韓国ドラマは、序盤は寝る時間を忘れるほど夢中だったのに、途中から「あれ、なんかつまらなくなってきた」と感じる時があります。

たとえば恋愛より事件が中心になったり、同じすれ違いが繰り返されたりすると、最初の勢いが恋しくなるものです。

そこで今回は、Netflixで配信中の作品から、個人的に途中で失速したと感じた韓国ドラマをランキング形式で紹介します。

人気作も含まれていますが、あくまでも個人の感想として楽しんでいただければ幸いです。

第10位 『医師チャ・ジョンスク』

20年間、家族のために生きてきたチャ・ジョンスク(オム・ジョンファ)が、医師として再出発する物語です。

専業主婦として夫や子ども、姑に尽くしてきたジョンスクは、ある日突然倒れ、急性肝炎と診断されます。

助かるためには肝臓移植が必要でしたが、ドナーになれる夫ソ・イノ(キム・ビョンチョル)は、自分の体を心配して提供をためらいました。

命が危ない妻より自分の体が大事なの?

序盤から夫の身勝手さに腹が立ちますが、この出来事をきっかけにジョンスクは、自分のために人生を生きようと決意します。

家族に遠慮せず服やバッグを買い、20年ぶりに研修医へ挑戦する姿は爽快。

思わず「その調子!」と応援したくなりました。

ところが途中から、ジョンスクの医師としての成長よりも、夫の不倫や愛人チェ・スンヒ(ミョン・セビン)との対立が中心に。

不倫がバレそうでバレない展開や、夫とロイ・キム(ミン・ウヒョク)がジョンスクをめぐって張り合う場面が続き、なんだか飽きてきました。

せっかく20年ぶりに夢を取り戻したのだから、病院で奮闘するジョンスクの活躍をもっと見たかったというのが正直なところです。

それでも、夫や家族に人生を預けず、自分の幸せを選び直す姿は痛快。

オム・ジョンファの明るくパワフルな演技にも元気をもらえる作品です。

第9位 『力の強い女 カン・ナムスン』

幼い頃にモンゴルで迷子になったカン・ナムスン(イ・ユミ)が、韓国にいる両親を捜すためにソウルへやって来る物語です。

ナムスンは、普通の人では持ち上げられない物まで軽々と動かせる怪力の持ち主。

さらに、母ファン・グムジュ(キム・ジョンウン)と祖母キル・ジュンガン(キム・ヘスク)も同じ能力を持っています。

怪力を受け継ぐ女性3世代がそろった序盤は、とにかくにぎやか。

離れ離れになっていた母娘の再会には感動があり、悪者を力で吹き飛ばす場面もスカッとしました。

ところが、ナムスンが刑事カン・ヒシク(オン・ソンウ)と麻薬事件を捜査し始めてから、物語が少しずつ退屈に。

麻薬組織への潜入捜査、母の戦い、祖母の恋愛、ホームレスになった男女の話まで詰め込まれ、肝心のナムスンの存在感が薄くなってしまいました。

さらに、悪役リュ・シオ(ピョン・ウソク)の過去やナムスンへの執着のほうが気になり、いつの間にか主人公よりシオを追いかけている状態に。

ナムスンとヒシクの恋愛もあっさりしていて、もう少しドキドキする場面が欲しかったです。

それでも、イ・ユミの明るく愛嬌のあるナムスンはかわいらしく、女性3世代が力を合わせて悪に立ち向かう設定には元気をもらえました。

第8位 『ヒップタッチの女王』

田舎町ムジンで動物病院を営む獣医ポン・イェブン(ハン・ジミン)が、不思議な超能力を使って事件を解決するコメディドラマです。

イェブンが手に入れたのは、人や動物のお尻に触れると、その相手の過去が見えるという何とも変わった能力。

最初は牛や犬の記憶をのぞいたり、町で起きた小さな事件を解決したりと、くだらないけれど笑える場面が満載でした。

ソウルから左遷されてきた刑事ムン・ジャンヨル(イ・ミンギ)との掛け合いもテンポがよく、気軽に見られるラブコメだと思っていたのです。

ところが途中から、町で連続殺人事件が発生。

明るくてのんびりした雰囲気が一変し、身近な登場人物まで次々と事件に巻き込まれていきます。

容疑者らしい人物が何人も現れては外れる展開が続き、犯人捜しが少し長く感じられました。

コメディから本格的な殺人サスペンスへの変化があまりにも急で、「最初に見ていたドラマはなんだったの?」という気持ちに。

イェブンとジャンヨルの恋愛もなかなか進まず、期待していた胸キュンが少なかったのも残念でした。

それでも、ハン・ジミンが全力で見せるコミカルな演技は新鮮です。

イェブンとジャンヨルの凸凹コンビも最後まで楽しく、笑いとミステリーの両方を味わえる個性的な作品でした。

第7位 『生まれ変わってもよろしく』

パン・ジウム(シン・ヘソン)は、過去18回分の人生をすべて覚えている女性です。

18回目の人生ではユン・ジュウォンという少女として生き、ムン・ソハ(アン・ボヒョン)と心を通わせますが、突然の交通事故で命を落としてしまいます。

そして19回目の人生に生まれ変わったジウムは、大人になったソハとの再会を目指します。

「前世の初恋相手に、別人としてもう一度会いに行く」という設定だけで、序盤から引き込まれました。

自分がジュウォンだったとは言えないまま、ジウムがソハへ一直線に近づいていく姿もかわいらしいです。

しかし途中から、交通事故の真相に加えて、ジウムの最初の人生や転生を繰り返す理由まで描かれ始めます。

何百年も前の因縁や見覚えのない人物が次々と登場し、最初のころに感じた切ないラブストーリーがどこかへ行ってしまいました。

終盤まで、転生の謎やこれまでのできごとのつじつま合わせが続きます。

転生の謎をここまで広げず、ジウムとソハの恋や家族との再会をじっくり描いてほしかったです。

それでも、何度生まれ変わっても同じ人を愛するという物語はロマンチック。

シン・ヘソンの明るさと切なさを行き来する演技にも引き込まれました。

第6位 『マイ・デーモン』

冷徹な財閥令嬢ト・ドヒ(キム・ユジョン)と、200年以上生きる悪魔チョン・グウォン(ソン・ガン)の契約結婚を描いたファンタジーラブコメです。

ある事故をきっかけに、グウォンの力の源である十字架のタトゥーがドヒの手首へ移ってしまいます。

グウォンはドヒの手を握らなければ能力を使えなくなり、力を取り戻すために彼女のそばで護衛をすることに。

お互いに嫌っていた2人が仕方なく行動を共にする序盤は、テンポがよくて面白かったです。

グウォンがドヒを守るために傘を差し出す場面や、狭い写真ブースで突然キスをする場面にはドキドキしました。

ところが、2人が契約結婚をして気持ちを確かめ合ってからは、急に物語の勢いが弱くなります。

ドヒを狙う犯人捜しや財閥一家の後継者争い、グウォンの人間だった頃の前世まで加わり、何を中心に見ればよいのかわからなくなりました。

前世でも2人が恋人だったという展開はロマンチックですが、回想場面が長く、現在の物語がなかなか進みません。

終盤ではグウォンがドヒを救うために消滅しますが、その後あっさり戻ってくるため、せっかくの悲しい別れも少し軽く感じられました。

もう少し話数を減らして、2人の恋と悪魔の契約に絞ったほうが面白かったと思います。

それでも、キム・ユジョンとソン・ガンの並んだ姿は本当に華やか。

映像や衣装、OSTも美しく、ストーリーより2人のビジュアルを楽しみたくなる作品でした。

第5位 『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』

気象庁で働く総括予報官チン・ハギョン(パク・ミニョン)と、年下の特報担当イ・シウ(ソン・ガン)の秘密の社内恋愛を描いたドラマです。

ハギョンは結婚目前だった恋人ハン・ギジュン(ユン・バク)の浮気を知り、破談を決意。

一方のシウも恋人チェ・ユジン(ユラ)に裏切られ、傷ついた2人が同じ職場で出会います。

序盤は、雹が降る時期や雨雲の動きを分析する気象庁の仕事が珍しく、予報が外れたときの緊張感にも引き込まれました。

恋愛に慎重なハギョンと、好きな気持ちを素直に伝えるシウの組み合わせも新鮮です。

ところが2人が交際を始めてからは、秘密がバレるかどうかよりも、結婚に対する考え方の違いでもめる場面が増えていきます。

ハギョンは将来を考えたいのに、家庭に苦い記憶があるシウは結婚を拒否。

話し合ってもすれ違い、別れそうになっては元に戻る展開が何度も続くため、見ているこちらまで疲れてしまいました。

さらに、元恋人同士のギジュンとユジンが結婚後もハギョンたちに関わり続けるので、いつまでこの4人で恋愛問題を話しているのだろうと思うことも。

天気と恋心を重ねる演出も、最初はうまいと感じましたが、毎回続くと少しくどく感じられました。

それでも、普段何気なく見ている天気予報の裏で、多くの職員が判断に悩みながら働いていることが伝わるお仕事パートは見応えがあります。

気象庁という珍しい舞台と、パク・ミニョンとソン・ガンの美しい共演は、この作品の大きな魅力でした。

第4位 『スタートアップ:夢の扉』

起業家を夢見るソ・ダルミ(ペ・スジ)が、若者向けの起業支援施設サンドボックスで仲間と会社を立ち上げる青春ドラマです。

子どもの頃、両親の離婚で寂しい思いをしていたダルミは、ナム・ドサンという少年から届く手紙を心の支えにしていました。

しかし、その手紙を書いていたのはドサンではなく、祖母に頼まれたハン・ジピョン(キム・ソンホ)。

大人になったダルミが初恋のドサンを捜し始めたため、ジピョンは同じ名前を持つ本物のナム・ドサン(ナム・ジュヒョク)に、手紙の相手を演じてほしいと頼みます。

序盤は、この嘘がいつバレるのかというドキドキに加え、ダルミたちが事業のアイデアを形にしていく過程も面白かったです。

視覚障害者を助けるアプリを開発する姿には、若者たちの夢を応援したくなりました。

ところが途中から、起業ドラマよりもダルミ、ドサン、ジピョンの三角関係が中心になります。

特に、長年ダルミを支えてきた手紙を書いたのはジピョンなのに、ダルミは本物のドサンへ一直線。

個人的にはジピョンを応援していたので、彼が何をしても報われない展開を見るのがだんだんつらくなって、面白さも半減。

さらに、ドサンたちが海外へ渡った後は3年の時間が一気に飛び、仕事も恋も都合よく進んだ印象です。

サンドボックスで失敗を重ねながら成長する姿が、描かれなかったのがとても残念。

それでも、夢に向かって何度でも挑戦する若者たちの姿はまぶしく、キム・ソンホが演じたジピョンの不器用な優しさも忘れられません。

起業という珍しいテーマと、美しい映像、豪華なOSTには最後まで楽しませてもらいました。

第3位 『イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~』

惣菜店を営むナム・ヘンソン(チョン・ドヨン)と、人気数学講師チェ・チヨル(チョン・ギョンホ)の大人の恋を描いたラブコメです。

元ハンドボール選手のヘンソンは、姉が置いていった娘ナム・ヘイ(ノ・ユンソ)を自分の娘として育ててきました。

一方、スター講師として大成功しているチヨルは、摂食障害に悩み、まともに食事を取れない日々を送っています。

そんなチヨルが唯一おいしく食べられたのが、ヘンソンの店のおかずでした。

最初は顔を合わせるたびに衝突していた2人が、おかずとヘイの個人授業を通して距離を縮めていく序盤は、とても楽しかったです。

チヨルがヘンソンに惹かれていることに気づかず、ひとりで悩む姿もかわいらしく、大人の恋なのに初々しさがありました。

ところが途中から、塾の受験競争や恋愛よりも、鉄球を使った連続事件のほうが大きくなっていきます。

チヨルの忠実な秘書チ・ドンヒ(シン・ジェハ)が事件に関係しているとわかってからは、ラブコメというよりサスペンス状態。

いつもチヨルを支えていたドンヒが、突然恐ろしい人物に見えてしまう展開には「むりやり感」を感じました。

さらに、ヘイの実母が突然戻ってきたり、受験に追い詰められた生徒の問題が重なったりと、終盤は話を詰め込みすぎた印象です。

せっかくヘンソンとチヨルの組み合わせが魅力的だったので、事件を広げず、家族や恋愛を中心に見たかったかも。

それでも、チョン・ギョンホのコミカルな演技は抜群。

ヘンソンの温かい食卓や、血のつながりを超えて支え合う家族の姿には、最後までほっこりさせられました。

第2位 『青春の記録』

俳優を夢見るモデルのサ・ヘジュン(パク・ボゴム)と、メイクアップアーティストとして自立を目指すアン・ジョンハ(パク・ソダム)の青春を描いたドラマです。

ヘジュンはモデルとして活動していますが、俳優のオーディションにはなかなか受かりません。

裕福な家庭に育った親友ウォン・ヘヒョ(ピョン・ウソク)との差を感じながらも、アルバイトを掛け持ちして夢を諦めない姿には胸を打たれました。

兵役へ行くか、もう少し俳優を続けるか。

家族から現実を見るように言われても、自分の可能性を信じる序盤のヘジュンは応援したくなります。

ジョンハとの恋も飾り気がなく、お互いの夢を尊重しながら少しずつ近づいていく姿が素敵でした。

ところが、ヘジュンが俳優として売れ始めてから、物語は急に芸能界のスキャンダル中心になります。

恋人がいるという報道や、デザイナーの死をめぐる疑惑、悪質なコメントなど、次から次へと問題が発生。

忙しいヘジュンとジョンハが会えず、連絡がすれ違う場面も繰り返され、序盤にあった夢へ向かうワクワク感が薄れてしまいました。

ヘヒョがジョンハへ思いを寄せる三角関係も、それほど大きく動かないまま終了。

私はジョンハが、みんなが言うほど「いい女」に見えなかったので、それはOK!

最終的にヘジュンとジョンハは別れ、時間がたってから再会しますが、その後の関係ははっきり描かれません。

もう少し気持ちのよい結末が見たかったです。

それでも、成功の裏にある家族との葛藤や格差をきれいごとだけで描かなかった点は印象的。

パク・ボゴム、パク・ソダム、ピョン・ウソクの初々しい姿も、この作品だからこそ楽しめる魅力です。

第1位 『涙の女王』

田舎で育った弁護士ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)と、クイーンズグループの財閥令嬢ホン・ヘイン(キム・ジウォン)の夫婦を描いたラブロマンスです。

身分の違いを乗り越えて結婚した2人ですが、3年後には会話もほとんどない冷え切った関係になっていました。

財閥一家との生活に疲れ果てたヒョヌは離婚を決意しますが、その直後、ヘインから余命3か月だと告げられます。

最初は離婚せずに自由になれるかもしれないと考えていたヒョヌが、ヘインの弱さを知り、もう一度彼女を愛し始める序盤は本当に面白かったです。

泣きながらも笑わせてくるキム・スヒョンの演技と、強気に見えて実は寂しさを抱えるキム・ジウォンの表情に、すっかり引き込まれました。

ところが途中から、ユン・ウンソン(パク・ソンフン)によるクイーンズグループの乗っ取りが始まり、夫婦の物語が財閥復讐ドラマへ変わっていきます。

ヘインの家族がヒョヌの故郷ヨンドゥリへ逃げる展開は笑えましたが、会社を奪われては取り戻そうとする攻防が長く、グダグダ感満載に。

さらに終盤では、ヘインが手術の代償として記憶を失い、ヒョヌは殺人の容疑をかけられて逮捕。

ようやく誤解が解けたと思ったら、今度は誘拐、交通事故、銃撃まで続きます。

余命宣告だけでも十分に切ないのに、ここまで不幸を重ねなくてもよかったのではないでしょうか。

前半のように、すれ違っていた夫婦が少しずつ本音を話し、愛を取り戻す姿をもっと見たかったです。

それでも、最終回で2人が共に年を重ねたことがわかる場面は美しく、涙なしでは見られません。

少し盛り込みすぎた印象はありますが、キム・スヒョンとキム・ジウォンの演技だけでも見る価値のある作品でした。

X→かよよんちゃん