他人の気持ちがわからず、幼い頃から祖母に教わったルールを守ることで、どうにか社会になじんできました。

『むやみに切なく』以来、約9年ぶりとなるキム・ウビンとスジの共演にも期待が高まります。

序盤は、豪華な衣装で現れるジーニーと、まったく動じないガヨンのやり取りがおもしろく、テンポよく観られました。

キム・ウビンが大まじめな顔でふざける姿も楽しいです。

しかし、中盤から神話や宗教に関する設定が一気に増えていきます。

ジーニーの過去、ガヨンとの前世からの関係、天使との対立、人間の欲望をめぐる賭け。

さらに、周囲の人物が願いを使ったことで起こる騒動まで重なって、設定の多さにおなか一杯。

しかも、登場人物たちは神話のルールを知っている前提で話を進めるため、こちらは、まだランプの仕組みすら理解できていません。

ジーニーにできることと、できないことも回によって違うように見えて、何度も説明が入るのですが、聞けば聞くほどわからなくなりました。

明るいラブコメだったはずが、突然人間の死や善悪をめぐる重い話になるのも気になります。

楽しく笑っていた直後に誰かのつらい過去が始まり、今度は前世へ移動。

感情をどこに置けばいいのか迷いました。

ジーニーとガヨンの恋も、なかなか進みません。

2人は言い合いをしながら距離を縮めていきますが、人間と精霊なので当然すんなりとは結ばれるわけもなく、そこへ過去から続く因縁まで加わり、話がさらに複雑になります。

それでも、キム・ウビンとスジはやはり華があって、自由で派手なジーニーと、感情を抑えて生きるガヨンの正反対な関係も魅力的でした。

物語が進むにつれて、ガヨンの中に少しずつ変化が生まれ、ジーニーも人間への見方を変えていきます。

第2位 『星がウワサするから』

『星がウワサするから』は、宇宙ステーションを訪れた産婦人科医コン・リョン(イ・ミンホ)と、船長イブ・キム(コン・ヒョジン)の恋を描いたSFラブコメです。

韓国ドラマで宇宙。

しかも、イ・ミンホとコン・ヒョジンの共演です。

これはおもしろくならないはずがないと思いました。

リョンは大企業MZグループの令嬢チェ・ゴウン(ハン・ジウン)との結婚を控えています。

表向きは宇宙旅行を楽しむ観光客ですが、実はゴウンの父親から秘密の任務を頼まれていました。

その任務とは、宇宙空間で受精卵を作ること。

壮大な宇宙ドラマだと思っていたら、精子と卵子の話が始まりました。

宇宙ステーションでは、ハエやマウスを使った生命実験が行われています。

無重力の環境で命が誕生するのかというテーマは興味深いです。

ただ、専門用語が多く、実験の説明も長めで、誰の卵子で、誰の精子なのかわからない。

なぜ宇宙で受精させる必要があったのかも謎です。

途中から人物相関図ではなく、受精卵相関図が欲しくなりました。

序盤は、無重力の中を飛び回るリョンや、厳しい船長として乗組員をまとめるイブの姿が新鮮です。

宇宙船内で起こる小さな事故にも緊張感があったのですが、中盤からリョンとイブの恋が急に動き始めます。

いつの間にそこまで好きになったのか、わからず「は?」と思いました。

リョンには結婚を控えたゴウンがいて、イブにも、地上で彼女を思い続ける宇宙飛行士パク・ドンア(キム・ジュホン)がいます。

それなのに、命の危険を一緒に乗り越えた勢いで2人の距離が一気に縮まるのです。

極限状態で惹かれ合う気持ちはわかります。

しかし、地上で待っている人たちのことを考えると、素直に応援できませんでした。

リョンは秘密の任務を隠し、イブは船長として規則を守らなければなりません。

恋をする前に、一旦全員で話し合ってほしいとまで思いましたが、恋とはそういうものなのでしょう。

さらに、宇宙ステーションの事故、生命実験、財閥一家の問題、四角関係まで同時に進みます。

宇宙だけでも大変なのに、韓ドラらしい財閥まで乗せて来ました。

もう重量オーバーです。

深刻な事故が起きた直後にコメディが入り、その次には恋愛の話が始まります。

緊張していた気持ちが何度も置き去りになりました。

宇宙で命を守る話と、不妊に悩む家族の話と、男女のロマンス。

どれか一つに絞れば、もっと入り込めたと思います。

全16話あるため、地上へ戻ってからも話は続きます。

中盤でお腹いっぱいになり、何度も離脱しかけました。

豪華な主演2人をそろえながら、ここまで恋を応援できないのは珍しいです。

その一方で、宇宙ステーションの映像は見応えがあります。

髪や小物がふわふわと浮かぶ無重力の表現も自然で、本当に宇宙で撮影したように見えました。

コン・ヒョジンも、責任感が強く簡単には弱音を吐かない船長イブを堂々と演じています。

命が誕生する奇跡を宇宙という大きな舞台で描いた、ほかにはない韓国ドラマです。

第1位 『ヒエラルキー』

第1位は、『ヒエラルキー』です。

舞台となるチュシン高校は、上位0.01%の財閥や権力者の子どもたちが通う名門校。

学校内には、親の財力で決まる明確な序列があります。

一般家庭から奨学生として入学した生徒は、財閥の子どもたちから見下され、ひどいいじめを受けていました。

そこへ新たな奨学生カン・ハ(イ・チェミン)が転校してきます。

明るく人懐っこい笑顔を見せるカン・ハですが、チュシン高校へ来たのには理由がありました。

同じ学校に通っていた兄カン・イナンの死。

カン・ハは兄に何が起きたのかを突き止めるため、学校を支配する財閥の子どもたちに近づきます。

これは絶対おもしろい。

上位0.01%の生徒が牛耳る学校に、復讐を決意した転校生が乗り込む。

予告を観た段階では、『ザ・グローリー』の学園版のような緊張感を期待していました。

ところが、中盤から恋愛の話が中心になります。

チュシン高校の女王チョン・ジェイ(ノ・ジョンウィ)と、学校を支配するキム・リアン(キム・ジェウォン)は元恋人同士。

カン・ハは兄の死を調べるためにジェイへ近づきますが、本当に彼女を好きになっていきます。

復讐はどうしたのでしょうか?

兄の死を追っていたはずなのに、カン・ハ、ジェイ、リアンの三角関係がメインに。

ジェイがカン・ハに心を開きそうになると、リアンが寂しそうな顔をします。

リアンとジェイが過去を振り返ると、今度はカン・ハが傷つく。

3人とも美しくて、楽しいのですが、今は恋愛より犯人を捜してほしいです。

兄を苦しめた生徒が同じ学校にいるのに、カン・ハの復讐はなかなか進みません。

証拠を集めて相手を追い詰めるわけでもなく、財閥のパーティーに参加し、ジェイと見つめ合っています。

笑顔の裏で計画を進める頭脳派かと思ったら、わりと普通に恋をしていました。

学校内のいじめも深刻です。

奨学生は人前で恥をかかされ、暴力まで受けています。

それなのに、教師や学校側は見て見ぬふり。

財閥の親たちも、子どもの問題をお金と権力で片づけようとします。

ここまで腐った学校を、カン・ハがどう壊すのかが見どころのはずでした。

しかし、悪いことをした生徒たちへの追及は思っていたよりあっさり。

誰が兄の死に関わったのかも、なかなか明かされません。

さらに、教師と生徒の不適切な関係、ジェイが隠している秘密、友人同士の裏切りまで入ってきます。

全7話しかないのに、中盤までゆっくり恋愛を描いた結果、最後は急いで答え合わせを始めます。

もっと早く兄の事件を進めて欲しかったです。

カン・ハが学校の階級を壊す痛快な復讐劇を期待していたので、青春ロマンスへ変わったときは何度も離脱しかけました。

『ヒエラルキー』というタイトルなのに、最後まで誰が主人公なのかもはっきりせず、カン・ハの復讐劇なのか、ジェイが自分の人生を取り戻す話?

リアンが財閥の後継者として成長する話だったのかも?

物語の中心がぼやけてしまって残念です。

ただ、ノ・ジョンウィ、イ・チェミン、キム・ジェウォンをはじめ、若手俳優たちの華やかさは圧倒的でした。

制服やパーティー会場、財閥の豪邸も美しく、どの場面を切り取っても絵になります。

親の権力が子どもたちの関係まで決めてしまう怖さや、特権を当然だと思っていた生徒たちの変化も上手に描かれていたと思います。

学園ミステリーよりも、財閥の子どもたちによる華やかな青春ドラマとして観ると楽しめる作品です。