2026年もNetflixでは、見終わったあとまで心に残る韓国ドラマが次々と配信されました。

胸が温かくなるラブストーリーから、人間の欲望や弱さを描いたサスペンスまで、ジャンルはさまざまです。

面白かっただけではなくて、「あの時、主人公は本当はどんなふうに思ってたんだろう」「あのドラマが言いたかったことはそういうことか」などと思い出してしまう作品もありました。

そこで今回は、2026年にNetflixで視聴した韓国ドラマの中から、特に余韻が消えなかった10作品をランキング形式で紹介します。

第10位 Missホンは潜入調査中

『Missホンは潜入調査中』は、35歳の証券監督官ホン・グムボ(パク・シネ)が20歳の新入社員になりすまし、証券会社の不正を探るオフィスコメディです。

仕事のできるグムボが、潜入先では何も知らない新人として振る舞うのですから、最初からなんか無理がある感じ。

理不尽なことを言われても言い返せず、若い社員らしく見せようと必死になる姿がおかしくて、「パク・シネはこういう役も似合うんだ」と少し意外でした。

潜入先のCEOとして現れたのは、グムボの元恋人シン・ジョンウ(コ・ギョンピョ)。

ジョンウは新人として働くグムボを何かと気にかけます。

「そこまで気になるなら、そろそろ気づいてもよさそうなのに」と思いながら見るのも、このドラマのおもしろさでした。

グムボもジョンウを完全に過去の人として見ることができず、つい表情に本音が出てしまいます。

大人のグムボと20歳の新人を演じるグムボが混ざりそうになる場面には、笑いながらも少し切なくなりました。

心に残ったのは、グムボが寮で暮らす女性たちと少しずつ親しくなっていくところです。

最初は捜査のための共同生活でしたが、同じ職場で悔しい思いをしたり、夜に集まって話したりするうちに、グムボにとって大切な居場所へ変わっていきます。

誰かが困っていると放っておけず、事情をすべて知らなくても手を差し伸べる姿が温かかったです。

華やかな証券会社の裏側で、不安を抱えながら働く社員たちの姿も丁寧に描かれていました。

1997年という時代を知っているからこそ、会社の状況が悪くなっていく場面には胸がざわつきます。

笑える潜入劇だけではなく、仕事を失う怖さや、それでも踏ん張ろうとする人たちの強さまで伝わってくる素敵なドラマです。

第9位 今日から“ニンゲン”に転身しました

『今日から“ニンゲン”に転身しました』の主人公ウンホ(キム・ヘユン)は、人間になることを嫌がっている九尾狐です。

善い行いを重ねると人間になってしまうため、お金持ちの願いだけをかなえ、親切になりすぎないように暮らしています。

永遠の若さも財産も持っているウンホにとって、病気になり、年を取り、いつか死んでしまう人間は面倒な存在でした。

そんなウンホの前に現れるのが、世界的なサッカー選手カン・シヨル(ロモン)。

シヨルは実力も人気もありますが、自分が一番だと本気で思っているような男性です。

最初はウンホもシヨルも自信満々で、相手に合わせる気などまったくありません。

この2人が顔を合わせるたびに張り合う2人。

ところが、シヨルが自分の願いをヒョン・ウソクに譲ったことで、2人の人生が大きく変わります。

ウンホは望んでもいなかった人間になり、シヨルは華やかなスター選手から、生活にも困る3部リーグの選手へ転落してしまいました。

何百年も自由に生きてきたウンホが、力を失い、人間の体の不便さに振り回される姿は少しかわいそうなのですが、キム・ヘユンの表情がおかしくて笑ってしまいます。

一方のシヨルは、サッカーも名声も失って初めて、これまで自分を支えてくれた人たちの存在に気づきます。

何もかも持っていた頃よりも、必死でボールを追いかけるようになってからのシヨルのほうが、ずっと魅力的に見えました。

2人で善い行いを積もうとする場面も好きです。

自分の人生を取り戻すために始めたことですが、目の前で困っている人を助けるうちに、ウンホの気持ちが少しずつ変わっていきます。

人間になることをあれほど嫌がっていたウンホが、誰かを好きになり、別れの寂しさまで知ってしまうところが切ないです。

第8位 サラ・キムという女

清潭洞の下水口から、顔の判別もできないほど傷ついた女性の遺体が見つかります。

そばに残されていたのは、希少なハンドバッグと足首のタトゥー。

遺体はサラ・キム(シン・ヘソン)だと思われましたが、刑事のパク・ムギョン(イ・ジュニョク)が調べ始めると、彼女の経歴はどこをたどっても辻褄が合いません。

序盤で忘れられないのが、サラが大きなスーツケースを引いて高級ブティックに入ってくる場面です。

店員の制止も気にせずバッグを手に取り、写真まで撮るので、最初は場違いな客にしか見えません。

ところが、並んでいるバッグをすべて買うと言い、スーツケースを開けると、中には現金がびっしり詰まっています。

その瞬間、周囲の見る目が一斉に変わります。

品のない振る舞いまで「お金持ちの気まぐれ」として受け入れられてしまうのが、妙に生々しくて、笑うより先にぞっとしました。

シン・ヘソンの演技も見事でした。

売り場に立っていた頃は、相手の顔色をうかがうように肩を縮めていた女性が、サラを名乗るようになると、顎の角度も歩く速さも変わります。

高価な服が彼女を別人にしたというより、周囲が信じたがる人物を、彼女自身が細部まで演じ切っているように見えました。

とりわけ苦しかったのは、バッグを縫う技術を持つキム・ミジョンが、少しずつサラの服装や振る舞いをまね始めるところです。

サラもまた誰かの人生を借りてきた女性なのに、今度はそのサラに憧れ、自分を消そうとする人が現れます。

同じドレスと同じタトゥーを身につけた2人が向き合う場面では、どちらが本物なのかという謎よりも、2人とも自分の人生では満足できなかったことのほうが胸に刺さりました。

最後に刑務所を訪れたムギョンが、彼女に「あなたは誰ですか」と尋ねます。

彼女は答えません。

あれほど巧みに名前を変え、過去を作り替えてきたのに、最後には本人さえ何と名乗ればよいのか分からなくなっているようでした。

サラを好きになれたかと聞かれれば、正直、最後まで迷います。

それでも、バッグを抱えたときだけ一瞬満たされたように見える彼女を、単なる嘘つきとして片づける気にはなれませんでした。

欲しかったのは贅沢な暮らしではなく、「ここにいてもいい」と誰にも追い返されない身分だったのかもしれません。

第7位 恋の通訳、できますか?

何カ国語も操る通訳者チュ・ホジン(キム・ソンホ)と、無名時代を経て世界的なスターになった女優チャ・ムヒ(コ・ユンジョン)の恋を描いたラブコメです。

2人の最初の出会いは日本でした。

恋人を奪ったと思い込んだ女性を問い詰めるため、ムヒは偶然居合わせたホジンに通訳を頼みます。

ところがホジンは、相手を傷つけるための言葉は訳さないと、きっぱり断ります。

ムヒに頼まれた言葉をそのまま伝えるのではなく、本当に言う必要があるのかを考えてから訳すところに、ホジンの人柄が出ていました。

その直後、店内で子どもがアレルギー症状を起こすと、ホジンは日本語とイタリア語を使い分けながら救急車を手配します。

普段は穏やかなホジンが、迷わず子どもを抱えて走り出す姿には、ムヒでなくても目を奪われます。

その後、2人は連絡先さえ交換しないまま別れますが、恋愛リアリティ番組「ロマンティック・トリップ」の撮影で再会。

ホジンの仕事は、ムヒと日本人俳優の黒澤ヒロ(福士蒼汰)の会話を通訳することでした。

私が好きだったのは、ヒロがムヒに好意を伝えたとき、ホジンがすぐには訳せなかった場面です。

いつもなら迷いなく仕事を進めるホジンですが、ほんの少し黙ってしまいます。

ヒロの気持ちを正確に伝えれば、好きな女性が別の男性に近づいてしまう。

仕事と自分の気持ちの間で揺れていることが、わずかな間と表情だけで分かりました。

一方のムヒも、明るく自由に見えて、幼い頃の記憶を心の奥に閉じ込めています。

鏡や窓に映るもう1人の自分「ドラミ」におびえる姿を見ると、ムヒの予測できない言動も、ただのわがままとは思えなくなりました。

ホジンはムヒを急いで変えようとせず、彼女が自分から過去と向き合うまで待ちます。

好きだからそばにいたいのに、今は離れたほうがよいと判断するホジンの静かな優しさが、この作品ではいちばん印象に残りました。

クリスマスに再会したムヒが、ホジンへさまざまな言語で気持ちを伝える場面もよかったです。

途中で何度も言葉を間違え、気持ちを読み違えてきた2人だからこそ、ムヒが自分の言葉で「好き」と伝えようとする姿がうれしくなりました。

日本やカナダ、イタリアの景色も美しいのですが、思い返すのは、ホジンが訳すのをためらった数秒間です。

言葉を知っていることと、相手の気持ちが分かることは同じではない。

そんな当たり前の難しさを、重くしすぎず、恋のもどかしさとして見せてくれたところが好きでした。

2026年に観たNetflix韓国ドラマの中で、最後まで2人を見守りたいと思えた作品です。

第6位 マンスリー彼氏

『マンスリー彼氏』は、仕事に追われて恋愛から遠ざかっていたソ・ミレ(ジス)が、バーチャル恋愛サービスを試すところから始まります。

専用の機器を使うと、目の前に理想の彼氏が現れ、現実ではなかなか経験できないデートを楽しめます。

財閥の御曹司との豪華なデートや、大学を舞台にした初恋など、恋愛ドラマの定番が次々と登場するところがおもしろいです。

イ・スヒョクやソ・ガンジュンなど、バーチャル彼氏役が驚くほど豪華でした。

こんなサービスが本当にあったら、一度くらい試してみたいと思ってしまいますよね。

ミレも最初は仕事のために利用していましたが、やがて高い料金を払ってでも続けたいと思うほど夢中になります。

現実では疲れて帰宅してもひとりですが、仮想世界に入れば、自分の好みを知り尽くした男性が待っています。

面倒な駆け引きもなく、傷つけられる心配もないのですから、抜け出せなくなる気持ちもよくわかりました。

ただ、完璧に作られた彼氏とのデートを重ねるほど、どこか物足りなさも見えてきます。

優しい言葉もロマンチックな演出も用意されたものだと思うと、ときめいている自分まで作り物のように感じてしまうのでしょう。

そんなミレのそばにいるのが、職場で何かとぶつかってきたパク・キョンナム(ソ・イングク)です。

キョンナムは余計なことを言ってミレを怒らせますし、仕事では負けたくない相手。

それでも、ミレが疲れているときに気づくのは、画面の中の彼氏ではなくキョンナムでした。

夢のようなバーチャルデートよりも、ミレとキョンナムが現実で少しずつ距離を縮めていく場面のほうが、あとになって思い出されるドラマでした。

第5位 魔法のランプにお願い

『魔法のランプにお願い』は、約1000年ぶりにランプから解放された精霊イブリース(キム・ウビン)と、感情をうまく理解できない女性カ・ヨン(スジ)の物語です。

ランプの精霊と聞くと、願いをかなえてくれる優しい存在を想像しますが、イブリースはまったく違います。

人間は欲深く、願いを与えれば必ず本性を現すと信じていて、カ・ヨンを誘惑しようとします。

一方のカ・ヨンは、罪悪感や共感をほとんど持たず、祖母から教えられた決まりを守ることで普通の人として暮らしてきました。

この2人の会話はどこかかみ合わず、ロマンスが始まるまでには少し時間がかかります。

正直、序盤は設定が多く、どこへ向かう話なのか戸惑いました。

それでも、人間の善と悪を確かめるため、村人たちに願いをかなえていく展開から一気におもしろくなります。

なかでも忘れられないのが、野良犬のポッピです。

ポッピは人間の男性に変身し、自由な時間を楽しみます。

ところが最後には、大好きな少年に別れを告げるため、犬の姿に戻ることを願いました。

もっと人間として生きることもできたのに、自分を待っている少年を選びます。

人間ではないポッピが、誰よりも優しい願いを使ったところには泣かされました。

カ・ヨンが祖母のパン・グムを自分と同じ若さにしてほしいと願う場面も印象に残っています。

祖母を失うことが怖いのに、その不安をカ・ヨンはうまく言葉にできません。

感情がないように見えても、祖母を大切に思う気持ちは確かにあるのことが伝わってきました。

イブリースも、人間の醜さを証明することにこだわっていたはずなのに、最後にはカ・ヨンを守るために頭を下げます。

1000年近く人間を嫌ってきた彼が、たった1人のために自分の信念も命も手放す場面は切なかったです。

変わった物語ですし、好みが分かれるところもあります。

それでも、ポッピの願い、祖母の愛、カ・ヨンが初めて知った悲しみは、見終わってからもなかなか消えませんでした。

第4位 ブラッドハウンド シーズン2

キム・ゴヌ(ウ・ドファン)とホン・ウジン(イ・サンイ)が帰ってきました。

ボクシング王者になったゴヌを、ウジンがコーチとして支えるところから物語が始まります。

相変わらず性格は正反対ですが、2人の距離は友人よりも家族のようです。

今回の敵は、違法な国際ボクシングリーグを仕切るイム・ペクジョン(チョン・ジフン/RAIN)。

ペクジョンはゴヌを自分のリングへ立たせるために、ウジンやゴヌの母親を殺すと脅します。

警察がペクジョンの潜伏先へ踏み込むと、ホテルの部屋には時限爆弾まで仕掛けられていました。

爆発によって仲間が病院へ運ばれ、ゴヌは「自分のせいで、みんなが傷ついている」と責任を背負い込みます。

そのとき、ウジンがゴヌに「みんな、お前を大切に思っているから助けているんだ。俺たちは家族だ」と伝えます。

ゴヌを慰めるために用意した言葉というより、ウジンの本心がそのまま出たようで、私はこの場面が好きでした。

ところがゴヌは、誰にも知らせずペクジョンが用意した違法試合へ向かってしまいます。

自分が行かなければ、母親やウジンが狙われると思ったからです。

リングへ上がったゴヌは、体格の大きな選手を2人続けて倒します。

会場がゴヌを応援し始めると、面白くないペクジョンは自らリングへ入り、すでに疲れているゴヌを容赦なく殴りました。

試合は配信されていて、母親が画面の前で息子の名前を呼びながら取り乱します。

ペクジョンの怖さは、ゴヌが大切な人を見捨てられないと知り、その優しさを使ってリングへ引きずり出したところにあります。

正直、物語の厚みはシーズン1のほうがあり、仲間が増えたぶん2人だけの時間も少なくなりました。

それでも、独りで背負おうとするゴヌと、何度でも隣に戻ってくるウジンの関係は変わりません。

激しい殴り合いが続く辛い作品ですが、ウジンとゴヌが家族になっていくところが心に残りました。

第3位 なりすましの鼠

自分が自分であることを、どうやって証明するの?

『なりすましの鼠』は、考えれば考えるほどますます怖くなるドラマです。

人気作家のチェ・ムンジェ(リュ・ジュンヨル)は、ある事情から人前に出ず、世間と距離を置いて暮らしています。

ある日、スマホの指紋認証が反応しなくなり、電子決済も使えなくなります。

最初は端末の不具合だろうと思っていたのですが、銀行口座、自宅、住民登録と、ムンジェが本人だと示すものが次々に消えていくのです。

挙げ句の果てには、周囲の人たちまで目の前にいるムンジェを「偽物」と呼び始めました。

そして、チェ・ムンジェとして暮らしている、まったく同じ顔の男が現れます。

2人が向かい合った場面は、ぞっとしました。

同じ顔、同じ声なのに、目の動きや立ち方が少し違います。

リュ・ジュンヨルが1人で演じているとわかっているのに、途中から本当に別人に見えてくるのが不思議でした。

ムンジェは人生を取り戻すため、失われた金を追っている高利貸しのノジャ(ソル・ギョング)と手を組みます。

ノジャは自分の目的のためなら人を容赦なく追い詰める人物。

そんな2人が互いを信用しきれないまま行動するので、緊張が途切れません。

序盤は、何もかも奪われたムンジェを疑わずに応援していました。

早く偽物の正体を暴いて、元の生活へ戻ってほしいと思っていたからです。

ところが過去が明らかになるにつれ、その気持ちが少しずつ揺らいでいきます。

ムンジェは本当に、人生を盗まれただけの被害者なの?

真相へ近づくほど、どちらが善でどちらが悪なのか、簡単には決められなくなりました。

信じていた「本物」の姿が崩れていく怖さ。

これまでにないストーリー展開がよくできていて、めちゃくちゃ面白かったので、忘れられない作品になりました。

すべて知った上でもう一度見直したいドラマです。

第2位 トングン -呪いの宮-

夜明けの東宮で世子が遺体となって見つかる冒頭から、宮殿全体が冷たい霧に包まれているようでした。

亡くなった世子は、これで3人目です。

王(チョ・スンウ)は人前では「王家の血に怨霊など触れられない」と言い切りますが、残された幼いヨンアン大君にも異変が起きると、ひそかに悪霊退治を命じます。

呼び出されたのは、霊を見るだけでなく、自らも霊の姿になって剣を振るうクチョン(ナム・ジュヒョク)でした。

ところがクチョンは、面倒そうな顔をして王命を断った結果、宮殿へ連行され、「大君を救えなければ死」と告げられます。

このふてぶてしさは、重苦しい物語の中で「ナムジュヒョク!ナイス!」なんて思いました。

そんなクチョンを監視する、死者の声を聞く宮女センガン(ノ・ユンソ)。

彼女は王の娘でありながら、正式な王族として扱われず、宮殿の片隅で生きてきた女性です。

王に敬意を払おうとしないクチョンと、宮中の決まりを守ろうとするセンガンは、会うたびにぶつかります。

やがて、悪霊に取りつかれ、体を激しく震わせる幼い大君。

センガンはためらうクチョンを必死に動かそうとします。

クチョンが池の悪霊と対峙する場面もハラハラ。

剣で首を落としたはずなのに、悪霊はその場で頭を生やし、さらに大きな姿となって立ち上がります。

クチョンの剣まで砕け、絶対に倒せないものを相手にしているような絶望感がありました。

悪霊が王家の血を狙う理由は、宮殿の中で長く隠されてきた恨み。

死者の声を聞けるセンガンには、その苦しみが届いてしまいます。

王を守ることと、踏みにじられた死者の思いを知ること。

その間で揺れるセンガンの表情が切なく、怪異よりも人間のほうが怖いのではないかと思わされた作品でした。

第1位 鉄槌教師

Netflix「鉄槌教師」は教権保護局の監督官ナ・ファジン(キム・ムヨル)が、いじめや不正で荒れた学校へ乗り込み、問題を解決していくドラマです。

第1話では、廊下でいじめっ子に殴られているシーンからスタート。

教師も生徒も見ているだけで、周囲ではスマホを向けて撮影している人までいます。

そこへ現れたファジンは、いじめっ子の頬を平手で何度もたたきました。

突然の登場に驚きましたが、あれほど好き勝手に振る舞っていた生徒が、一瞬でおとなしくなる様子には正直すっきりしました。

ただ、大人が高校生を殴る場面なので、気持ちよく見るだけでいいのかという迷いも残ります。

私がファジンを応援したくなったのは、そのあとの工業高校での話でした。

学校では暴力的な生徒が教室を支配し、真面目な生徒たちは授業すら受けられません。

そのなかに、仕事から帰ってきた母親の濡れた靴へ、黙って新聞紙を詰めてあげる男の子がいました。

家では母親を気遣える優しい子なのに、学校では騒ぎを起こす生徒たちのせいで机に向かうこともできません。

この子が安心して勉強できる教室にするためならファジンのような極端な人物も必要なのかも?と思わずにいられません。

ただ、ファジンは拳だけで解決をするわけでもなく、教師が試験問題と解答を一部の保護者へ売っていた事件では、同じ問題を使いながら、選択肢の順番だけを入れ替える作戦を立てます。

不正に手に入れた答えを指へ書き込んでいた生徒たちは、そろって0点に。

事情を知らずに答案用紙を見つめる生徒たちを見て、スカッとしましたよ。

一方で、誰にも頼れず勉強を続けていた生徒には、ファジンが「君はちゃんとやっているのだから、勉強を続ければいい」と声をかけます。

悪い相手を懲らしめるだけでなく、頑張っている子にも目を向けているところがいいです。

教育部長官チェ・ガンソク(イ・ソンミン)とファジンが、亡くなった教師の墓前に立つ場面も心に残りました。

2人がここまで強引な方法を選ぶ背景には、守れなかった教師への後悔があったのです。

やり方には賛成できないところも多いのですが、見て見ぬふりをするよりいいし、とにかくスカッとします。

『鉄槌教師』が痛快だったのは、助けを求める声が小さくても、きちんと見つけてくれたからだったのでしょうね?

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