何となく再生したドラマが、予想以上に面白くて、そのまま何話も観てしまったことはありませんか。

主人公の登場の仕方に笑ったり、思いがけない事件に驚いたり、第1話で「これは好きかも」と思える作品に出会うとうれしいですよね。

今回は、笑える設定のラブコメから、冒頭の不穏な出来事に引き込まれるミステリーまで、期待以上に楽しめたNetflix韓国ドラマ10作品を紹介します。

順位は個人の感想ですが、次に観る1本を探す際の参考になればうれしいです。

第10位 CASHERO ~ヒーローは現金を持つ~

超能力を使うたびに、手持ちのお金が減ってしまう。

そんな困った力を父親から受け継いだ公務員、カン・サンウン(ジュノ)が主人公のヒーロードラマです。

実は、このドラマは、レビューを観ると評価が高くなかったので、温めていました。

しかし、見てみると思ったよりも面白かったので、10位にあげてみた次第です。

サンウンは、恋人のキム・ミンスク(キム・ヘジュン)と暮らす家を買いたいのに、資金が足りないという、ごく普通の悩みを抱えています。

ところが実家を訪ねると、父親から持っている現金の額に応じて強くなる能力を受け継ぐことに。

お金が多ければ強くなれますが、力を使うと、その現金が消費されてしまうのです。

この設定が、第1話から面白くて笑えるし、やっぱりジュノが上手い。

人を助けるために力を使えば、自分たちの家を買うお金が減る。

しかも、ミンスクは数字に強い現実的な性格なので、サンウンの能力を前に、どれだけお金がかかるのか考えます。

ものすごい力を手に入れた喜びより、使ったら生活はどうなるのかという心配が先に来るところに、思わず笑ってしまいます。

そして第1話では、橋から落ちそうになったバスを救う場面が登場。

乗っている人たちを助けるには、サンウンが力を使わなければなりませんが、その代わり、大切なお金を失うことになります。

助けてほしいと思う一方で、家を買うためにお金を用意していた彼の事情もわかるので、「使ってしまって大丈夫?」と心配に。

人命救助の迫力と、財布への心配が同時に押し寄せるという、なんとも変わった見せ方に引き込まれました。

ジュノが演じるのも、最初から迷わず人を救う完璧なヒーローではなく、恋人との暮らしやお金のことで悩む男性。

だからこそ、迷いながらも助けに向かう姿を応援したくなります。

超能力の派手なアクションを楽しむつもりで観始めると、人を助けたい気持ちと、自分の生活を守りたい気持ちの間で揺れる主人公が、予想以上に身近に感じられる作品です。

第9位 エスクワイア:弁護士を夢見る弁護士たち

大手法律事務所に入った新人弁護士カン・ヒョミン(チョン・チェヨン)が、厳しい上司ユン・ソクフン(イ・ジヌク)のもとで成長していく法廷ドラマです。

第1話から気になるのが、採用面接に遅刻してしまうヒョミン。

電車で本を読むのに夢中になり、降りる駅を通り過ぎたという理由なので、面接官のソクフンも容赦しません。

時間を厳密に管理する弁護士の仕事に向いていないと判断され、退室を促されてしまいます。

大事な面接なのに何をしているの、と心配になりますが、ヒョミンは全国の模擬法廷大会で優勝した実力の持ち主。

再び面接の機会を得ると、法律の知識と物事を見る鋭さを発揮し、採用されるのです。

この、第一印象では頼りなく見えた女性が、仕事の話になると力を見せる流れに引き込まれます。

そして入所後に担当するのが、ガスの不正使用をめぐる案件。

相手は、巨大なガス会社が大手法律事務所を使って、小さな商売を営む自分たちを追い詰めるのは不公平だと訴えます。

そう聞くと、つい小さな店のほうに同情してしまいそうですよね。

ところがヒョミンは、ガス会社にも、検針や設備の管理をしながら働く人たちがいると指摘。

会社の大きさだけで、どちらが弱い立場かは決められないという反論に、なるほどと思わされます。

法律の難しい言葉だけで押し切らず、そこで働く人の姿を思い浮かべられる説明になっているので、法廷でのやり取りが面白いんです。

ヒョミンを厳しく見ていたソクフンも、彼女の調査と意見を認めていきます。

新人が上司に褒められるだけではなく、こちらまで物事の見方を変えられるところが、第1話から楽しめた理由。

ヒョミンの成長や、ソクフンがヒョミンをどのように見方を変えていくのかも気になる作品です。

第8位 恋は飴模様

記憶を失った検事コ・ウンセ(ハヨン)が、恋人を名乗るボクシングコーチのチャン・テハ(チョン・ヘイン)と暮らし始めるラブコメです。

第1話では、病院で目覚めたウンセが、自分が誰なのかさえ思い出せない状態に。

そこへ、ジャージ姿のテハが現れ、自分が彼氏だと名乗ります。

本人には恋人の記憶もないので、そう言われてもすぐには信じられませんよね。

観ている側も、「テハは本当に彼氏なの?、なぜ彼女を引き取ろうんだろう?」と気になります。

そんななか、ウンセが取る行動が面白い。

テハの説明を聞くだけでは納得せず、キスをして、彼氏かどうか確かめようとするのです。

2年も同棲していたという話なのに、突然のキスに戸惑うテハ。

ウンセの大胆さと、彼女に振り回されるテハの反応に、笑ってしまいます。

記憶をなくした女性を男性が優しく世話する展開かと思いきや、彼女のほうから距離を詰めて、相手を慌てさせる。

このやり取りが第1話から楽しく、チョン・ヘインの困った表情も、かわいいです。

このドラマは、とにかくチョン・ヘインがかわいくてかっこいいです。

ただ、テハが恋人だと名乗るのには理由があり、彼はウンセを守るためにウソをついています。

しかも、ボクシングコーチとして暮らす彼には、裏社会にいた過去もあるのです。

彼女を守ろうとしているのに、そのためについたウソを本人から疑われるというのが、なんともややこしい。

甘い同居生活だけでなく、ウンセに何が起きたのか、テハが何を隠しているのかも気になってきます。

いつものよくあるラブコメかな?と思って見始めましたが斬新なストーリー展開にすっかりハマってしまうドラマです。

第7位 Missホンは潜入調査中

1997年の韓国を舞台に、35歳の証券監督官ホン・グムボ(パク・シネ)が、証券会社の不正を暴くため、20歳の新入社員になりすますオフィスコメディです。

第1話でまず引き込まれるのが、グムボの遠慮のなさ。

株価操作を見逃そうとした上司の不正まで法廷で暴き、相手が誰であろうと容赦しません。

その仕事ぶりを見せてから、妹の名前を借りて新人になる展開へ進むので、「この人が初々しい20歳を演じられるの?」と気になってしまいます。

潜入先は、裏金疑惑を抱えるハンミン証券。

捜査に協力していた社長が突然事故死し、証拠となる帳簿を手に入れられなくなったため、グムボ自身が会社の中へ入って探すことになるのです。

そこで始まる、妹の力を借りた若返り作戦が面白いんですよね。

服装や髪形を変えたグムボは、本当に若く見えるのか確かめるため、レンタルビデオ店で成人向けの作品を借りようとします。

店主から高校生ではないかと疑われると、普通なら困るところなのに、彼女にとっては変身成功の証し。

年齢を疑われて喜ぶという妙な状況に、思わず笑ってしまいます。

ただ、見た目を変えれば安心というわけではなくて、入社試験では問題の誤りに気づくほど優秀なので、新人のふりをしても、長年働いてきた人の能力が出てしまうのです。

頼もしい監督官としての姿を先に知っているからこそ、実力を隠しながら働く難しさまで楽しみになります。

そして第1話の終盤、社員寮で同室になった秘書コ・ボクヒ(ハ・ユンギョン)が、グムボの顔に見覚えがあると言い出します。

会社の不正を調べるどころか、入ったばかりで正体がバレてしまうのか。

変装の場面で笑っていたところから、急に彼女の返答を見守ることになり、次の話も確かめたくなります。

不正を追う仕事では強気なのに、潜入先では自分の年齢や経歴を隠さなければならない。

堂々と闘える女性が、正体を隠すために四苦八苦する姿に、パク・シネの表情や反応の面白さが加わり、第1話から主人公を応援したくなる作品です。

第6位 ワンダーフールズ

1999年の韓国の地方都市を舞台に、思いがけず超能力を手に入れた町の変わり者たちが、悪に立ち向かうアクションコメディです。

主人公のウン・チェニ(パク・ウンビン)は、心臓病で余命が限られた女性。

生きているうちに旅行へ行きたいのに、祖母のキム・ジョンボク(キム・ヘスク)がお金を出してくれず、第1話からとんでもない計画を立てます。

それが、自分が誘拐されたことにして、祖母から身代金をもらうというもの。

誘拐犯役に誘うのは、町の厄介者ソン・ギョンフン(チェ・デフン)と、お人好しのカン・ロビン(イム・ソンジェ)です。

余命の話にしんみりしていたら、本人がこんな企みを始めるので、「そっちへ行くの?」と驚いてしまいます。

祖母にお金を出してもらうために、わざわざ自分で誘拐事件を作ろうとするチェニの勢いがすごくて、パク・ウンビンの思い切った演技も楽しいんですよね。

ところが、その最中にチェニが心臓発作を起こし、本当に死んでしまったように見える事態に。

慌てた2人は、彼女の体を不法投棄場へ運んでしまいます。

ここで妙に目が離せなくなるのが、目を見開いたまま動かないチェニ。

さっきまで騒いでいた彼女が急に人形のようになり、ギョンフンとロビンが怖がる様子まで重なるので、気味が悪いのに、その慌てぶりには笑ってしまいます。

旅行のお金を手に入れるだけだったはずなのに、どうしてこんなことになったのか。

さらに、不法投棄場での出来事を境に、3人の身には異変が起こり始めます。

チェニは瞬間移動、ロビンは怪力など、普通では考えられない力を手に入れますが、本人たちも何が起きているのかわからないのです。

最初の誘拐ごっこさえうまく進められなかった人たちが、今度は超能力を使うことになる。

この3人で大丈夫なのかと思うほど、失敗したときの反応や言い争いまで見たくなります。

町では人々が行方不明になる事件も起きていて、彼らの変化が何につながるのかも気になるところ。

笑っていた場面が、突然不気味な事件へ変わる第1話に驚かされ、気づけばこの頼りない仲間たちをどんどん追いかけたくなる作品です。

第5位 わたしの完璧な秘書

ヘッドハンティング会社のCEOカン・ジユン(ハン・ジミン)と、娘を1人で育てるユ・ウノ(イ・ジュニョク)が、上司と秘書として距離を縮めていくオフィスロマンスです。

タイトルから、優しい男性秘書に癒やされる物語を想像していましたが、第1話の2人は、仕事を巡って真っ向から対立します。

ここで私は「期待以上におもしろいじゃん」と思いました。

ジユンの仕事は、優秀な人材に、その能力を生かせる転職先を紹介すること。

ところが、彼女が引き抜こうとしている技術者を、勤務先の人事担当であるウノが引き止めに来るのです。

よりよい条件で働ける会社へ移るべきだと考えるジユンに対し、ウノは、長く一緒に働いてきた仲間や会社への愛着も大切だと反論します。

ジユンには仕事を邪魔された腹立たしさがあり、ウノには大切な社員を守りたい事情があるので、どちらの言い分もわかるんですよね。

甘い恋の始まりを待っていたら、働くうえで何を大切にするかという話まで面白くて、2人の口論に聞き入ってしまいます。

そして、言い合ったあとの帰り道。

暗くて歩きにくい場所で、ウノが携帯電話のライトを使い、ジユンの足元を照らしてくれます。

仕事では譲らなかった相手なのに、困っているときには自然に手を貸す。

口論の直後に見せる、さりげない気遣いで、ウノの印象が変わります。

ジユンはその助けを受けながらも、別れ際にはもう会いたくないと告げるので、すんなり仲良くならないところも楽しいんです。

ところが、その後ウノは会社を解雇され、知人の紹介で、よりによってジユンの秘書として働くことに。

彼女からすれば、自分の仕事を邪魔した男性が、毎日そばで働くわけですから、すぐに歓迎できるはずもありません。

そんな気まずい始まりを知っているからこそ、ウノが秘書として認められていく過程を見たくなります。

資料や予定を整えるだけでなく、食事を抜きがちなジユンを気にかけ、どこかにぶつかりそうになると、そっと手を添えてくれるウノ。

帰り道で足元を照らしたときと同じように、彼女が困る前に気づいて動く優しさが、日々の仕事の中で伝わってきます。

イ・ジュニョクの落ち着いた声や柔らかな表情も、この役にぴったり。

第1話でぶつかり合う2人を見ていると、ジユンがいつ彼を頼るようになるのか、そのときどんな顔をするのかまで楽しみになる作品です。

第4位 素晴らしき新世界

朝鮮王朝で毒殺の刑に処された側室カン・ダンシム(イム・ジヨン)が、現代の売れない女優シン・ソリの体で目を覚ますファンタジーロマンスです。

第1話の冒頭、ダンシムは差し出された毒薬を拒み、最後まで抵抗します。

宮廷で自分を守るために必死に生きてきた彼女が、それでも無理やり毒を飲まされる姿は痛々しく、このまま死んでしまうのかと引き込まれます。

ところが、次に目を覚ますのは、現代の時代劇の撮影現場。

観ている側には撮影だとわかっていても、彼女には何が起きているのかわからず、そこから大騒動が始まるのです。

特に楽しいのが、財閥の御曹司チャ・セゲ(ホ・ナムジュン)との出会い。

車が走る道路へ飛び出したダンシムをセゲが助けますが、彼は事故になったら誰が責任を取るのかと怒鳴ります。

一方のダンシムは、知らない男性に体を触られたうえ、無礼な口を利かれたと腹を立て、助けてくれた相手に平手打ち。

セゲも彼女を当たり屋だと思い込むので、話がまったく通じません。

ついにはダンシムがヤシの葉でセゲを叩き、彼も花束で応戦することに。

毒殺される場面では胸が痛くなったのに、今度は街中で大人2人が本気でケンカをしていて、その振り切り方に笑ってしまいます。

宮廷での威圧感を、そのまま現代へ持ち込むイム・ジヨンが面白く、セゲの偉そうな態度にもひるまないので、2人の応酬をずっと見ていたくなるんですよね。

ただ、ダンシムが現代の常識を知らずに騒ぐ場面だけで終わらないところも、この作品の好きなところです。

雨に濡れて寒さを感じた彼女は、自分が生きていることに気づき、涙を流します。

毒を飲まされ、命を奪われた直後だからこそ、寒いという感覚さえうれしい。

さっきまでのケンカで笑っていたのに、ここでは彼女がもう一度生きられたことを、一緒に喜びたくなります。

さらに第1話の終盤には、セゲに向けられた殺気をダンシムが察知する場面も。

命を狙われてきた宮廷での経験が、現代では彼を守る力になるので、なぜ彼女が危険に気づけるのかにも納得できます。

最初は、昔の女性が現代で騒動を起こすラブコメを想像していました。

ところが第1話から、毒殺の場面に引き込まれ、セゲとの大ゲンカで笑い、雨の冷たさを感じて涙を流すダンシムに胸が熱くなります。

イム・ジヨンがこんなに笑わせてくれるとは思わなかったし、笑った直後に切ない気持ちになる展開にも驚かされました。

第1話を観終わるころには、「これは思っていた以上に面白い!」と、すっかりハマっていました。

第3位 トラウマコード

戦場で数々の命を救ってきた外科医ペク・ガンヒョク(チュ・ジフン)が、大学病院の重症外傷チームに赴任し、救命の現場を立て直していく医療ドラマです。

第1話でまず心をつかまれたのは、ガンヒョクの遠慮のない登場ぶりでした。

腹部に包丁が刺さった患者が運び込まれ、処置に苦戦する医師たちの前に、黒いスーツ姿のガンヒョクが現れます。

自己紹介をするより先にずかずかと現場に入り、周囲に指示を飛ばして、患者の治療を進めてしまうのです。

いきなり知らない男に仕切られた医師たちの戸惑いもわかりますが、ガンヒョクはそんな反応を気にする様子もなく、目の前の患者に集中しています。

その態度の大きさに驚きながらも、手際のよさを見ていると、「この人が来たなら助かるかもしれない」と、早くも頼もしく感じてしまいました。

しかも、手術中に患者の出血が止まらなくなると、独断で薬を投与した麻酔科医を追い出してしまいます。

相手の立場に遠慮して治療が遅れるくらいなら、自分が嫌われても構わないというような勢いで、患者を救うために必要なことを押し通す姿が痛快でした。

そんなガンヒョクに振り回されるのが、肛門外科の若手医師ヤン・ジェウォン(チュ・ヨンウ)です。

名前ではなく専門分野から「肛門」と呼ばれ、次々に指示を出されるジェウォンは、戸惑いながらも必死についていきます。

ガンヒョクの堂々とした態度と、ジェウォンの困りきった表情の組み合わせがおかしくて、緊迫した治療の場面でも思わず笑ってしまいました。

そして、ようやく手術が終わったと思ったら、今度は登山道で滑落した患者の救助へ向かいます。

ガンヒョクに連れていかれたジェウォンは、高いところが苦手なのにヘリコプターで現場へ向かうことになり、さらに空中から降下する羽目になるのです。

患者のためならためらわず行動するガンヒョクの横で、ジェウォンは恐怖で必死になっていて、その温度差まで面白いです。

救命の緊張感と、2人の掛け合いの笑いが次々にやってくるので、第1話から息をつく暇もありません。

チュ・ジフンの大きな体と迷いのない動きも、この強引な医師によく合っていて、周囲を振り回す姿を見ているだけでも楽しくなります。

病院に赴任したその日に、緊急手術からヘリでの救助まで見せてしまう展開には驚きました。

医療ドラマとしての面白さを期待して観始めましたが、ここまで笑えて、アクション映画のような興奮まで味わえるとは思っていませんでした。

第2位 恋は命がけ

幽霊が見えるホテル代表チョン・ヨリ(パク・ウンビン)と、事件の捜査に奔走する検事マ・ガンウク(ヤン・セジョン)が出会い、殺人事件と恋に巻き込まれていくファンタジーラブコメディです。

第1話から面白かったのは、2人が出会う場所も、その後のやり取りも強烈だったことです。

ガンウクが行方不明者を捜すために真夜中の山へ向かうと、そこには土を掘っているヨリがいました。

ヨリは亡くなった人の最後の願いをかなえるために来ていたのですが、そんな事情を知らないガンウクには、事件に関わる怪しい人物にしか見えません。

一方のヨリも、突然現れたガンウクを警戒し、2人は互いに相手を疑ったまま、取っ組み合いになってしまいます。

そこへ駆けつけた警察官が、地面に倒れ込んでいる2人を見て、こんな場所で男女が何をしているのかと勘違いするのです。

暗い山で事件の手がかりを探していたはずが、いつの間にか妙な誤解をされていて、初対面から散々なことになっている2人に笑ってしまいました。

しかも、ヨリは疑われたからといっておとなしくなる人ではなく、ガンウクに腕をつかまれると言い返し、ガンウクも自分が蹴られたことを持ち出して反論します。

お互いに一歩も引かないので、事件のことが気になりながらも、この2人の言い合いをもっと見ていたいと思ってしまうんですよね。

そんな騒がしい出会いのあと、ヨリが亡くなった男性の霊に話しかける場面では、彼女への印象が変わりました。

遺体が見つかるのを見届けたヨリは、男性の無念を思いやり、来世では良い人に巡り合えるようにと声をかけます。

ところが、自分からも来世について質問した途端に霊が消えてしまい、答えてから行ってほしかったと残念がるのです。

幽霊を前にしても普通に話しかけるヨリの姿がおかしくて、同時に、亡くなった人を放っておけない優しさにも惹かれました。

ただ、幽霊が見える生活には、笑って済ませられない苦労も隠れています。

ヨリに触れた相手まで幽霊が見えるようになるため、かつて結婚を約束した恋人も、実際に霊を目にした途端に逃げ出してしまいました。

その経験から人と距離を置くようになったヨリは、幽霊たちとは話せても、生きている人には簡単に頼れずにいるのです。

ガンウクには強気に言い返していた彼女が、なぜ人に触れられるのを嫌がるのかがわかると、先ほどのやり取りも少し切なく感じられました。

遠慮のない言い合いで笑わせながら、ヨリの孤独まで丁寧に描くところが、この第1話の好きなところです。

幽霊が登場する恋愛ドラマという設定から想像していた以上に、2人の出会いには勢いがあり、ヨリの事情にも胸をつかまれました。

笑える場面を楽しんでいたら、いつの間にか彼女の恋まで応援したくなっていたのが、うれしい誤算でした。

第1位 ソンサン -弔いの丘-

大学で非常勤講師として働くユン・ソハ(キム・ヒョンジュ)が、疎遠だった叔父の死によって、先祖の墓がある山を相続することになるミステリーです。

タイトルの「ソンサン」は、先祖の墓を設けた山を意味します。

突然の相続をきっかけに、ソハの周囲で不審な事件が起こり、彼女の知らなかった家族の秘密が浮かび上がっていきます。

第1話で引き込まれたのは、身内の葬儀なのに、そこにいる人たちを信用できないという不気味さでした。

ソハは父親と絶縁状態で、亡くなった叔父とも交流がありません。

そのため、土地を相続すると言われても戸惑うばかりなのですが、葬儀の場に、今度は自分の異母弟だというキム・ヨンホ(リュ・ギョンス)が現れます。

ヨンホは自分にも相続する権利があると主張し、葬儀場で騒ぎを起こすのです。

叔父が亡くなったばかりで、事情もよくわからないところへ、知らない男から姉だと言われて財産の話をされるのですから、ソハが警戒するのも当然です。

こちらもソハと同じように、「この人は本当に弟なのか」「なぜ、こんなに土地に執着するのか」と、ヨンホの言動が気になってしまいました。

ヨンホを演じるリュ・ギョンスの、何を考えているのか読み取りにくい表情も印象的です。

相続を求めて必死になっているようにも見えるのに、近づいてこられると怖いと感じるところがあって、登場しただけで葬儀場の空気が変わったように感じました。

さらに、叔父の死には毒物が関わっていたことがわかり、土地の相続が一気に恐ろしい話になっていきます。

誰かが土地を手に入れるために叔父を殺したのだとしたら、相続人になったソハも安全ではないのではないかと、見ているこちらまで落ち着かなくなりました。

一方で、ソハには、この相続とは別にうまくいかない日常が描かれています。

大学では専任教授になりたいと願いながら非常勤講師を続け、家庭では夫ヤン・ジェソク(パク・ソンフン)の浮気を調べさせています。

仕事でも家庭でも不満を抱えているところに、突然、親族の死と土地の相続が降ってくるので、ソハの苛立ちや警戒心にも納得できました。

キム・ヒョンジュが見せる疲れた表情や、夫への怒りも生々しく、謎を追うだけでなく、この女性がこれ以上ひどい目に遭わなければいいのにと気にかけながら観てしまいます。

そして、第1話の終盤には、ソハにとって身近な人物を巻き込む新たな事件が起こります。

叔父の死を調べる話だと思っていたら、危険がソハのすぐそばまで迫ってきていて、ここで一気に続きを観ずにはいられなくなりました。

知らない親族から受け継ぐ土地という、どこか現実にもありそうな話が、こんなに不気味なミステリーになるとは思いませんでした。

『ソンサン』は、会話や表情を見ているうちに疑いが膨らみ、第1話が終わる頃にはすっかり謎に夢中になっていた作品です。

ただ、第1位に選ぶのは結構迷いました。

全6話だったから完走できたようなものの、全部に渡って暗くて怖い。

さらに、中間ちょっとぐだぐだします。

だけど、最後の方はお話がイッキに進みますので期待以上に面白かったドラマです。

X→かよよんちゃん