「次は何を観よう」と、作品選びに迷うことはありませんか。

今回は、恋愛ドラマから緊張感のある作品まで、自信を持ってすすめたい韓国ドラマを10作品選びました。

登場人物のどんなところに惹かれるのか、印象的なシーンなど、作品ごとに紹介します。

第10位 フォーハンズ ~2人のソナタ~

※第10話までの内容を踏まえた紹介です。

カン・ビオ(ソン・ガン)は、幼い頃からコンクールで優勝を重ねてきたピアニストです。

それでも、世界的な指揮者である祖父のカン・スンウン(チョン・ジニョン)は、ビオの演奏を認めてくれません。

周囲から天才と呼ばれても、いちばん認めてほしい人には届かない。

ビオがピアノに向かうときの張り詰めた気持ちは、そこを知るとよく分かります。

ある日、ビオは控室に置き忘れた楽譜を取りに戻り、その楽譜を見ながらピアノを弾くチェ・ジョンヨ(イ・ジュニョン)と出会います。

しかもジョンヨは、幼い頃のコンクールでビオを破って1位になった相手でした。

ジョンヨが同じ学校に転入してきても、ビオは彼を避けようとします。

ところが、ビオが指導を受けたいピアニストのト・ヒョンス(キム・ジュホン)は、ジョンヨとの連弾をレッスンの条件に出します。

負けた記憶がある相手と、1台のピアノに並んで座ることになったのです。

練習を重ねるうちに、ビオはジョンヨに心を開き、ピアノを弾く楽しさも思い出していきます。

この頃の2人を見ていると、競い合いながら親しくなっていく音楽ドラマを期待したくなります。

ところが、ジョンヨの才能が周囲に知られるにつれ、ビオの気持ちは揺れ始めます。

一緒に演奏できるのはうれしいのに、自分の存在がかすんでしまうのは怖い。

さらに家族の問題や過去の出来事も絡み、2人の関係は次第に緊迫していきます。

2話まではほっこり観ていたものの、その後はサスペンスのようで、『ペントハウス』にも似た雰囲気を感じたという口コミがありました。

『ペントハウス』は、音楽や才能をめぐる競争に、家族の思惑や激しい対立が重なる韓国ドラマです。

『フォーハンズ』も序盤の連弾だけを想像して観ると、その後の展開に驚くと思います。

これは作品の内容が同じという意味ではなく、穏やかな音楽ドラマから緊張感の強い話へ変わる印象を表した口コミです。

一方で、ピアニストたちが素手で殴り合う場面には違和感を覚えた、という声もあります。

私もそこは気になりました。

手を大切にしてほしいと思うだけに、激しい場面が続くと演奏とは別の意味でハラハラします。

それでも、この作品をすすめたい理由は、ビオとジョンヨが一緒に弾いた時間を知っているからこそ、関係がこじれた後も2人の音楽を聴きたくなるところです。

友情も嫉妬も簡単には消えない2人が、次に同じ舞台に立ったとき、どんな演奏をするのか。

ピアノの音と、先の読めない人間関係の両方を楽しみたいときに観てほしい作品です。

第9位 交渉の技術

『交渉の技術』は、経営危機に陥った韓国の大企業を救うため、会社の売却や買収のプロたちが頭脳戦を繰り広げるビジネスサスペンスです。

主人公のユン・ジュノ(イ・ジェフン)は、企業の買収や合併を意味する「M&A」の専門家で、伝説の交渉人「白蛇」と呼ばれる人物です。

巨額の負債を抱えたサンイングループに呼び戻されたジュノは、弁護士らとチームを組み、11兆ウォンもの資金調達に挑みます。

ところが、次期会長の座を狙うハ・テス専務(チャン・ヒョンソン)は、ジュノの復帰を歓迎していません。

会社を救う仕事を任されながら、社内の権力争いにも向き合わなければならないジュノ。

まずジュノが目を付けたのは、グループの中核企業であるサンイン建設の売却です。

売却に向けて交渉を持ちかけると、建設会社の代表は、自分の任期の延長や持ち株まで要求してきます。

会社全体が危機にある場面で、自分の待遇を優先する相手に、思わず悪口を口にしてしまうチームのインターン、チェ・ジンス(チャ・ガンユン)。

弁護士のオ・スニョン(キム・デミョン)が慌てて口を塞ぎますが、間に合わず、その日の交渉は失敗に終わりました。

相手に言い返したくなるジンスの気持ちは分かりますが、交渉を断る口実を与えてしまったことで窮地に追い込まれるジュノの交渉チーム。

正しいことを言えば勝てるわけではないという仕事の難しさが、専門的な数字の説明よりも、この失敗からよく伝わってきます。

そして、その後の先輩たちの対応がGOOD!

落ち込むジンスに、スニョンは自分も腹が立ったと伝え、殴りかけるところだったと身ぶりを交えて話し、笑顔を取り戻させます。

そのうえで、言い返さなければ相手の非を交渉に使えたことも、きちんと教えていました。

ジュノも、感情的になれば交渉で負けると、冷静に仕事の考え方を語ります。

失敗した新人を甘やかすわけでも、責めるだけでもない、2人の接し方は素敵で、このチームを応援したくなりました。

この後も、様々な交渉が続き、チームワークの良さを発揮して成功を重ねます。

最初は感情を抑えられなかった新人が、だんだんチームの役に立つところにも、成長を感じられます。

ジュノの余裕のある振る舞いと、経験の浅いジンスの緊張が描かれることで、イ・ジェフンが演じる交渉人の落ち着きも際立ちます。

企業の売買や社内会議が中心なので、落ち着いた会話劇が楽しめる「交渉の技術」。

相手の挑発にどう対応するか、何を伏せるかで形勢が変わる交渉と、失敗を次の仕事につなげるチームの関係が面白いので、自信を持っておすすめします。

Netflixでは、全24エピソードが配信されています。

第8位 なりすましの鼠

チェ・ムンジェ(リュ・ジュンヨル)は、ペンネームで小説を書き、長年ほとんど家から出ずに暮らしてきた作家です。

ある日、スマートフォンが指紋を認識しなくなり、パスワードも使えなくなりました。

自分の生活に結びついたものが次々と使えなくなるなか、ムンジェは誰かに身元を奪われたと気づきます。

さらに、目の前には自分とそっくりな男まで現れるのです。

この作品で怖いのは、偽物を見つけても、それだけでは解決しそうにないところです。

人との付き合いを避けてきたムンジェには、「自分が本物だ」と証明してくれる人が簡単には見つかりません。

いつも使っていたスマートフォンにさえ拒まれる場面を見ると、身元を奪われる恐ろしさが急に身近に感じられます。

本人なのに本人だと証明できないという設定だけで、第1話から緊張します。

ムンジェが手を組む相手は、高利貸しのノジャ(ソル・ギョング)です。

ノジャはすぐにムンジェを信じるわけではなく、彼を依頼人であると同時に人質のように扱いながら、「ネズミ」と呼ばれる男を追うための罠を仕掛けます。

助けが必要なのに、助けてくれる相手も怖い。

この安心できない2人組が、追跡をいっそう面白くしています。

さらにムンジェは、「ネズミ」が自分の過去を知る人物ではないかと考え始めます。

相手はどうやって自分になりすましたのか。

そして、なぜムンジェを選んだのか。

正体を追うほど主人公自身の過去も気になってくるので、謎を考えながら観るサスペンスが好きなら、次に観るドラマにおすすめです。

ただし、複雑なお話なので序盤に疑問点が多く出て来て、置いて行かれたら続きが楽しめなくドラマでもあります。

第7位 恋は飴模様

コ・ウンセ(ハヨン)は、病院で目を覚ましたとき、自分の名前さえ思い出せなくなっていました。

そこへジャージ姿のチャン・テハ(チョン・ヘイン)が現れ、「彼氏だ」と名乗ります。

知らない男性に恋人だと言われても、すぐに信じられるはずがありません。

テハはウンセを故郷の飴村へ連れて行き、2人のなれ初めを話しますが、ウンセにはどれもしっくりこないのです。

実は、記憶を失う前のウンセは検事として、暴力団のボス、ペク・サンギル(ホ・ソンテ)を追っていました。

捜査に気づいた組織に捕まり、危険な目に遭ったウンセを助け出したのが、サンギルのもとで働いていたテハです。

テハはサンギルにウンセを始末したと思わせ、彼女を村にかくまいます。

彼氏という話は、ウンセを守るためについた嘘でした。

ただ、テハにとってウンセは、学生時代に彼女と出会い、その後、日本の神戸で再会したときにも助けられていました。

次に会ったら恩を返すと約束していたテハは、ようやくその機会が来たのに、自分が裏社会と関わっていたことをウンセに話せません。

この過去を知ると、ウンセに疑われてもそばを離れないテハの姿が、最初とは違って見えてきます。

私が特に好きなのは、ウンセが「本当に彼氏なのか」を確かめようと、テハにキスをする場面です。

余裕たっぷりに恋人を演じていたはずのテハが動揺してしまい、かえってウンセの疑いを強めます。

ウンセには嘘をついているのに、好きな人を前にした照れだけは隠せない。

そんなテハを演じるチョン・ヘインの表情が可愛くて、2人の言い合いも楽しくなってきます。

飴村では村人たちのお節介が重なり、ウンセの疑いがさらに深まることも。

一方で、サンギルにウンセが生きていると知られれば、村での暮らしは続けられません。

ほのぼのした同居生活を楽しみながらも、テハの嘘がいつ、どんな形で明らかになるのかが気になります。

記憶喪失や偽の恋人という設定は王道ですが、テハが彼女を守る理由を知ると、2人の何げないやり取りまで愛おしく見えてきます。

笑えるラブコメも、少し緊張感のある恋愛ドラマが好きな方にすすめたい作品です。

第6位 恋は命がけ

事件現場で何度も顔を合わせる、財閥令嬢のチョン・ヨリ(パク・ウンビン)と検事のマ・ガンウク(ヤン・セジョン)。

ガンウクは彼女を疑っていますが、ヨリが遺体を見て動揺したときには、追及せずに気遣います。

ヨリは幽霊が見えることを誰にも話せず、人に触れないよう手袋をして暮らしてきました。

ガンウクの気遣いに少しだけ気を許したのか、遺体を見るのは慣れていても怖いと、珍しく本音をこぼします。

そんな2人が食堂で再会した夜、ヨリは酔って手袋を外してしまいます。

帰り道で介抱してくれたガンウクと素手で触れ合ったことから、彼にも幽霊が見えるように。

翌日、ヨリの家にいた子どもに、ガンウクは何も知らずに話しかけます。

あとでその子が幽霊だと分かると、家を飛び出して大慌て。

ヨリから事情を聞いたときには、目を開けたまま気絶してしまいます。

事件には真剣に向き合うガンウクが、幽霊の前ではすっかり弱気になるのが可笑しいんです。

ヤン・セジョンの慌てぶりも見どころですが、その騒ぎのあと、2人の関係が少しずつ変わっていくところに惹かれます。

ガンウクは怖い思いをするたびにヨリを頼り、ヨリは電話で幽霊への対処法を教えます。

以前のガンウクなら信じられなかった話を、今は真剣に聞いている。

ヨリにとっても、自分の話を説明しなくても通じる相手ができたのは、きっと大きいはずです。

幽霊の場面にはびっくりさせられますが、怖がるガンウクに笑い、ヨリとの電話のやり取りには少しほっとできます。

ホラーが少し混じったラブコメを観たい気分なら、この怖がりな検事と、幽霊に慣れた令嬢の組み合わせをぜひ。

第5位 トングン -呪いの宮-

『トングン -呪いの宮-』は、朝鮮時代の王宮で起こる怪事件を描いた、ホラー要素のあるミステリードラマです。

「トングン」とは、世継ぎの王子が暮らす東宮のこと。

その近くの池で王子が亡くなり、宮中には「池にいる霊の仕業ではないか」という噂が広がります。

30年前にも王子たちが相次いで亡くなり、当時ただ1人生き残ったのが、現在の王(チョ・スンウ)でした。

自分の息子たちにも同じことが起こり始めた王は、霊を退治できるグチョン(ナム・ジュヒョク)を呼び寄せます。

グチョンは田舎で暮らしながら霊と関わってきた男で、その姿を見たり、霊界へ入ったりできます。

王は彼に池の霊を退治するよう命じ、失敗すれば生きて帰れないと迫ります。

一緒に調べることになった宮女センガン(ノ・ユンソ)は、死んだ人の声を聞く力を持っています。

しかも、王からグチョンの行動を見張る役目も任されています。

2人は最初から気を許せる仲間ではないのに、池に何がいるのかを突き止めるには、互いの力が必要なのです。

グチョンの見せ場として紹介したいのは、首に縄をかけて池に潜り、霊界へ入る場面です。

霊を斬れるからといって、そこへ簡単に行けるわけではありません。

王の命令に従うため、自分の命を危険にさらして池へ向かう。

グチョンの戦いに迫力があるのは、強い相手と剣を交えるからだけでなく、戻ってこられる保証のない場所へ踏み込んでいるからです。

グチョンとセンガンは池の霊を追う中で、宮中の塩蔵に現れる霊にも遭遇し、そこに隠された出来事を調べていきます。

怖い姿をした霊を前にすると、早く倒してほしいと思うはずです。

けれど、センガンが死者の声を聞けると分かっているからこそ、「この霊は何を訴えているのだろう」とも考えたくなります。

姿の見えるグチョンと、声の聞こえるセンガン。

2人がそれぞれの力で王宮の過去に近づいていく展開が、このドラマを単なる霊退治で終わらせません。

ちなみに、グチョンの後をついて回り、食べ物を狙う小さな存在も登場します。

こちらは死んだ人の霊ではなく、悪い気から生まれた怪異です。

恐ろしい霊とは違い、食べ物を欲しがってグチョンについてくるところが妙にかわいらしく、緊張する場面の合間にほっとできます。

霊界での戦いにハラハラしながら、王宮で何があったのかも知りたくなるドラマです。

ホラーと謎解きの両方が楽しめてすごく面白いので、自信を持っておすすめします。

第4位 マンションのお仕事

『マンションのお仕事』は、元ギャングのボスがマンションの管理組合長を目指す犯罪コメディです。

主人公のパク・ヘガン(チソン)は、金を取り立てる仕事で組織を率いてきた男。

ところが、頼りにしていた警察幹部に裏切られ、父親のように慕う兄貴分まで拘束されてしまいます。

兄貴分を救うため、ヘガンは急いで100億ウォンを用意しなければなりません。

そんなとき耳にしたのが、ある大規模マンションに約178億ウォンもの長期修繕積立金が貯まっているという話です。

長期修繕積立金とは、住民が将来の建物の修繕に備えて積み立てるお金のこと。

ヘガンはその金を奪うため、管理組合の会長になろうとします。

ここからが、元ギャングなのに「マンションのお仕事」をする、このドラマの可笑しさです。

住民の大切なお金を狙っているのですから、ヘガンは決して立派な候補者ではありません。

それでも金庫を力ずくで開けるわけにはいかず、住民の投票で選ばれるために、選挙の手続きや人付き合いに取り組むことになります。

候補者として住民の前で公約を話す場面も、事情を知っていると見方が変わります。

よいマンションにしたい人の演説に見えて、本人の狙いは積立金です。

本音と建前が正反対なのに、会長になりたくて真剣に選挙を戦うヘガンが面白いのです。

しかも、独身で1人暮らしという経歴が候補者として目立ってしまい、ヘガンは住民に親しみを持ってもらおうと偽の家族まで用意します。

妻役を引き受けるカン・ハリ(ハ・ユンギョン)は、弁護士を目指しながら法律相談所で働く女性です。

弁護士試験に落ちたことを姉に言えず、お金も必要だったため、ヘガンから報酬を受け取って妻を演じます。

ハリはヘガンにまっとうに生きるよう言いたくなる立場なのに、自分も嘘をつかなければ仕事を続けられません。

この2人の立場を知ってから偽夫婦の場面を見ると、単に仲のよい夫婦らしく振る舞えるかだけでなく、どちらの嘘が先にばれるかも気になってきます。

偽夫婦だと知られそうになり、ヘガンとハリが慌てて対策を考える場面も面白いですよ。

ヘガンが、マンションでは妻役のハリと相談しながら住民の目を気にしているところも笑えます。

元ボスと管理組合長候補という、チソンが演じる2つの顔の落差を楽しめる場面です。

さらに、2人が狙う積立金を調べるうちに、マンション内の不正も見えてきます。

住民のお金を奪うつもりだったヘガンが、住民の困りごとや不正にどう向き合うのか。

偽家族と管理組合選挙の笑える騒動に加え、困りごとや不正を解決する姿も面白いので、今すぐにでも開封して下さいね。

第3位 鉄槌教師

『鉄槌教師』は、いじめや暴力で授業が成り立たなくなった学校に、特別な監督官たちが乗り込むアクションドラマです。

タイトルに「教師」とありますが、主人公のナ・ファジン(キム・ムヨル)は学校の先生ではありません。

学校で被害を受けている人を守るために設けられた、架空の政府機関「教権保護局」の監督官です。

最初にファジンが向かう学校では、大物議員の息子が父親の権力を背景に好き勝手に振る舞っています。

教師も生徒も逆らいにくい相手だからこそ、外から来たファジンが学校の主導権を握る展開には勢いがあります。

しかもファジンは、言葉だけで相手を諭して帰る人物ではありません。

特殊部隊で培った力も使い、学校で幅を利かせる生徒たちに正面から立ち向かいます。

すすめたいのは、ファジンの強さそのもの以上に、誰も止められなかった相手の前に立つところです。

議員の息子という立場が通用していた学校で、ファジンはどうやって状況を変えるのか。

第1話から、その対決を見届けたくなる作りになっています。

一方で、このドラマが扱う問題は、生徒同士のいじめだけではなくて、ある小学校では、強いプレッシャーを受けた教師が心を病み、教壇に立てなくなります。

そこでファジンは、その教師に代わって自ら授業を担当。

教師が受けていた苦しさを相手にも分からせようとします。

生徒であれ、教師であれ、学校でつらい思いをしている人を助けるために、ファジンたちが悪人を徹底的に懲らしめてくれるのです。

ファジンと一緒に動く教権保護局のメンバーにも注目。

目立たず控えめに見えるポン・グンデ(P.O)は、情報に強く、潜入も担う事務官です。

暴力的な生徒たちに妨げられる子を助けるときも、ファジンを支えました。

前に出て戦うファジンと、裏方で手がかりを探すグンデの組み合わせも頼もしいですね。

扱う事件にはつらい場面も多いのですが、被害を受けた人を置き去りにせず、監督官たちが踏み込んでいくところに救われます。

第1話から強烈なシーンでスカッとさせてくれるので、次に観る作品として自信を持っておすすめします。

第2位 ワンダーフールズ

『ワンダーフールズ』は、1999年の韓国の地方都市を舞台にした、笑える超能力アクションドラマです。

世紀末に世界が終わるという噂が広がる一方、ヘソン市では人が突然いなくなる事件も起きています。

そんな町で暮らすウン・チェニ(パク・ウンビン)は、心臓の病気を抱え、余命が長くないと知った27歳の女性です。

ずっと町の外へ出たことがないチェニは、旅行に行くお金を手に入れようと、祖母から身代金を取るために自分が誘拐されたふりをする計画を立てます。

手を貸すのは、近所に住むソン・ギョンフン(チェ・デフン)と、チェニの友人カン・ロビン(イム・ソンジェ)。

ところが計画はゴミ捨て場で思わぬ事態になり、3人は超能力を手に入れます。

ここからの面白さは、力を得ても、3人がすぐにスーパーヒーローになれないところ。

チェニは突然、別の場所へ移動できるようになります。

温室にいたかと思えば船に現れ、衣装だんすを通って朝鮮時代にまで飛んでしまいます。

どこへ行けるか分からないので、自由に旅をしたかったチェニにとっても、最初は便利な能力と言えません。

鼻血を流しながら「死ぬのかな」と戸惑うチェニが、それでも世界の終わりを見届けたいと言い出す場面にも、彼女らしさが詰まっています。

怖いはずの状況で妙に勢いがあるチェニを、パク・ウンビンがどう演じるのか、ぜひご覧になってください。

仲間の能力にも、本人たちらしい困った条件がついています。

ギョンフンは嘘をつくと、触れている物に手がくっつき、本当のことを言うまで離れません。

普段から妻に小さな嘘をついてしまう彼には、なんとも厄介な力です。

ロビンは驚くほどの怪力を得ますが、力が出るのは気持ちが傷ついたときだけ。

予告編では、何気なく投げた缶が壁を突き抜け、本人がびっくりしています。

強くなりたいときに強くなれるわけではないので、3人が力を試す場面は格好よさより先に可笑しさが来ます。

一方、失踪事件を調べる公務員イ・ウンジョン(チャ・ウヌ)は、規則を大切にする落ち着いた人物です。

超能力を持ちながらも1人で行動してきた彼が、行き当たりばったりのチェニたちと関わることで、4人の温度差も楽しくなっていきます。

町には危険が迫っていますが、この人たちは完璧だから町を守るのではありません。

自分の力にも戸惑っていた3人が、誰かを助けるために使い方を覚えていくところを見届けたくなります。

笑える能力と、チェニの「まだ行ったことのない場所へ行きたい」という切実な願いが一緒に描かれるので、自信を持っておすすめします。

すみません。「ただ守られるだけのヒロインにしない」は、場面を見れば分かることを、型にはまった言葉で言い直していました。

第1位を、出来事と感想が自然につながるように書き直します。

第1位 素晴らしき新世界

『素晴らしき新世界』は、朝鮮時代の女性が現代のソウルにやって来るラブコメディです。

王の側室カン・ダンシム(イム・ジヨン)は、王妃と世子を殺そうとした罪を着せられ、毒を飲まされます。

ところが目を覚ますと、そこは約300年後の韓国。

ダンシムは、時代劇の撮影現場にいた無名女優シン・ソリ(イム・ジヨン)の体に入り込んでいました。

王宮の外に出たことすらほとんどないダンシムには、車も街並みも初めて見るものばかりです。

そんな彼女が、財閥の御曹司チャ・セゲ(ホ・ナムジュン)の車にひかれそうになります。

セゲは怒って彼女を責めますが、ダンシムも黙って聞いてはいません。

ついさっき毒を飲まされて、気づけば知らない場所にいるのに、目の前の男と口げんかをするダンシム。

ダンシムは、せっかく生き延びたのだから、今度こそ自分の人生を切り開こうと考えます。

そこで目をつけたのが、財力も影響力もあるセゲでした。

セゲを味方につけたいダンシムと、彼女の妙な言動が気になって仕方がないセゲ。

最初は互いに言い負かそうとしていた2人の立場が、少しずつ変わっていきます。

特に面白いのは、2人で済州島へ向かうあたりです。

飛行機内で思わぬ事態が起き、セゲは大きく動揺します。

その後、ソリの姿が見えなくなると、心配になって自分から捜しに行くのです。

車の前で彼女に怒鳴っていたときとは、ずいぶん違いますよね?

セゲがいつから彼女を気にかけるようになったのか、これまでのやりとりを思い返したくなる場面です。

ダンシムの遠慮のない言葉に振り回されるセゲも面白いですし、彼女がいなくなった途端に余裕をなくすセゲも、ホ・ナムジュンが演じると妙にかわいらしく見えます。

笑いながら観始めて、2人の幸せを願うようになる。

次に観る作品を迷っているなら、『素晴らしき新世界』を自信を持っておすすめします。

X→かよよんちゃん