韓国ドラマを見ていると、「あ、この俳優また出てる」と思うことがあります。

その代表格として、長年名前が挙がってきたのがアン・ネサンです。

父親役、教授役、上司役、権力者役、悪役まで幅広く演じ、作品のどこかにいるだけで空気が締まる俳優でした。

しかし最近の韓国ドラマを見ていると、その“どのドラマにも出てる俳優”枠が、少しずつチェ・デフンとユン・ギョンホに移ってきたようにも感じます。

そこで今回は、チェデフンとユン・ギョンホについてご紹介いたしますね。

アン・ネサンからチェ・デフン&ユン・ギョンホへ

特に『エージェント・キム:リアクティベーティッド』では、ソ・ジソブの横にチェ・デフンとユン・ギョンホが活躍しており、存在感を見せています。

2人は、急に目立つようになった俳優ではなく、ここ数年の韓国ドラマを振り返ると、「あの作品にも出ていた」「このドラマでも見た」とじわじわと感じるようになってきた俳優です。

これは単なる世代交代ではなく、韓国ドラマの“名バイプレイヤー枠”が新しい形に広がってきた証拠なのかもしれません。

アン・ネサンは「また出てる」の代表格だった

アン・ネサンは、韓国ドラマ好きなら一度は見たことがある俳優です。

沼民界隈では「アンネサンは3人いる」とまで言われるくらい、どのドラマにも登場しています。

『ロースクール』『マウス』『悪の花』『まぶしくて ―私たちの輝く時間―』『ただ愛する仲』など、幅広いジャンルのドラマに出演してきました。

アン・ネサンのすごさは、役柄の振り幅にあります。

優しい父親に見えたかと思えば、どこか不穏な人物にも見える。

正義側の大人として出てきたと思ったら、物語の鍵を握る怪しい人物にもなれる。

韓国ドラマでは、主人公の人生を左右する父親、教授、上司、政治家、医師、警察関係者など、物語を動かす大人の役が欠かせません。

アン・ネサンは、その物語を支える大人枠を長年担ってきた俳優です。

だからこそ、視聴者の中には「またアン・ネサン出てる」と思いながらも、どこか安心する人が多かったのではないでしょうか。

最近よく見る俳優のひとりがチェ・デフン

最近、そのアン・ネサン的なポジションに近づいている俳優のひとりがチェ・デフンです。

チェ・デフンは、1980年生まれの俳優。

2000年代から活動してきましたが、近年は話題作への出演が続き、韓国ドラマ好きの間で一気に存在感を増しています。

特に印象が強いのは、『怪物』です。

『怪物』では、マニャン交番の警察官パク・ジョンジェ役を演じました。

主人公イ・ドンシク(シン・ハギュン)の幼なじみでありながら、事件の真相に関わる重要人物でもある役です。

どこか弱さがあり、何かを隠しているようにも見える不安定な雰囲気が、ドラマ全体の緊張感を高めていました。

『おつかれさま』では強烈な印象を残した

チェ・デフンの近年の代表作として外せないのが、『おつかれさま』です。

『おつかれさま』では、プ・サンギル役を演じました。

この役は、物語の中で強烈な印象を残す人物です。

温かい家族ドラマの中に、現実の厳しさや人間の嫌な部分を持ち込むような存在で、出てくるだけでなんか気分が悪くなるほどの人間。

だけど、悪人なんだけどどこか憎み切れない部分もあって、チェ・デフンはこの役で、百想芸術大賞のテレビ部門助演男優賞を受賞しました。

ここで大きいのは、チェ・デフンが単なる「よく出る俳優」ではなく、演技で作品の記憶に残る俳優として評価されたことです。

この点で、チェ・デフンは今の韓国ドラマに欠かせない俳優になってきていると言えるでしょう。

『ワンダーフールズ』にも出演している

チェ・デフンは、Netflixシリーズ『ワンダーフールズ』にも出演しています。

『ワンダーフールズ』は、世界の終末が近づく中、思いがけず超能力を手に入れた田舎町の仲間たちが悪に立ち向かうアクションコメディです。

チェ・デフンが演じるのは、町の住民ソン・ギョンフンです。

ソン・ギョンフンは、足が地面に張り付き離れないという能力に気づくものの、自分ではうまく制御できず、床や壁から身動きが取れなくなってしまう人物です。

『怪物』では不穏さをまとった警察官。

『おつかれさま』では街の有力者であっても、ちょっと嫌われている人物。

そして『ワンダーフールズ』では、コメディ色のある超能力者。

こうして見ると、チェ・デフンは重いドラマだけでなく、少し変わった設定の作品にも自然に入れる俳優です。

最近「またチェ・デフン出てる」と感じるのは、『エージェント・キム』だけでなく、『ワンダーフールズ』のような話題作にも続けて出演して、しっかりと爪痕を残しているからなのでしょうね。

チェ・デフンの主な出演ドラマと役どころ

チェ・デフンの主な出演ドラマには、次のような作品があります。

『怪物』パク・ジョンジェ役

マニャン交番の警察官で、主人公イ・ドンシク(シン・ハギュン)の幼なじみです。

事件の真相にも深く関わる重要人物で、弱さや葛藤を抱えた繊細な演技が高く評価されました。

『模範刑事2』チョン・サンウ役

TJグループの副会長を務める財閥一家の人物です。

冷静な表情の裏に複雑な思惑を隠し、物語に緊張感を与えました。

『わずか1000ウォンの弁護士』ソ・ミンヒョク役

検事出身のエリート弁護士です。

プライドが高く、主人公チョン・ジフン(ナムグン・ミン)と対立しながらも、どこか憎めないキャラクターとして人気を集めました。

『おつかれさま』プ・サンギル役

主人公たちの人生に大きな影響を与える人物です。

強烈な存在感とセリフの説得力で話題となり、この作品で百想芸術大賞テレビ部門助演男優賞を受賞しました。

『ワンダーフールズ』ソン・ギョンフン役

へソン市に暮らす住民で、体があちこちに張り付いてしまう超能力を持つ人物です。

シリアスから一転、コミカルな演技でも存在感を発揮し、作品の盛り上げ役となっています。

『エージェント・キム:リアクティベーティッド』ソン・ハンス役

キム部長(ソ・ジソブ)のパパ友です。

キム部長、パク・ジンチョルとともに娘たちを守るため戦う仲間として、アクションと人間味のある演技を見せています。

ユン・ギョンホも今たくさん出ている俳優

もうひとり、最近の韓国ドラマで本当によく見る俳優がユン・ギョンホです。

ユン・ギョンホも1980年生まれの俳優です。

舞台、映画、ドラマでキャリアを重ね、近年はNetflix作品や話題のOTTドラマで目にする機会が増えています。

ユン・ギョンホの強みは、怖い人にも見えるし、情けない人にも見える。

頼れる人にも見えるし、どこか抜けている人にも見える。

この幅の広さがあるから、刑事、医師、教師、父親、悪役、コミカルな人物まで自然に演じられるところです。

『今、私たちの学校は…』にも出演

ユン・ギョンホは、Netflixの大ヒットゾンビドラマ『今、私たちの学校は…』にも出演しています。

『今、私たちの学校は…』は、ゾンビウイルスが広がった高校を舞台に、生徒たちのサバイバルを描いた作品です。

ユン・ギョンホはこの作品で、物語の中に現実的な緊張感を加える大人側の人物として登場しました。

学生たちの物語が中心の作品でも、ユン・ギョンホのような俳優が入ることで、ドラマ全体に厚みが出ます。

主演級の若手俳優たちを支えながら、作品を盛り上げる。

このバランス感覚も、ユン・ギョンホが多くの作品に呼ばれる理由だと思います。

『最悪の悪』では重い世界観にもなじむ

ユン・ギョンホは、『最悪の悪』にも出演しています。

『最悪の悪』は、チ・チャンウク、ウィ・ハジュン、イム・セミらが出演した犯罪アクションドラマです。

暴力団、麻薬捜査、潜入捜査が絡む重い作品ですが、ユン・ギョンホはこうしたハードな世界観にも自然になじみます。

ユン・ギョンホは、顔つきや声に強さや圧がある俳優です。

そのため、犯罪ドラマやサスペンスに出ると、登場しただけで「この人、ただ者ではなさそう」と思わせます。

一方で、コミカルな役もできるため、怖いだけじゃなくて「かわいい」ところもある俳優です。

『トラウマコード』でさらに注目度アップ

ユン・ギョンホの近年の代表作として外せないのが、『トラウマコード』です。

『トラウマコード』では、韓国大学病院の肛門外科教授ハン・ユリム役を演じました。

最初はペク・ガンヒョク(チュ・ジフン)とぶつかる人物として登場しますが、物語が進むにつれて、味方に転じてくる面白さが出てきます。

ユン・ギョンホの演技は、深刻になりすぎないのが特徴。

医療ドラマの緊張感の中で、笑えるシーンを作ってくれます。

『トラウマコード』でユン・ギョンホを見て、「この人、やっぱりうまい」と感じた人も多いのではないでしょうか。

この作品で注目度がさらに上がり『エージェント・キム』に出演しているため、最近よく見る印象がより強くなっています。

ユン・ギョンホの主な出演ドラマと役どころ

ユン・ギョンホの主な出演ドラマには、次のような作品があります。

『魔女の法廷』ク・ソクチャン役

事件に関わる人物として登場しました。

シリアスな法廷ドラマの中で強い存在感を残し、知名度を高めるきっかけとなった作品のひとつです。

『王になった男』カプス役

王宮に仕える人物として出演しました。

時代劇らしい重厚な雰囲気の中で、作品を支える脇役として活躍しています。

『梨泰院クラス』オ・ビョンホン役

チャンガグループに関わる人物として登場します。

登場シーンは多くありませんが、印象に残る演技で存在感を見せました。

『今、私たちの学校は…』チョン・ヨンナム役

ゾンビウイルスが広がる中、大人側の人物として登場します。

学生たちだけでは描けない現実の厳しさを伝える役どころでした。

『ザ・サウンド・オブ・マジック』キム・ドゥシク役

主人公たちを取り巻く大人の一人として出演しました。

幻想的な世界観の中で、現実味のある演技を見せています。

『クリーニングアップ』オ・ドンジュ役

株のインサイダー情報を巡る物語で重要人物として登場します。

コミカルさとシリアスさを行き来する、ユン・ギョンホらしい演技が光りました。

『最悪の悪』ファン・ミング役

江南警察署の刑事です。

潜入捜査を巡る緊迫した物語の中で、クセのある刑事として強い印象を残しました。

『こんなに親密な裏切者』オ・ジョンファン役

事件の真相に関わる人物として登場します。

独特の存在感で、サスペンスの不穏な空気をさらに盛り上げました。

『トラウマコード』ハン・ユリム役

韓国大学病院の一般外科・大腸肛門外科教授です。

天才外傷外科医ペク・ガンヒョク(チュ・ジフン)と対立しながらも、コミカルなやり取りで人気を集めたキャラクターです。

『エージェント・キム:リアクティベーティッド』パク・ジンチョル役

キム部長(ソ・ジソブ)のパパ友です。

キム部長、ソン・ハンスとともに娘たちを守るため戦う仲間として、豪快なアクションとユーモアを見せています。

2人が今の韓国ドラマにハマる理由

チェ・デフンとユン・ギョンホが最近よく見る俳優になっている理由は、今の韓国ドラマの作り方にも合っています。

最近の韓国ドラマは、主演俳優ひとりの魅力だけで見せる作品よりも、脇を固める俳優たちのチーム感で見せる作品が増えています。

主人公の友人、同僚、敵、上司、家族。

そうした人物たちがしっかりしていると、物語の説得力が上がります。

チェ・デフンは、人間くさい弱さやズルさを出すのがうまい俳優。

ユン・ギョンホは、場面にクセと温度差を加えるのが上手。

2人とも、主演を邪魔せず、それでいて埋もれません。

このバランスが、今の韓国ドラマでとても重宝されているのでしょうね。

バトンタッチというより、名バイプレイヤー枠の進化

とはいえ、アン・ネサンからチェ・デフンとユン・ギョンホに完全にバトンタッチした、という言い方は少し違うかもしれません。

アン・ネサンにはアン・ネサンにしか出せない重みがあります。

特に「白雪姫には死を」での、演技はすばらしく、主人公の父親を見事に演じていました。

アンネサンは良い人を演じると、なぜか序盤で死を迎えるので、「白雪姫には死を」でも、早くに他界されました。

しかし、アンネサンの存在感がこのドラマにずーっと残っており、「やっぱりアンネサンはすごいなー」なんて思いながら見ました。

この、説得力は、長年のキャリアがあるからこそでしょう。

一方で、チェ・デフンとユン・ギョンホは、今の韓国ドラマに合った軽やかさと瞬発力があります。

シリアスな場面もできるし、笑える場面もできる。

主人公の横にいても浮かない。

悪役もうまくて、めっちゃ憎たらしい。

この柔軟さが、今の韓国ドラマで求められているのでしょう。

アン・ネサンが築いてきた「この人がいると作品が締まる」という信頼感。

その信頼感を、今の視聴者に向けて更新しているのが、チェ・デフンとユン・ギョンホなのかもしれません。

まとめ

韓国ドラマで「どのドラマにも出てる」と感じる俳優は、時代によって少しずつ変わっていきます。

少し前までは、アン・ネサンがその代表格でした。

父親役、教授役、上司役、権力者役など、作品の土台を支える大人の役を数多く演じてきました。

そして最近は、チェ・デフンとユン・ギョンホの存在感が一気に増しています。

アン・ネサンからチェ・デフン&ユン・ギョンホへ。

完全な交代ではありません。

ただ、韓国ドラマの名バイプレイヤー枠が新しい世代に広がっていることは間違いなさそうです。

これから韓国ドラマを見るときは、主演だけでなく、「またこの人出てる」と思える俳優にも注目すると、作品の楽しみ方も増えるかもしれませんね。